Chapter0
初投稿作品です。楽しんでいただけたら嬉しいです。
何度も諦めようとしたけれど、諦めれない思いがあった。
最後にみえたのは、大好きなあの人の顔ではなくて、私を追いつめた君の顔だった。
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私の名前は遠野優美。クラスの中にいたら、すぐに埋もれてしまうぐらい地味で普通の高校2年生。唯一普通ではないのが、私には、とても美人で学校のマドンナ的存在の姉・遠野久美と、これまた美形で学校の王子様なんて言われている幼馴染・東堂剣治がいることだ。
二人は私と一つしか変わらなくて、同じ高校の3年生。だから、毎日一緒に登下校しているけど、姉たちのファンからしてら、私みたいな地味な女が一緒にいることが気にくわないみたいで、よく嫌がらせを受ける。けれど、二人が一緒に居ることを望んでくれるかぎり、私はどんなイジメにだって耐えられると思ってた。
それに、私が高校一年の終わりには、剣治から告白されて、私たちは付き合うようになった。ずっと剣治に片思いしていた私にとって、嬉しいハプニングで、姉だって
「おめでとう!」
と祝福してくれた。剣治は優しくて温かくて、私はこの三人での幸せが続くんだと信じてた。
けれど、その幸せは、長くなかったんだ。
私が高校2年になってすぐの春、姉が初めて彼氏・三國有也を連れてきてから、三人の歯車は狂ってしまった。