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男飯食堂、神代亭へようこそ!  作者: 一之瀬 葵翔


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20/20

今日のおやつはなぁに?

今回短めです。

二日連続投稿に免じて、許してください笑

「えっ、年明けうどんって今までやったことなかったんですか?!」


 乃亜の驚きの声が座敷に響く。


「うん、いつもは年越しそばだけだよ?」


「悟志くんそれにしては手慣れてたけど……」


「だって、うどんだもん。基本はできるからあとはカップ麺参考にして、上になに乗せるか決めるだけだし……」


 年明けうどんの感想を言った乃亜に、実は年明けうどんを作ったのは今年が初めてだと話す悟志。

 初めてにしては手慣れていないかと訝しげに話す瑠実に、基本は同じと返す。

そんなやり取りで始まった新年二日目。

 神代家は非常にまったりとした時間を過ごしていた。

 朝、寒い中ゴン太の散歩に出かけた後、スーパーに買い物に行き、そのあとはずっと自室で動画を見ていた悟志。

 途中、ゴン太が甘えに来たときは横に伏せたゴン太の頭や身体を撫でながら、用意したつまみで酒を飲む。

 三人娘も朝少し出かけていたがすぐに戻って、自室で思い思いの時間を過ごしている。

 昼食は作って座敷に置いてあるから、腹が減ったらそれを温めて食べるだろう。

 十時から十五時ちょっと前まで、懐かしいアニメやヒーロー番組を見ていた。


「ん~……、どうすっかな」


 小腹がすいた。

 何か軽食をと、キッチンに降りて冷蔵庫を漁る。

 色々あるが、何の気分なのかわからない。

 ふと棚を見ると、大晦日、海老天を買ったスーパーで面白そうだと一緒に買った小さいバゲット。

 ……やってみっか。

 今日のおやつはホットドッグだ。

 まずはバゲットに切り込みを入れる。

 切り込みを入れたらオーブントースターに入れておく。

 次に冷蔵庫から取り出したのは千切りキャベツとウィンナー。

 フライパンをコンロに置くと火にかけて、熱する。

 そこにサラダ油を少し引いて、炒め始めた。

 油を吸って柔らかくなったキャベツに、塩コショウをかけると皿に移しておく。

 そのままウィンナーに切り込みを入れて、炒めていく。

 オーブントースターでパンを軽くあぶる程度に焼くのも忘れずに。

 ジュージューと火が通っていく音につられたのかここで桃叶がやってきた。


「神代さん、何されてるんです?」


 料理している様子を興味深そうにのぞき込む桃叶。

 悟志はふっと笑ってこう答える。


「小腹すいたから、おやつでもと思ってさ。ホットドッグ作ってるの。桃叶ちゃんも食べる?」


「はい!」


 元気のいい返事。そうだろうな、と思ってパンの在庫を確認すると残り二つ。

 だったら……、持って行ってもらおうか。


「これたぶん瑠実ちゃんとか乃亜ちゃんも食べたいって言うよね。よし、今二つ作ってるから先に俺と桃叶ちゃんで一つずつ食べちゃおう。そんで、新しく作った二つは桃叶ちゃんが持って行ってあげて」


「わかりました!」


 悟志のお願いにぴしっと敬礼をして答える桃叶。

 さて、ウィンナーも焼けたみたいだし、仕上げていきますか。

 なんて思ったタイミングでオーブントースターがチンと鳴り、焼き上がりを教えてくれる。


「ここからは一気に手早くいきますかね」


 バゲットを皿に乗せると切り込みを広げて炒めた千切りキャベツを詰める。

 そのあとウィンナーを乗せて、ケチャップとマヨネーズ。

 マスタードが苦手だった場合に備えて、以前弁当に持たせた時と同じ味付けにしておいた。

 できたホットドッグを一つ手に取ると、皿を桃叶に差し出す。


「ほら、できたよ」


「ありがとうございます」


 皿を受け取ると座敷に持っていき、こたつに入る桃叶。

 それを見届けると、いただきますと小さく呟いて一口。


「いただきます」


 桃叶も手を合わせてそう言うと、ぱくりと一口。

 バターロールやロールパンとは違った、さくりとした食感。

 パンよりは固いが、バゲットよりは柔らかい。

 そして、うまい。

 桃叶も悟志も夢中で食べ進めた。

 桃叶より少し早く食べ終わった悟志は瑠実と乃亜の分のホットドッグを作り始める。

 今度はこたつからそれを見ていると、眠気が襲ってくる。

 いかんいかん、悟志が作ったものを瑠実たちに持っていかねばと寝ないように気を張っていたが、その努力は無駄に終わる。

 階段から誰かが下りてくる音が聞こえる。しかも二つ。

 あっ、これは二人が下りてきたんだな。

 その予想は当たっていた。


「ねぇ悟志くん、私ちょっとお腹すいたんだけど、なんか食べれるもの……って、作ってくれてる~! え、なんで私がお腹すいたのわかるの? すごくない?」


「悟志さんありがとうございまぁす!」


 ああ、大丈夫だ。

 安心した桃叶は横になる。

 そのすぐ後に聞こえてきたのは静かな桃叶の寝息だった。





「ももー、そろそろ起きな~?」


「ももー、ごはんだよー!」


 自分を呼ぶ声で目を覚ました桃叶は身体を起こす。

 すると目の前には夕飯が。

 どれだけ寝ていたのだろうか。

 スマホで時間を確認すると、夜の八時。

 四時間ほど寝ていたことになる。

 すっごく寝ちゃったなぁ、なんて少し反省。


『お、桃叶殿起きたか』


 いつの間にかそばにいたゴン太は、桃叶が目を覚ましたと知るとてしてしとキッチンにいる悟志の横へ歩いていく。


『悟志、桃叶殿起きたぞ』


「ありがとな、ゴン太」


 まだぼんやりとした頭でそれを見つめていると、悟志がこちらにやってくる。


「お待たせ、じゃあ食べようか。……いただきます」


「「「いただきます」」」


 自然な流れでいただきますとは言ったものの、完全寝起きで食欲はない。

 神代亭に来て初めて、お残しをしちゃわないか。

 ちょっと心配になる桃叶と、


「私、お味噌汁結構好きなんです」


「今度は味噌煮込みうどんに使う赤い味噌でお味噌汁作って!」


 と味噌汁について悟志と話す瑠実に乃亜。

 年が明けたからと言って、特に変わることもない神代家の夕食であった。

今週の更新はこれで終わり。

次回更新は10日か11日になります。

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