第13話 暴れて寝る。これ一番ダメ!
俺が美羽に本音を言ってから数日経った
美羽は時々悲しそうな顔をしていて、俺と目が遭うと慌てていつもの調子に戻す
そして、俺はチィ姉とはあれから一度も話さず、電話・メールすら何も無い日々を過ごしていた
「それじゃ大学行ってくるから」
「うん。いってらっしゃい」
今日は美羽が学校の創立記念日とやらで学校が休みらしい
俺はいつも通り、大学へ向かっていき、講義を受ける
そして、4限を終え帰ろうと大学内を歩いていると真美先輩に捕まった
「九十九くん!今日こそは部室に来てもらいます!」
「部室って近くの居酒屋じゃないですか・・・」
「あんなに良い部室を持ってるのは私たちのサークルだけだよ」
「サークルって言っても俺と真美先輩含めても4人ですよ?それも俺、あとの2人会ったこと無いですし・・・ホントにいるんですか?」
「ん?1人は俊丸でしょ、あと1人は・・・あれ?卒業したっけ?休学だっけ?・・・忘れた。まぁまぁ良いじゃない。どうせ次の講義は今野でしょ?あいつ、出席取らないし、出ても無駄だからね。電車無くなるまで飲もうよ」
今野って言う人の講義は出ても無意味な単位取得のための講義。
つまり、出席取らない、テストは簡単と単位が簡単に取れてしまう教員の講義だ
ちなみに真美先輩も取っていたはず。一度も見たことは無いけど・・・
「無くなるまでって・・・まだ16時ですよ」
「夜は長いよ~」
真美先輩はそう言って俺を闇の世界、居酒屋へと連れていった
「つくもくぅ~んは~好きな人とかいるんですかぁぁ~~??ひっく」
「お酒対して強くないのに飲みすぎですよ」
「ひっく!う~るぅさ~いぃぃぞぉぉ~、さっさと答えろおぉ~ひっく」
「ああ~もう!耳元で叫ばないでくださいよ・・・」
「ひっく!・・・うっ、き、気持ち悪いぃ・・・」
「ちょっと!」
夜19時
もうフラフラのまともに歩けない真美先輩を家まで送るために背中に背負いながら真美先輩の家へ向かっていた
真美先輩は顔を俺の肩に乗せているため、酒臭い匂いが常にある感じで正直キツイ・・・
「うっ・・・は、吐く・・・」
「ちょ!絶対やめてくださいよ!」
「うっ・・・も、もう駄目・・・下してぇ~」
俺は真美先輩を必死で背中から下すと、フラフラと道の端の方へ寄って「お、おぇぇ~」と吐く
その風景を見ない為に俺は背中を向けて音だけ聞こえてくるのだが、それだけで貰いゲロしそうになる
「つぅくも~くん~、ひっく!」
「ちょっと!そんな汚い手で近寄ってこないでくださいよ!ほら、あそこに公園ありますから」
「うぅぅ~・・・世界が回るぅぅ~・・・」
「ほら、ちゃんと歩いてくださいよ」
「九十九くんはお酒つよぉ~いよねぇ・・・ねぇ!!!」
「はいはい、強いですよ。最強ですよ。ほら、手と口洗ってください」
「ふぃ~・・・ちべたいぃぃ~・・・つぅくも~くんん・・・もぉいいよぉ」
「はぁ~・・・」
「うぇぇ・・・気持ち悪いれすよぉ~・・・早く送れぇ~」
「はいはい、わかりましたから。はぁ・・・なんでこんな酒臭い人を・・・」
「んあ~なんか言ったぁ?」
「言ってないですから、なるべく息しないでください。臭いです」
再び真美先輩を背中に乗せて、真美先輩の家へと運ぶ
真美先輩の家はここから少し歩いて、一旦車の良く通る道に出て、5分ぐらい歩いたところにある
「うぇぇ~・・・げぷっ」
「臭い・・・」
「誰が臭いってぇ!!!」
「っ・・・あーもう!耳元で叫ばないでくださいって」
「ひっくっ・・・うぃぃ~・・・降りる・・・」
「はい?」
「降りる!!!」
「うわっ!?ちょっと!暴れないでくださいって!」
「降りるって言ってるんれすよ!私は!!!」
「わ、わかりましたから!暴れないで・・・うわっ!?」
背中で暴れられた時に真美先輩の足が俺の足に当たり、ちょうど足カックンみたいになった
そして、俺はそのまま崩れるように真美先輩を乗せたままコケてしまった
「ってぇ・・・大丈夫ですか?真美先輩」
「うぃぃ~・・・冷たくて気持ち~・・・」
「地面に顔付けるのやめてくださいよ・・・もうすぐですからじっとしていてください。家まではちゃんと運びますから」
「ふぁ~い・・・あ!九十九くん~?」
「なんですか」
「お礼~にチューしてあげるぅ~。ちゅ~~」
「やめてくださいって!!!」
「あによ~、私のちゅ~が嫌なわけかぁぁ!!!」
「はぁ・・・酔いすぎですよ・・・」
「ああー!!!またバカにした!!!」
「してませんって・・・いいから早く家に行きますよ。これ以上迷惑かけないでください」
「ふぁぁぁ~・・・すぅ・・・ふぅ・・・」
「うわ・・・暴れに暴れたら寝た・・・タチ悪すぎる・・・」
俺は歩道の真ん中で顔を地面に付けながら寝ている真美先輩を背中に乗せて、あともう少しの真美先輩の家まで送り届けるために歩き出した
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