60、死活問題 2
なかなか癖になるシキュ特性ブレンド茶で喉を潤す。
「通報されなければいいのね」
「まあ、最終的には」
考えていたら最終的にシェルの顔が浮かんできた。
普段から活用しまくっている認識阻害眼鏡を作っているのは、シェルの知り合い。
久しぶりに改良実験中の魔道具を稼働させ、シェルに伝言を送る。
『エルフ並の年齢確認の品はある?』
人よりもそう送るとすぐに返答が返って来た。
『期日は?』
シェルが知っているわけではないから、最もな返答。
そこに『なる早』と返答する。
『お待ちを』と来た。
顔を上げると、シキュと目が合った。
「何か策が?」
こちらの様子を見ての言葉であり、また不確定要素を取り除きたい問い。
「魔道具は試したの?」
「個人開発の不確定ものなら試しましたが、不発でした。この国のどこかに魔道具開発機関が存在していることは知ってますが、どう攻めてもみても無理難題な関所ですからあそこは。まさか、そこにコネをお持ちで?」
「私ではないわ。コネを持っている方を知っているだけよ」
この魔道具を使う時点で、連絡相手はシェルなのだと分かっているだろうから、方とあえて濁してみた。
「そのコネクションの一欠片でも頂きたいのですが」
商人であればそのコネクションは、喉から手が出てしまうほどなことは、分かっている。
だが、シェルが誰とどう繋がっているのかは、聞かずにいるから、自分からは探られることはない。
魔道具開発機関だと噂は知っているが、名前も所在も探ることはしていない、知らぬが一番。
「残念だけど、知らないし、今後も知りたくもないわ」
「おっ、そうてすか。ちなみに、シェルマウンド氏の鉄扉門をご存じですか?」
「さあ、知らないわ。でもシェルが優秀なことは知ってるわ。それ以外の些末なことを知る必要はないわね」
少し擽られるワードてはあったが、うちのシェルは優秀なだけでいい。
聞けば教えてくれるかもしれないが、雇い主だからといってシェルを縛る気はない。
うちのシェルすげーだろと言わずとも自慢出来る、この感覚だけでいい。
シェルが直接辞表を出すその瞬間まで、うちの誇れる事実のみそれだけでいいのだ。
「あのー、引く手数多だったシェルマウンド氏がお姉様に就いた経緯とかって教えて頂けたりしませんか?」
「特にないわ。普通に雇っただけよ」
「もしかしてお姉様が直接雇われました?」
「そうよ」
「6歳のお姉様が、直接ですか、なるほど……」
シェルが私と出会ったのは5歳だが、1歳の誤差。
だが、それさえも他人が知り得るはずはない情報の一つ。
正式採用として提示してあるのは8歳からであったりする。
それを知っているのだと匂わす意図を探りながら、ふっとシェルとの出会いを思い出して思う。
シェルも年齢不詳というか、10年経っても老けてる印象は全くない。
前世で言う、美魔女が近場にいたことに今更気が付いた。




