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第56話 牛乳で大きくなるのは本当?

 

「さて、何をしますか?小雪さん」

 

 沙羅さんも小牧さんも居なくなった放送部の部室で俺と小雪が向かいあって座っているのだが、小雪は俯いていて表情が読めない

 

「小雪さん?」

「・・・・・美羽」

「へ?」

「・・・美羽っ!」

 

 いきなり叫んだので、びっくりしてしまったが美羽は下唇を噛み、手をギュっと握っている

 俺は美羽が言いたいことを理解して言いなおした

 

「美羽は何がしたい?」

「なんでもいい」

「なんでもいいか・・・」

「こ、こういうときは、お兄ちゃんが決めるもんでしょ」

 

 美羽は2人きりになってから何故か機嫌が悪い

 美羽は叫んだことを後悔しているのか、また下唇を噛みながら俯いてしまった

 俺はなんとなく雰囲気を和らげるために、立ちあがって冷蔵庫の方へ行く

 

「美羽は何飲む?牛乳?」

「え・・・覚えてくれてたの?私が牛乳好きなの」

「さっきまで忘れてたけど。でも、牛乳飲んでも効果なかったな」

 

 昔、普通の子よりも小さかった美羽はよく牛乳を飲んでいて、その理由が「チィ姉みたいに大きくなりたいから」だった

 しかし、一生懸命飲んでいた甲斐なく、今も平均より小さくランドセルが似合う感じだ

 

「う、うるさい!」

「まぁまぁ。はい、牛乳」

「あ、ありがとう」

 

 美羽は俺から牛乳を受け取ると、チョビチョビと飲み始める

 その姿は昔を全く変わっていなかった

 

「そういえば、お姉ちゃん変わったね」

「チィ姉?」

「なんだか恋してるって感じ」

「あ~・・・そうだなぁ」

 

 美羽は小学生に上がるか上がらないかで引っ越ししたからチィ姉がブラコンなのは知らない

 だから言って良いのか悪いのか悩んだ結果、別に言うことじゃないし言わないことにした

 

「お姉ちゃん凄く綺麗になった」

「元からでしょ、あれは」

「元から凄く綺麗だったけど、もっと綺麗になったよ」

「ふ~ん、いつも近くにいたからなぁ」

「・・・・」

「でも美羽は変わったよな」

「え?」

「昔は小さかったのに、まぁ今でもだけど。でも可愛くなったよ」

「うぅ~・・・バカ!」

 

 俺的には褒めたつもりだったのだが、美羽は顔を赤くして近くにあったクッションを投げてきた

 俺はそれを受け止めて横に置く

 

「さてっと、美羽はこのままここで1時間過ごすのか?」

「え?」

「別にいいよ。行きたいとこあるなら」

「お姉ちゃんのところ・・・」

「チィ姉のとこ?」

「・・・うん」

 

 美羽は無理なことを頼んでいると思っているのか、申し訳なさそうに俺の方を見てきた

 俺はその姿を見ると昔、よく後ろをついてくる美羽を思い出す

 

「別にいいよ。でも、その服装で外に出るのは・・・」

 

 今の美羽の服装はさっきコンサートをしていたままの服装で、見ただけで小雪だとバレてしまう

 もし、バレてしまえば大惨事間違いなしだ

 

「ん~・・・」

 

 辺りを見渡すとクローゼットがある

 たぶん、中身は沙羅さんの制服とか私服とかなんだろうけど、美羽には大きすぎる

 

「な、何?」

 

 美羽の方をじーっと見ていたからか、美羽は顔を赤くしながら照れている

 なんで照れるのかわからないが、見続けていると急に怒ったような顔をした

 

「今、体小さいって思ったでしょ!」

「いや思ってない。大丈夫」

「でも目がそう言ってた!!」

 

 美羽は体のことを気にしているのか、ムキになってまた近くにあるクッションを投げようとする

 

「思ってないって、大丈夫。これから大きくなるから」

「やっぱり!」

「あ、いや・・・とにかく、ちょっと制服探してみるから待ってて」

 

 

 俺は急いで美羽のコップに牛乳を入れ、放送室から出ようとすると急にドアが開き沙羅さんが立っていた

 

「忘れていた。これ」

「はい?」

 

 沙羅さんはサイズの小さな制服を渡してきた

 

「これが無いと外に出れないだろ、小雪は」

「あ、ありがとうございます」

「それじゃ私はこれで」

 

 沙羅さんはドアをバタンと閉めて、歩いていく音がする

 俺は制服を持って部屋の中に入ると牛乳の量以外変わっていない状況だった

 

「はい。美羽、制服」

「サイズ・・・」

「サイズ?あ~俺は知らないから大丈夫。これ用意したのさっき横にいた人だから、それじゃ外に出てるし、着替えておいて」

「うん」

 

 部屋から出て、しばらくすると高校生とは思えないほどの小さい高校生が目の前に現れた

 

「ど、どうかな?」

「み、見えなくもない・・・」

「気にしてるのに・・・」

 

 美羽は落ち込んでしまって困ったが、昔もよくこんな感じに落ち込んでしまっても俺が頭を撫でるとパッと笑顔になっていた。

 だから、今回も頭を撫でてみると美羽は驚いていたが、しばらくするとパッと笑顔になった


突然ですが、

いつも「才色兼備な姉と普通な俺」を読んでいただいてありがとうございます。

皆さんのおかげでPVですが50万アクセス超えました!!!いやぁ・・・まさかここまで来るとは・・・もうビックリです(笑)

本っ当にありがとうございます。

そして、これからも誤字とか変な文とか???みたいな所が多くなるかもしれませんが「才色兼備な姉と普通な俺」をよろしくお願いします。


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