表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/18

14日目「特別待遇たけし」


 白塗りの車は凄まじい速度で、街の中央に見える高台へと向かった。入り口には王座入り口と書かれていて、この国の防衛が不安になる。

「あれ、先輩。ポンチョどうしたんですか」

「暑いから脱いだぜ」

 もしかしてたけし先輩が加工品は着れないと言っていたのは単に着たくないということなのだろうか。ぼくは呆れて何も言えなかった。入り口の城門は固く閉ざされ、この国の入り口と同じ格好をした衛兵が立っていた。

「怪しい奴!」

 このくだり何回やるのだろう。衛兵たちは槍をこちらに突き出したが、今度はすぐに槍をおさめた。

「やっ、失礼しました。たけし様、お待ちしておりました!」

「お前もオレのこと知ってんのか」

 城門が音もなく浮上して開門する。

「これ、どうなってんの?」

 たけし先輩があっけらかんと聞く。

「反重力装置を使っておりまして」

 その時、国の西側にあった巨大な湖から間欠泉が吹き上がった。

「うわっ」

 思わず身構える。遠くのほうで吹き上がったのに、その規模が大きくてすぐ隣で起きたかのようだ。

「ああ、オレの国にもあったな。確か」

「反重力エレベータですね」

「そうそれそれ。そっか、こんな小型化できたんだな」

 たけし先輩が少しの説明で反重力の装置を理解したことで、やはりこのひとはぼくの世界の人ではないのだなと思った。そこまで理解したところで、たけし先輩の尻が黒く覆われていることに気がついた。こんなに毛深かったか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ