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ゲーム内容知らないので、悪役令嬢役を放棄します!  作者: 田子タコ
②冒険者になったよ

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35/68

35、護衛は就活へ-決心

ギルドポイントも獲得し、内心ホクホクで喜んでいたのが良くなかったようだ。

体験就活を終え、三人で最初に通された統括侍長室へに向かっていると、隣に向けていやな視線を感じた。

チラリとそちらを見ると、ハゲデブ登場。

今日は王宮内に人が多い、その隙間を見つけて声をかけようとしているのが見え見え。

人目を気にしているのは、妾にまた逃げられたと新聞に載ったからかとも思ったが、何かがおかしい。

保護対象でもあるミリーを挟んで歩いてるから、直接はまだ来てないが、統括侍長室まではまだ遠い。

もうしばらく歩くと人通りも少くなる区画もある。

さて、どうしようか。


「ミリー、決心付いた?」

「どうし……ヒッ……」

振り向いたミリーはハゲデブを見付け、止まりかけたミリーの腕を掴み、歩かせる。

「止まるのは失策、歩いて」

「そうでした。ごめんなさい。あんなに練習したのに、本物はやはり違うのですね。嫌悪感が全身を包んでおりますわ。……アン、うまく出来るかしら……」

「練習相手が幻覚で見た目を変えたギルでは、足らなかった?」

「気持ち悪さが全然違いますわ。言葉は悪いですが、あれには嘔吐感を感じてしまいますわ」

「なんか、あいつおかしくねぇ?」

ハゲデブの不可解な様子もギルも気が付いた。

ミリーをチラチラと見ながらも、目線が誰かを探しているよう。

アンは少し考えてから、近くを歩いていた優しそうな騎士に声をかけた。

「申し訳ありません。少し宜しいでしょうか?」

騎士は、こちらが侍女服でも関わらず、足を止めてくれた。

「それは学生徽章だね。何かあったかな?」

誰がどの所属なのか、徽章で分かるようになっている。

三人共、学生徽章を付けていた。

「不躾ながら、少しお時間を頂きたいです。友人がとあるお方に目を付けられていまして……」

そっと、ハゲデブの方向に視線を送ると、騎士さんは目線がバレないようにチラッと確認すると、頷いた。

「それは大変だったね。今から統括侍長殿へ報告かな?」

「はい。もし可能ならば、統括侍長室まで同伴をお願い出来ないでしょうか?」

「的確な判断だ。だが、それは必要ない。……少し待ってくれるかな。ちょうど令状が出たところでね。体験の最後に捕物見学も加えるといい」

そう言うと、騎士さんは右手を左の肩に乗せると、指で野球のサインのように数字を表すと、その手をすっとハゲデブへ手を下ろした。

すると、多方から騎士が現れ、ハゲデブを囲みあっという間の捕者劇。

「このような出来事は、滅多に起こらない。王宮は私達が守るから、安心して仕えるといい」

そう言って、優しそうな騎士さんは去っていった。

ミリーとギルが理解する前に終わってしまい、少し説明が必要になった。

そして、残念なことに、ハゲデブへの牽制練習は意味のないものへとなってしまった。

お目通し、ありがとうございます。

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