Chapter1
出会い。
最初に会ったとき、君は人好きのする笑みを浮かべてた。
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最初に三國有也に、剣治と私が会ったのは、新学期が始まってすぐのことだった。
春休みから付き合ってるのだと、姉・久美から突然言われたその日のうちに、学校近くのファーストフード店で会ったのだ。剣治は、姉に話を聞かされてから、ずっと難しい顔をしていて、私は姉の彼氏のことより、その剣治のことのほうが気にかかっていた。
「というわけで、あたしの彼氏の有也くんでーす!」
「紹介されちゃいました、三國有也でーす。よろしくー!!」
三國有也の印象は、一言でいえば、チャラい男ってやつだった。剣治は髪を染めていないし、剣道部に所属してたからか、硬派な美形ってやつだったけど、三國有也は、髪は明るい茶髪だし、ピアスも何個も開いていて、顔は整っていたけど、不良っていわれても違和感がなかった。正直、清楚な美人である姉には似合わないと思った。しかも、
「アンタは久美サンの幼馴染の東堂剣治センパイでしょ。うちの高校では有名だから知ってますよー。久美サンと二人で校内の姫と王子なんて呼ばれてるし。・・・それから、姫と王子の従者なんていわれてて、地味ーな妹の優美ちゃんでしょ。ちなみに俺、優美ちゃんの隣のクラスね。」
なんて、私が一番気にしてるようなことを、悪気もなく笑顔で言っちゃうくらい、口が悪かった。
「・・・お前、優美に対して辛辣な言い方するなよ。口調も服装もチャラいし、よく久美はこんな奴と付き合ってるよな。・・・ムカツク。」
「まぁまぁ、有也くんも悪気があるわけじゃないからさ。そう怒んないでよ。・・・有也も、剣治は大事な幼馴染だし、優美も大切な妹なんだから、棘のある言い方しないの。」
「正直に言いすぎたみたいでゴメンネ?・・・あと、大事な幼馴染取っちゃってさ。姫と王子は校内ベストカップルなんていわれてたのに。」
「なにいってんの。剣治と私は付き合ったことなんてないわよ。ただの幼馴染なんだし。それに、剣治は優美の彼氏よ。」
「ただの幼馴染ねぇ・・・。ならいいけどねぇ・・・。」
なんて姉と会話しながら、三國有也は向かいに座る私と剣治をみた。私の横では、そんな二人の会話を聞いて、有也がさらに機嫌が悪くなっていて、その様子を見て、私は、やはりもしかしたら剣治は姉のことが好きなんじゃないかと思っていた。それならなんで私に告白なんてしたんだろうとも。
三國有也が酷く楽しげに、そんな剣治と私の様子を嘲笑っていたのに、私は気付かなかった。




