第65話 ろっ骨はクシャミでも折れるらしいですよ
無事、母から渡された原稿をパソコンに打ち終わり安心して自分の部屋に入る
「人の布団で何してる・・・」
俺の部屋にはチィ姉がいて、人の布団に包まってゴロゴロしている
そして、俺の方を見て睨んできた
「ふん!」
「はぁ・・・」
帰ってきたときのことをまだ怒っているのか、また人のベッドの上でゴロゴロし出した
俺は特に気にせずに自分の机に向かい、いつもの自主勉強をする
しばらく、後ろでゴロゴロしている音がしていたが気にせず勉強をしているとチィ姉が近づいてくる気配がした
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・何?」
「な、なんでもない!」
チィ姉の方に振りかえったが、すぐに布団の所に戻った
そんなことが数回続くと気になって勉強もできなくなってしまった
「あのさ、何か言いたいなら聞くよ?」
「いい。ふーちゃんは私を捨てたんだから」
「捨てたも何も拾ってないし」
「私を弄んだんだ」
「逆に俺が弄ばれてたと」
「ふん!一生ふーちゃんって言ってあげないんだから!」
「はいはい、どうぞご勝手に~」
俺の反応が気に食わなかったのか、チィ姉は顔を赤くしながら頬を膨らませ、如何にも怒ってます!っと言った感じで俺を睨んでくる
「ふーちゃんのバカー!」
「さっきふーちゃんって言わないって言ったんじゃなかったっけ?千夏さん」
「むぅーーー!!!バカー!」
「あっ、また!?それは投げないでって!!」
チィ姉はベッドの近くに置いてあった俺の携帯を持って投げようとした
俺は2代目を失わないために、慌ててチィ姉の右手を押さえるために飛び出した
「おわっ!?」
「きゃっ!?」
なんとか携帯は投げられずに済んだのだが、勢いが付きすぎてそのままチィ姉をベッドに押し倒してしまった
「ってて・・・」
「うぅ~・・・」
「だ、大丈夫?チィ姉」
「・・・・」
なんとか身体を起こし、目を開けてみると今の体勢を知る
俺がチィ姉の上に覆いかぶさるように倒れており、俺の目の前にはチィ姉の顔があった
チィ姉は顔を赤くしながら俺の方を見てくる
「ふ、ふーちゃん・・・やっと・・・抱きっ!!!」
「おえっ!?」
チィ姉は思いっきり俺を抱きしめる
そして、俺はろっ骨がぎゅ~っと締め付けられてきた
「もぉ~どれだけこの時を待ってたか~」
「い・・・・あ・・・だ・・・」
「いいよいいよ。私の初めてをあげるよ」
「ち・・ちが・・・・っ!?」
チィ姉は更にろっ骨が締め付けてきて息ができなくなってくる
そして、無理に息を吸おうとするとものすごい痛みを感じた
「あ・・・む・・・も・・・も・・・むり・・・」
目の前がどんどん暗くなっていって、痛みも感じなくなっていく感じは気持ち悪くもあり、変に気持ちいい感じもする
そして、俺が最後に見たのは、顔を赤くしながらも嬉しそうに俺を抱きしめているチィ姉の顔だった・・・