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Akashic Rulers  作者: Filsmical
0:1-弑逆
2/5

0:1-2:第一可及界


 ――僕はこの世界の創造神……


 神らしい。

 転生が如何と言っている。


 端から無かった興味が鬱陶に変貌した。

 別の事に気を回す。



 残念な事に帰端仮説は正しそうだ。

 存在軸は地続きに。

 虚構も擦過も発す。

 可及界は無限で乱数的。

 恐らく自意識は遍くを統べ――



 ――体が揺れた。


 自称神が揺らして来た様子。

 無視。


 ――再度揺れた。


 顔が顰む。

 自称神は意識が戻ったと解釈したか、懇切丁寧に講釈を垂れ始めた。


 曰く、死んだ為別世界に転生する必要がある、と。

 義務、責負、身に覚えの無い対償を謳っている。


 ――僕のお陰で転生……


 成程。

 此奴は神の癖、来世の証明には至らず。

 挙句自身が転生方法を握ると愚考した、と。

 別に干渉が無くとも転生は起こる訳だが。


 無知の露呈。

 高が人間程度の知能に負ける神等、祀り敬う気も起きない。


 ――で、これから転生してもらうんだけど……


 鬱積が睥睨した。

 誰が肯くと。


 忌避、拒絶。


 ――いや、これはルールだから……他の人もやってる事だし……


 同調圧力の批判、及び利己主義の傾倒。

 区別、平等、差別の広狭義に於く誤謬。


 帰端仮説を、如何なる帰結かを余さずに伝える。


 ――いきなりどうしたのさ……


 困惑を見せる……処理能力は人間同等と。


 ――いや、僕はこの世界じゃ全知全能……


 全能の逆説。

 情報取得限界。


 吐き出す言葉に侮蔑皮肉の類を込めて、沈痛を期待した。

 別段深い意味は無い。

 強いて言うなれば憂さも晴れなかった。


 ――君は異世界の人を見捨て……


 浅ましく見下げ果てた論点変転だ。


 有象無象の範疇、悲愴を厭くならば自身で救済すれば良い。

 それ程に脳が回らないか。


 全能が聞いて呆れる。


 ――僕は神だから心が読めるんだ……

 ――君は本当に失礼な……


 言語をなぞるのみで理解する能が無いと伝えたいのだろうか。

 対人攻撃に走らず返答を。


 ――はあ……


 自称神は面倒臭そうな表情で転生させると告げて来た。

 説明責任と言う概念を知らないか。

 厚顔無恥に倫理を宣える豪胆さは見習えるやも知れない。


 ――何か言っときたい事とかは……


 答責性の全うを。



 無視された。




 ◇




 転生した。

 見知らぬ土地だった。


【アイテムボックスを覚えた!】


 アイテムボックス

 何でも好きなだけ入れる事が出来る。


 脳内で声が響いた。



 ……自身の首から下を。


 首元にゲートの様なものが現れ、体を飲み込んだ。

 案外判定は甘い様子。


 難なく出血死。



 ◇




 ――何やってるの?

 ――世界を救ってって言ったよね?


 此方こそ拒否を告げた筈だ。


 ――でも、あんな……

 ――奮発してスキルまで上げたのに何で……


 説明責任を果たさず拉致した故だ。

 報酬も無い。

 目標も伝えない。

 自身の素性も明かさず、何の確約もせず。

 何処に肯定に値する情報が存在すると?


 ――くっ……

 ――も、もう一度!


 コストの浪費。

 この様な児戯に力を使われる、異世界の人々とやらが酷く哀れだ。

 そもそも神が人間の体を模す事自体可笑しな話であり――



 ◇




 アイテムボックス

 自分自身を除く物質的なものを収納できる。

 ※重さ100グラム、体積1立方メートルまで。



 収納。

 言えばゲートが出現。


 それで口を塞ぐ。



 最後、肺の空気を収納――


 ――酸欠で死亡。




 ◇




 ――何なの?

 ――迷惑だからやめてよ……


 見捨てれば済む話だ。


 ――いや、それは神の中にもルールが……


 只の人選ミスと。

 全知全能の神も随分と落魄れた事で。


 ――……元だよ……!

 ――僕は元全知全能!

 ――これで納得した!?


 そう韜晦し数多の人間を陥れたと。

 全知全能に次ぎ全善さえ抵触するとは恐れ入る。

 騙し転生させ救世を強制した事に是非、率直な所見を。


 ――そんなつもりじゃ……


 では如何なる理由で以て。


 ――……黙秘権を……


 理由も無くただ働きとは、先人達は何とも可哀相な……


 ――もう!

 ――ああ言えばこう言う!


 中身無し。

 文句を向けた所で情報量は増えない。


 ――……


 どうやら今世も外れ籤だ。

 手っ取り早く自称神を引き下ろし、早急に来世へ向かおう。


 ――なっ……!




 ◇




 暫く。


 ――何……でっ……

 ――っ、が……


 自称神が這い蹲り、血溜りを舐める。


 ……


 自称神を斃した。

 過程で情動の排斥も完了した、憂慮は一切ない。


 後は絶対の停滞を手にする、その限りだ。


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