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第10話 ドキドキの三者面談

※が付いていある言葉はあとがきで説明しています。

 お昼ごはんを食べ終わり、三者面談の時間が近づいてきたため俺たちは小牧さんが運転する車で学校へ向かっていた


「なんか三者面談でこんなドキドキするの初めてかも」

「俺もチィ姉も担任と1対1だったからね」

「そうなの?」

「そうだったね~。まぁ私は三者面談自体1回しかしたこと無いんだけどね」

「なんでなの?お姉ちゃん」

「星井さんは何でもできるし、話すことがないって言われちゃって。あははは~」

「そんなことあるんだ・・・」

「美羽、全国模試トップ3に入ってる人のことだよ」

「お姉ちゃん、そんな賢かったの!?」

「ぐ、偶然だよ。沙羅もそのぐらいだったし、ふーちゃんも3年の時に10位に入ったじゃん」

「お兄ちゃんも・・・」

「悠斗に負けたのは悔しかったなぁ」

「え、悠斗さんは何位だったの?」

「悠斗か?1位か2位だったかな」

「お兄ちゃん、お姉ちゃん、社長さん、悠斗さん・・・・私の周りって一体・・・」


 美羽は現実逃避するように車の窓から外を見る

 横ではチィ姉が美羽を励まそうとしているが、そんなのは逆効果だろう

 俺は美羽のことはチィ姉に任せておいて、運転席で運転してくれている小牧さんに話しかけた


「小牧さんってどこの大学通ってたんですか?」

「私ですか?※HBSですね」

「え?・・・マジですか・・・HBSってあのアメリカのですか?」

「はい、そのHBSです」

「あ・・・あの、美羽はそれを・・・」

「たぶん知らないと思いますよ」

「この中で一番学歴凄いじゃないですか・・・」

「いえいえ、昔の事ですよ。今では千夏ちゃんのマネージャーです」


 小牧さんは笑いながら運転をしていて学校へ向かっていく

 前から沙羅さんが小牧さんに絶対的な信頼を持っていると思っていたが、実はこの人がいるからチィ姉とか美羽とかの事務所が成り立っているのかもしれない

 俺は新たな真実を知って、ますますこの高峯家の凄さを知りながら美羽の周りの人の凄さを実感した



 それから、しばらく車で走って美羽の通っている学校に着いた

 学校側からあらかじめ裏口から入ってほしいと言われていたので、裏口に回ると美羽の担任であろう人が立っていた


「あ、先生」

「え?あの人・・・・」

「お~来たなぁ~元トップアイドル!」

「先生、その呼び方やめてって言ってるでしょ」

「いいじゃないか・・・って懐かしい顔があるなぁ」

「久しぶりです。久美先生」

「わぁ~久美ちゃんだ」


 面白い先生とは美羽から聞いていたが、まさか俺の1年の時の担任とは思わなかった


「へぇ~、美羽ちゃんのお兄さんって言うから誰かと思えば」

「お兄ちゃんたちって知り合いなの?」

「ああ、俺の高1の時の担任」

「そうだったの?」

「2年に上がった時にいなくなったんですよね?」

「そうだね。高峯姉がこっちに来てほしいって言ってきたんだ。っと、立ち話もあれだし入ろう」


 久美先生は俺たちを中に入れて、教室では無く応接間の方へ案内された


「さてと、昔のことを話したいんだけど、麻上の三者面談なので・・・まず、麻上は良くやっています。それと麻上は・・・」


 久美ちゃんはそれから真面目に先生として三者面談を進ませていき10分ぐらい話すと質問を聞いてきた


「美羽は学校でどんな感じなんですか?」

「ん~、元々この学校自体が有名人の息子さんたちが多く通ってるから特別注目されてるってわけじゃないけど、目立ってるね」

「そうですか」

「それだけ?」

「ん~・・・はい。外で待ってくれているので」

「そう」


 俺たちは応接間から出て、美羽とチィ姉はさっさと車の方へ向かっていく

 俺はあることを思い出して、職員室に帰ろうとしていた久美ちゃんを止めた


「ちょっと聞きたいんですけど」

「ん?」

「クラスの中にカッコいい子っています?」

「ん~・・・私からしたら皆ガキんちょにしか見えないけど、高津君って子がモテてるね」

「高津くん?」

「ああ。人気者だな、私からしたら人気取りのガキだけど」


 久美ちゃんは本当にウザそうな顔をしながら持っている紙を見ている

 昔の久美ちゃんはこんな風に言う人じゃなかった

 もしかすると高津君って子は久美ちゃんの授業中に何かやってしまったのだろうか?


「ずいぶん嫌ってる感じですね」

「ん?ああ、私の授業中に笑いを取ろうとした。成績が悪い癖に・・・」

「そ、そうですか・・・それじゃ俺行きます」

「元気でね~」


 最後は笑いながら送ってくれたけど、本当の性格はさっきの方なのだろうか?

 1年近く担任で見てきたけど、あんな顔を見たことが無い。

 まぁ高峯学園に久美ちゃんの授業でふざけるほどバカな奴はいないし、授業の進行速度は本当に早かったから少しでもサボれば簡単に置いていかれる

 そんな環境だったから久美ちゃんも今みたいな反応をしなかったのかもしれない・・・と思いながら俺は車で待ってもらっている小牧さんの所へと歩いていく



HBSのことについて。ハーバード・ビジネス・スクールの略で、簡単に言えば世界のビジネスエリート予備軍が集まるハーバード大学の経営大学院のことです。要は超一流の集まりですね(笑)

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