第52話 文化祭は楽しいイベント
教室の中がザワザワしている
体育祭が終わって、次に来るのは文化祭だ
教室の中では文化祭は何をするのか、あと誰が来るのか、が色んなところで話しあっている
ここの学園は文化祭に毎年有名人を呼んでいて、去年は人気のお笑い芸人を呼んだらしい
「静かにしてください、文化祭は何をするんですか~」
前では文化祭委員は黒板に色々なことを書きながら先に進めようとしているのだが、ザワザワしているので先に進まない
「候補は展覧、喫茶店、漫画喫茶。どれにしますか~」
文化祭委員は適当に叫んで、反応が無いと確認すると勝手に黒板の漫画喫茶に赤色のチョークで丸をした
「漫画喫茶に決まりましたので、適当に漫画持ってきてください。それじゃ皆がものすごく気になっていると思うけど今年来てくれる有名人は・・・」
「早く言えー!!」
「早く教えて~」
文化祭委員は引っ張りに引っ張って、二マ~と笑ってようやく黒板に書き始めたが俺の位置からでは文化祭委員が邪魔で見えない
「・・・おぉーーー!!!」
「うそーーー!!!」
教室がさっき以上に盛り上がり、横でパソコンをいじっている悠斗がびっくりして顔をあげた
「何かあったの?楓くん」
「文化祭に来る有名人が発表されたんだけど・・・見えない」
「あぁ・・・小雪ちゃんだよ」
「小雪ちゃん?」
聞き間違えたのだろうと思って聞き返すと、周りのクラスメイト達が小雪が来ることで盛り上がっている
「今一番売れてるあの小雪?」
「うん、お願いしたら受けてくれたんだ。少しだけなんだけど」
「凄いお金払ってるんじゃない?」
「お金じゃないけど、ある・・・」
「おぉぉーーー!!!」
悠斗が何か言ったのだが教室が盛り上がったので聞こえない
黒板の方を見ると小雪の新曲を歌うことを言っているようだった
そして、落ち着いたところで俺は悠斗に聞き返した
「ごめん、お金じゃないけどある・・・の、あとなんて?」
「ううん、特に大したことじゃないから」
悠斗は笑顔でそう言うと再びパソコンの画面に顔を向けてカタカタとキーボードを叩く
しばらくは教室の中、というか学校中がうるさかったが放課後になると静かになっていく
俺はしばらく机に座りながら本を読んで、横の悠斗はまだパソコンをカタカタ打っていた
「何作ってんの?」
「ん?これは小雪が来た時のスケジュール表みたいなものかな」
「へぇ~」
「見てみる?」
悠斗は俺が見やすいように画面を俺の方に向けてくる
そして、俺は画面を見てみると細かいスケジュール分けがしてあった
「すごいな・・・」
「この学園にいれるのは2時間ぐらいだから色々大変」
「ふーん・・・この最後の半分の空白何?」
「それは楓くんでも教えられないよ」
にこっと悠斗は笑うと再び自分の方に向けてカタカタと打ち始めた
俺はこれ以上邪魔するのも悪い気がして悠斗に帰ると言ってから家に向かって帰った