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第60話 にゃ~にゃ~

 

「ふ~ちゃ~ん」


 部屋でいつも通り勉強をしているとチィ姉が顔だけ見えるように覗いてきた


「ふーちゃん、勉強中?」

「うん、それより何?その格好」


 チィ姉の格好は文化祭の時と同じ猫の着ぐるみを着ていて、猫の手の手袋も付けている


「にゃ~お、にゃにゃ~」


 チィ姉は俺に猫のように飛びついてきて、ゴロゴロニャーっとすりついてくる


「あ~もう!勉強できない!」

「いいじゃん、ふーちゃん勉強できるでしょ」

「チィ姉はもっとできるでしょ。いいから、離れてよ」

「やだにゃ~、遊んでニャ~」

「あ~もう!・・・はぁ」


 何回も何回もすりよってくるので、勉強にならず、俺は勉強机を離れる

 すると、チィ姉は遊んでくれると思ったのか嬉しそうにしてきた


「何して遊ぶにゃ?」

「それじゃまず部屋の外に出てみて」

「なんでにゃ?」

「宝探しだよ」

「ん~・・・わかったにゃ」


 チィ姉は完全に猫になりきっているのか語尾に“にゃ”を付けている

 それがなんだか、ムカつく・・・

 チィ姉は楽しそうに俺の部屋から出た


「それじゃ俺がOKって言うまでは入ってきたらダメね」

「わかったにゃ」


 俺はチィ姉が部屋から出たことを確認すると部屋のドアにカギをかける

 そして、勉強の続きを開始する

 しばらくすると、ガチャガチャとドアを開ける音がする


「あ!!開けてにゃ~」

「・・・・」

「開けてにゃ~、ふーちゃーん」


 ものすごい勢いでガチャガチャとドアを開けようとしている

 正直、借金取りに追われている気分だ

 それも音がすごいので勉強にならない


「あ~け~て~にゃ~」

「わかった、わかったからやめて。壊れる」


 急いでドアのカギを開けると、チィ姉の綺麗な猫パンチが飛んできた


「いだっ!?」

「にゃ、にゃにするにゃ!にゃんでカギ閉めたにゃ!」

「それ、その“にゃ”がムカつく。止めて」

「えぇ~だってこんな格好してるんだよ?可愛いでしょ?」

「語尾に“にゃ”さえ付かなければいいと思うよ」

「これがにゃいと猫っぽくないにゃ」

「あ~ダメ。なんか寒気感じる・・・次言ったら部屋から追い出すよ」


 チィ姉は気に入らないのか嫌そうな顔をしたが、すぐに普通の顔になった


「ふーちゃん、勉強の方できた?」

「なんとかね」

「それじゃ遊ぼ!猫さんゲームで」

「何?その猫さんゲームって」


 チィ姉が言う猫さんゲームとは、話すときに絶対語尾に“にゃ”を付けないといけないルールで、もし付けないと罰ゲームがあるらしい

 もちろん、そんなゲームは願い下げだ


「それじゃ始めるよ、スタート。ふーちゃん、遊ぼうにゃ」

「そうだね、遊ぼうか。あ、付けるの忘れてたよ。あ~罰ゲームだね、それじゃ罰ゲームはお風呂に30分間浸からないといけないっていう罰ゲームね。それじゃ行ってきます」


 俺は急いで部屋から出る

 後ろではチィ姉が何か言ってくるが、無視して俺は風呂場へと逃げた






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