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男飯食堂、神代亭へようこそ!  作者: 一之瀬 葵翔


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14/20

閑話2:ショートショートな日常を

読者様の体調不良が想像以上にヤバそうなため、大人しく寝る時のお供にと。

【甘やかしがすぎる!】


 二日ほど前、来栖が熱を出した。

 というより季節性の風邪を引いた。

 

 暦が三連休で、どちらかというと田舎になるこの街では日曜、祝日に診察を受けられるところは限られている。

 熱がまだそこまで高くなかったこともあって、常備してあった解熱剤だけで様子見をしていたのだが。

 先日桃叶も世話になった、家の近くにある町医者。

 乃亜に開店準備を任せて、悟志が病院に連れていく。

 朝一番で診察をしてもらうと、医者の診断は


「季節性の風邪だね。発熱から少し経ってるけど念の為、今日から5日間仕事はダメです。家でしっかり休むように」


 ということで来栖は戦線離脱。

 座敷のこたつで報告を受けた乃亜。

 悟志と二人で頑張るか、と覚悟を決めたのだが、悟志の判断は意外なものだった。


「よし、今週は店閉めるわ」


「え?! 私が体調悪かった時は店開けたのに? くるぴゃんがいないと、回らない時ってありますから仕方ない部分はありますけど……。だからってお店臨時休業はやりすぎじゃないです?」


 露骨なえこひいき。

 ではなく、理由がちゃんとあった。


「季節性の風邪だから、もしかしたら俺も乃亜ちゃんもまだ発症してないだけで感染してるかもしれない。そんな中で店に出て、お客さんに移したらって思うとねぇ。あと、乃亜ちゃんが体調不良の時は桃叶ちゃんがテストで早帰りだったから。来栖ちゃんに乃亜ちゃんの面倒見てもらいながら店に立ってもらって。桃叶ちゃんに店手伝ってもらえたけど、今日はさ……」


「あ、もも朝早く学校の行事で出かけていきましたもんね。しかも泊まりで。帰ってくるの明日でしたっけ?」


「そうそう、シンプルに人が足りてない。しかも桃叶ちゃんは平日学校だからさ。営業時間に店にいてもらうってなると学校休んでもらうことになるじゃん?」


「じゃあ仕方ないですね。私、張り紙作って入口に貼っておきますね」


「うん、お願い。俺、来栖ちゃんに何か欲しいものないか聞いて買い物行くわ」


 そう言うと悟志は座敷から出て、階段を上がっていく。

 乃亜は座敷の棚にある画用紙とペンを取り出して、今週臨時休業、と書く。

 何か味気ないな、と色々なイラストを付け加えて入口へ。

 私も欲しいものがあったんだ、悟志がまだいたらついて行こうと座敷に戻るとちょうど悟志が車の鍵を手に取ったところ。


「悟志さーん、私も買い物行きまーす」


「りょうかーい。あ、コートかなんかちゃんと着て、暖かくね」


 そう言われて、ぱたぱたと自室へ向かいクローゼットから買ったばかりのコートを取り出す。

 白いファーコート、それを羽織るとすぐに悟志の元へ。


『来栖殿、寒くないか?』


「ゴン太ちゃんあったかぁ~い……。ゴン太ちゃんのおかげで大丈夫かも」


 どうやら来栖にはゴン太がついているようでひと安心。

 悟志の車で最近リニューアルオープンしたスーパーへ。


「……悟志さん、そんなに買ってどうするんです?」


「来栖ちゃんがゼリー食べたい、甘いの食べたいって言うから……。ほら、乃亜ちゃんが前ちょっと寝込んだ時もこれくらい買ったし。食べなかったやつはみんなが食べたら……」


 カゴに入っている野菜、肉、うどん、あげなどの食材はわかる。

 これで美味しいごはんを作ってくれる、買ってくれ。

 しかし、二つ目のカゴに入っているのは明らかに来栖一人が食べるには多すぎる甘いもの達。

 ゼリー、果物の缶詰、一口サイズのシュークリームにアイス。

 製薬会社が売っている身体に一番近い水、は大事としても買い込みすぎではないだろうか。

 自分が体調崩した時にもこれくらい買い込んだと聞いて驚きを隠せない乃亜。

 そういえば桃叶が熱を出した日も冷蔵庫にたくさん食材以外のものがあったっけ……。

 え、この人大丈夫かな?

 と少し心配になる乃亜だが悟志は止まらない。


「あっ、凍らせて首冷やすやつも買っといた方がいいよね?」


 あれよあれよと他にもカゴに入れていく悟志に


「甘やかしがすぎる!!」


 と言ってしまう乃亜なのであった。




【桃叶の昼食】


 学生である桃叶。

 神代家で暮らすようになって、昼食が購買のパンから悟志手作りの弁当に変わった。

 美味しいことは美味しいが、味気なかった今までのそれに比べて今の昼食のなんと素晴らしいことか。

 食事は栄養補給の手段、楽しさや温かさなんて、と割り切ろうとした桃叶の底にあったもの。

 それを神代家は全て肯定してくれた。

 今では桃叶は食事の時間が大好きな時間の一つになっていた。


「今日はなんだろ?」


 朝、四角いランチボックスを渡された桃叶。

 それだけで今日はパン系だとは理解した。

 サンドイッチに違いない、何サンドだろうか?

 カツがいいなぁ、なんて思いを馳せながら午前の授業を終えて、カバンから包みを取り出してすぐに開けるとそこには……。


「ホットドッグと……サンドイッチ?」


 バターロールで作ったホットドッグと、バゲットを適当な大きさに切って、切れ目を入れて具材を挟んだバゲットサンドがそこには入っていた。

 お弁当がどうしても冷たいから、と最近悟志が持たせるようになったスープポットには何が入っているかな?

 わくわくしながらフタを開けるとコンソメスープ。

 ざく切りのキャベツと玉ねぎ、それにベーコンが入っていた。


「いただきます」


 手を合わせて小さな声でそう言うとまずはスープを一口。

 湯気が立つほどの熱をまだ持っていたスープが、少し冷えた身体にちょうどいい。


 次に桃叶が手にしたのはバゲットサンド。

 細かく刻んだ野菜をイタリアンドレッシングで合え、生ハムと一緒にサンドしたものだ。


「あっ、生ハムが意外と合いますね」


 食パンに比べて固いバゲット。

 しっかり噛んで食べなさい、という悟志の親心に似た何かを感じる。

 いや、ちゃんと噛んで食べてますよ?

 むしろ神代さんの方がちゃんと噛んで食べてくださいね?

 なんて頭の中で勝手なやり取り。

 しかし、噛むのに疲れてくる。

 そういう時はスープでふやかして、噛みやすく。

 それを平らげるのにさほど時間はかからなかった。


「あっ、これ。高いウィンナーです」


 次の獲物はホットドッグ。

 切れ込みを入れたバターロールを軽く焼いて、炒めた千切りキャベツを挟む。

 そしてかけられたケチャップ。

 いや、色合い的にケチャップとマヨネーズを混ぜたオーロラソースだろうか?

 その上に焼かれたウィンナーを。

 それにかぶりつくと炒めた千切りキャベツの甘さが口に広がったあと、ウィンナーの旨味が混ざってもうたまらない。

 あっという間に食べ切った桃叶だった。

 ちょくちょく飲んではいたが、まだ少し残っていたスープの具材を小さなフォークで刺して食べる。

 最後までしっかりと食事を堪能したあとは、すぐに片付けて一眠り。

 珍しく夜更かしをして、睡眠不足だけならよかった。

 授業の時間割が眠気を誘うものばかりで、流石の桃叶も眠気が限界。

 ここらで寝ておきたいと机に伏せる。

 少しするとすぅすぅとした寝息。

 午後の授業が始まるまで残り30分ほど。

 桃叶の昼寝タイムが始まった。

本編はほんま今週更新ないです!

みなさんも体調にはくれぐれも気をつけて、お過ごしください!

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