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第71話 トランプタワーのギネスは25フィート(7.62m)です

 

「ふーーーちゃーーーん!!!おっきろーー!!」

「ん・・・・んぁ?・・・・うぉっ!?」


 目を開けると目の前にチィ姉の顔が近づいてきていて、俺は急いでチィ姉の顔を手で抑える


「んぐっ・・・ぶ~ぢぁ~ん」

「俺は魔人じゃない」

「ぶぶぶ・・・ぢゅ~じょ~」

「10錠?そんなに薬飲んだら頭おかしくなるよ?」


 チィ姉の顔は俺の手で抑えられていて、ものすごい顔になっていく

 それも唇だけ伸びているので、ひょっとこのお面みたいだ


「あれだけ熱でしんどそうだったのに一夜で回復するとは・・・化け物か・・・」

「ぶぅぢぁ~ん」

「離れて、そしたら解放あげるから」


 そう言うとチィ姉のこっちへ迫る勢いが弱まっていったので俺もため息をつきながら手を離す

 俺はこの時、完全に油断をしてしまった

 そして、その隙をチィ姉は見逃すわけがない

 すかさず、チィ姉は俺に近寄り俺の唇とチィ姉の唇が重なった


「・・・・・・・」

「・・・・・・にひ~」

「・・・何が“にひ~”だ!このキス魔!!!」

「わぁ~、ふーちゃんが怒った~」


 チィ姉は楽しそうに俺から離れ、走って部屋を出ていく

 俺は追おうとしたが、めんどくさくなって立ちあがるのをやめる

 チィ姉は俺の看病のおかげ?もあってか39℃近くの熱を出しても一夜にして回復

 それも、起きたての人の唇を奪い逃げ去るほどだ


「はぁぁ・・・なんであんな回復力いいんだよ・・・」


 ため息をつきながら立ちあがってチィ姉の部屋から自分の部屋に向かう

 部屋の中に入ると携帯が光っているのに気が付き、俺は眠気を払うために背伸びをしながら携帯を開く

 そして、携帯を光らせていた原因のメールにあることを気がつかされる


「やばい・・・これはヤバい・・・今から急げばなんとかなるかな・・・」


 俺は急いで着替えて、リビングにいるチィ姉の方に向かう

 チィ姉はソファにぐたぁ~っと寝転びながらTVを見ていた


「チィ姉!俺、学校行ってくるから!今日のところは大人しくしてるんだよ。担任には俺から言っておくから。じゃ!」


 急いで家を出て、普段は休日にしか乗らないロードバイクを取り出し猛スピードで走る

 この時間帯は車も人もほとんど通らない道で安全を確認しながら最大限のスピードで学校に向かった



「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ~」

「おはよう、楓くん」

「おはよう、メールありがとう。ホントに助かった」


 悠斗からのメールは今日の久美ちゃんの授業は小テストだという知らせだった

 久美ちゃんの小テストは比較的簡単な方だ。

 しかし、期末などのテストは点数を取らせたくないのか難問にしてくるため、小テストで点を稼いでおかないと補習対象になってしまう

 まぁ補習と言っても宿題が多くなるだけなんだけど


「あのメール何時頃気が付いたの?」

「ん~10分ぐらい前じゃないかなぁ」

「10分って・・・そんな早く来れるの?」

「あ~いつもみたいにママチャリじゃないからね。ロードバイクで来てるからいつもより早く来れるんだ」

「へぇ~楓くん、ロードバイク乗るんだ」

「趣味でね。昔は・・・・まぁ暇なときに乗るぐらいだよ」

「そっか。あ、来たみたいだよ」


 久美ちゃんが教室の中に入るとすぐに小テスト用の紙が配られる

 予習とかやってなかったので、結構難しかったが何とか解いていく

 皆がテストを解いている間、前にいる久美ちゃんは特にやることが無いのかトランプタワーを頑張って作っていて、今のところ3段目まで出来ていた

 そして、15分ぐらい経つと前に小テストを回す

 久美ちゃんの所に全部集まると、その場で久美ちゃんが○つけを付けていく


「相変わらず早いなぁ・・・採点。てか、7段のトランプタワー初めて見た・・・」


 久美ちゃんはパラパラとめくるように採点していき、25人分を3分ちょっとで済ました


「はい、採点終了。最高得点者はいつも通りで、高峯くんね。はい、皆拍手~・・・で、珍しく点数が普通だった九十九くんにも拍手~」

「苛めですか・・・」

「苛めじゃありません。まぁ予習をしてないと点数取れないようにしてるから、当然の結果なんだけど・・・まさか予習無しで50点中35点も取れるとは思ってなかったなぁ。皆もこれぐらい頑張るように」


 それからはいつも通りの授業が始まり、俺はノートを埋めていく

 そして、授業も終わり、放課後になると俺は自転車置き場に悠斗と向かった


「へぇ~星井先輩、元気になったんだ」

「一夜で完全回復だよ」

「あはは。あ、これ?楓くんの自転車」

「うん。結構乗ってるから、あちこち汚れてるけどね」

「綺麗だよ。大切に使われてるのがよくわかる、この自転車も喜んでるじゃない?」

「そうだといいね」

「レースは出ないの?」

「ん~まぁね・・・これはレース仕様じゃないから」

「そうなんだ。それじゃ僕はそろそろ」

「ああ、また明日」


 悠斗と別れて自転車にまたがり、家に戻る

 帰りはそんなに急ぐことはないので安全第一で帰る

 昔と今では自転車の乗り方は違うけど、今もこれからもこのままゆっくりサイクリングでいいや、などと考えながら家路を走っていった



どうも、作者です。

毎回読んでいただきありがとうございます。

この小説も残りわずかになってきました。そして、実は第1章の最終話まで書き終えてたりします(笑)

ただ、第1章ってことで2章があるのか?ってことなんですけど・・・ん~未定です。

それは最終話を無事に投稿してから考えようかなぁと思います。


それではこれからもよろしくお願いします。

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