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神様に貰った異世界ナビゲーターは俺の理想の嫁でした!  作者: 生名 成(いきな せい)
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ドニプロダンジョン3

 ご褒美を貰った俺は、すぐにアフロディーテの後ろに隠れた。そして、クロスボウにボルトを装着する。

「あの魔物は何だ?」

アフロディーテに聞く。

「Cランクのブラックスコーピオンです。特徴は硬い外皮と大きな鋏です」

「しかし、本当に硬そうだな。あれって、ボルトが通るのかな?」

 物は試しと一発放ったが、予想通りにボルトは弾かれた。

「やっぱ、無理だわ。アフロディーテ任せる」

「はい。旦那様」


 アフロディーテが右手を上げると、巨大な炎が立ち上がった。

3メートルを超えるブラックスコーピオンが一瞬で焼かれて黒い煙になった。

宝箱の中身は銀色に輝く短剣だった。

「アフロディーテ、鑑定してくれ」

「『護りの短剣』です。攻撃を受けた時、ダメージを半減してくれます。レアアイテムです」

「おお! やっと良い物が出た」

黒い石や青い石は、本当にただの石だった。今のところ何の役に立つのか分からない。


アフロディーテが言った。

「旦那様、泉の傍でお昼にしませんか? あの岩山なら安全です」

泉のすぐ横に小さな岩山があった。二階建ての家くらいの大きさなので6メートルくらいの高さだろう。

アフロディーテが俺を抱えて飛び上がる。少しだけ平になった頂上に降り立った。

収納から二人用のテーブルセットを出して、昼食の用意をする。

アフロディーテが事前に作り置きした、焼いた肉とスープにパンが並べられた。


「旦那様、はい。あ~ん」

 アフロディーテが、俺を甘やかしてくれる。とても嬉しいが、こんな場所で「あ~ん」してていいのかと思う。


だが、日本には、こういう時に使う便利な言葉がある。

「気にしたら負け!」

そう、気にしなければいいのだ。


「これって、作り置きだよな。でも、この肉はまだ熱いんだけど?」

俺の疑問にアフロディーテが答える。


『時間停止』と『時間経過』の二つの亜空間収納を持っているので、使い分けしているとアフロディーテは言う。時間経過の方は、生物も収納できるそうだ。

「有能だな、アフロディーテ」

『本当に俺にはもったいない女性だ』と思った。

「いえ、旦那様のお役に立てるなら、それが一番嬉しいです」

アフロディーテの心遣いが嬉しい。俺は思わず、席を立ってアフロディーテの後ろからハグした。

「キャッ!」

俺がとつぜん抱きついたので、アフロディーテが小さな悲鳴を上げた。その声が可愛いから、俺はつい強く抱きしめた。


次の瞬間、アフロディーテが勢いよく立ち上がったので、俺は後ろに倒れそうになった。しかし、なんとか踏ん張る。

アフロディーテの体が一瞬で消えた。

『しまった! やり過ぎた』と思った。


ところが、下から叫び声が聞こえた。

「キシャー」という声がした方を見る。茶色の蟷螂の体が、縦に真っ二つになるところだった。


「Cランクのデザートマンティスです」

宝箱の中身を回収してアフロディーテが戻ってきた。そして魔物の事を教えてくれた。

茶色の体は砂漠の保護色だ。飛ぶ事はできないが、その羽を使って砂の上を滑るように高速で移動する蟷螂だ。スピードが乗った状態で繰り出される斧は、簡単に獲物を切断するという。


「アイテムは『蟷螂の斧』でした。何でも一度だけ断ち切れる斧です」

「一度だけ? 使い捨てのアイテムか、微妙な物だな」

「だけど、一度だけとはいえ何でも断ち切れるのですから、アイテムとしては貴重な物です」


「そうか。それよりアフロディーテ、探索中に抱きついたのは俺のミスだ。ごめん!」

「旦那様、探索中は気をつけてくださいね」

「うん、できるだけ君の魅力に抵抗してみる」

「まっ! 旦那様ったら」

アフロディーテが赤くなって体をくねらせる。照れているようだ。


『たぶん、無理だと思うけど』

と内心で考えた事はアフロディーテには内緒だ。

「旦那様、ハグは宿に戻ってからゆっくりしましょう」

そう言って、アフロディーテはウィンクをした。

『アフロディーテ!』

今、改めた心が揺らぎそうになった。


俺は泉を見て思いついた。

『そうだ。今度、アフロディーテと一緒に海に行こう』

目的はもちろん新鮮な魚と貝だ。鉄板を持ち込んで二人で海鮮焼きを食べる。


のは、後回しだ。目的はアフロディーテの水着に決まっている。この世界に水着が売っているかは知らない。でも、アフロディーテなら水着は自作できるはずだ。当然、俺の好みの水着を作ってもらう。

「さあ! 午後も頑張るぞ」

楽しみが出来たので気合いが入りまくっている俺は、男としては正常だと思う。


泉から暫く歩くと、砂漠の中に石畳の通路が現れた。

『これで歩きやすくなる』

と俺は喜んだが、アフロディーテは厳しい顔をした。

「魔物です」

石の通路の横にバラバラに積んであった四角い石が、いきなり合体を始めた。

「Cランクのストーンゴーレムです」


「ドン!」という音がして通路の石が陥没した。アフロディーテが一瞬で、ゴーレムの横に移動する。重い衝撃音が響いた後、ゴーレムが宙を舞った。落ちてきたゴーレムにアフロディーテの右足の蹴りが炸裂した。胴体を粉砕されてゴーレムは煙になった。

 アイテムは『硬い盾』だった。防御力が一割上がるようだ。




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