第54話 文化祭当日
「いらっしゃいませ~」
「そこのお兄さん、やきそば買わない?おいしいよ~」
学校の中を歩くだけで色んな人に声をかけられる
今日は文化祭
一番学園の中が輝く日だ
俺の所は漫画喫茶をしているので、教室に2人いればいいぐらいだ
「え~っと・・・そろそろか・・・」
担当時間が迫ってきているので教室に向かっている間、廊下は人がいっぱい居て中々先に進めない
なんとか、人の間を進んでいって自分の教室に入ると人はいるが静かだった
俺はエプロンをしている女の子の所に向かって交代の時間だと言うと嬉しそうな顔をして教室から出ていった
それからしばらくすると悠斗も時間なので教室に入ってきてもう一人と交代した
「静かだね」
「だな、もっと騒がしくなると思ってたけど・・・教室に居る人がさっきから変わってない」
「あはは」
交代してから1時間近く経っているが、1~2人変わったぐらいで人数は変わらない
それにコーヒーを頼んで、ずっと読んでいるだけなのでこっちとしてはやることがないのだ
「それにしても・・・うちの部は何もしないのかな?」
「放送部?」
「うん、沙羅さんは何もしなくてもいいとか言ってたけど、他の部は色々してるから」
「一応するんだけど、姉さんだけで足りるんだよ」
「へぇ、何やるの?」
「司会だよ」
「司会?ありがとうございました~」
「ありがとうございました~」
悠斗と話しているとさっきまで漫画を読んでいた人達が急に出ていき始め、人が居なくなてしまった
「そろそろ始まる頃だね、姉さんの仕事」
「あ~そういえば、小雪が来るんだっけ?」
「うん、それのせいもあって一般客もたくさん来てるんだ」
「なるほどね」
さっきまで騒がしかった廊下もいつの間にか静かになっていた
おそらくほとんどの人が体育館の方に行ったのだろう
俺は近くに置いてある漫画を手にとって読み、悠斗はパソコンをカタカタを打ち始める
すると、体育館の方から大きな歓声が聞こえてくる
「すごい盛り上がってるなぁ」
「だって今一番のアイドルだからね」
「そんな有名人が来てるのに俺たちはここで漫画読んだり、パソコンやったりしてるのっておかしい気がするよ・・・」
「あはは」
俺も小雪の正体が、あの子供のころよく遊んでいた美羽だと気が付いてなかったら興味本位で見に行っていただろうけど、夏休みに話して気が付いてからはそこらへんにいる中学生と同じって感じだ
悠斗の方はたぶんお父さんの仕事の手伝いをしてれば会うだろうから、こんな感じでパソコンをやっているのだろう
体育館が騒がしくなってから30分ぐらい経つと廊下が再びザワザワと騒がしくなっていく
そして、次の担当の人が来て俺は交代した
「それじゃおつかれ」
「おつかれさま。あ、楓くん」
「ん?」
「姉さんが部室来てって言ってたよ」
「部室?わかった。ありがとう」
悠斗に言われて特に行くところもないので放送室の方に向かった