第67話 本当に不味い料理は身体が拒絶するので食べられないんですよ
「うっ・・・うぅ・・・おぇぇぇ~・・・・」
まさに兵器
核クラスの威力を持った兵器
母の料理を食べた俺は4日たった今でも吐き気、頭痛、何故か足など身体のあらゆる所から悲鳴が聞こえる
特に胃の辺りと喉は常に痛い
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・うっ・・・おぇぇぇ~」
「どうよ?私の破壊力は」
トイレで何回吐いたかわからないぐらい吐いていると後ろで母が胸を張りながら嬉しそうにしている
「息子を殺す気か・・・」
「そんなんじゃ死なないわよ。それじゃ私はまた旅行行ってくるから」
「うっ・・・ん・・・いってらっしゃい」
「あ~そうそう、千夏ちゃんに色々任せてるから」
「それはいつもでは・・・うっ・・・」
吐きそうな俺の背中を叩いてから母は出ていった
それから俺は、しばらくトイレとソファを何度も往復しているとチィ姉が帰ってきた
「うっ・・・うぇ・・・はぁ、はぁ・・・あ、おかえり」
「だ、大丈夫?ふーちゃん」
「大丈夫じゃない」
「ごめんね、私のせいで・・・」
「いや、別にチィ姉のせいじゃ・・・うっ・・・」
「わわ、大丈夫?」
俺がトイレに走っていくと後ろからチィ姉が付いてきて、吐きそうになっている時は背中をさすってくれる
しかし、吐くものが無くなったのか、吐きそうで吐けないと言う感じの最も気持ち悪い状態だ
「っはぁ・・・はぁ・・・」
「苦しそうだね」
「まぁね・・・久々にこの威力を味わった気がする・・・」
「・・・・」
「そんな申し訳なさそうな顔してなくていいよ」
「でも・・・」
後ろでシュンっと落ち込んでいるチィ姉に何か言わなければならないのだが、さっきの吐き気がまだ残っていて出てこない
俺は吐き気を無理やり押さえこみ、頭の回転を早める
「・・・・」
「あ、そうだ。申し訳ないと思ってるんだったら・・・」
「だったら?」
「とびっきり美味しいご飯作ってよ」
「・・・」
「作れない?」
チィ姉は少しだけ考えているが、まだ落ち込んでいる感じだった
俺はチィ姉の手を握って、チィ姉の目を見ながら言う
「大丈夫だよ。チィ姉の料理は俺、大好きだから。ね?作ってよ。この吐き気とかが吹き飛ぶぐらいのやつ」
正直、喉の辺りまで吐き気が来ていて、いつでも吐きそうなぐらいの状態だったが、なんとか言えた
チィ姉は顔を赤くして、何度か頷き、「待っていて!!」と言って急いでキッチンの方へ走っていった