第44話 たった1つのデジャブ
軽井沢
あの避暑地とか色々で有名なところ
そして、俺とチィ姉はそんなところに旅行に来ているわけだが夏休みも入っているので人が多い
「・・・あ、デジャブ」
「へ?何か言った?ふーちゃん」
「いや、何でも無い」
チィ姉は不思議そうな顔で俺を見てきたが俺の返事を聞くと再び部屋から見える窓の景色を見物しだした
泊まる部屋はホテルの中でも高い所なので景色がとっても良い感じだ
それにしてもさっきからチィ姉は1時間近くずーっと窓から外を見てるけど飽きないんだろうか・・・
「チィ姉~何かやることないの?」
「何かって?」
「俺は旅行中、適当に歩いて暇を潰すだけなんだけど、チィ姉はどうするのかなぁって」
「ん~私はふーちゃんについていくだけだよ」
「ついてくるって・・・ストーカー?」
「ストーカーは隠れてするもんだよ」
「それじゃ付き人?」
「名誉ある役目くれてありがとう、ふーちゃん」
チィ姉は嬉しそうに俺に飛びついてきた
俺はベッドの端っこに座っていたため、ベッドから落ちてしまった
「ったた・・・」
「えへへ~」
「いきなり飛びつくのやめてよ・・・」
「それよりもどこか行かない?」
「今日はもう行かない、疲れた」
「行こうよ~、どっか」
ぐらぐらと俺を揺らして猛抗議してくる
「行こうよ~」
「嫌」
「ねぇ~」
「1人で行ってきたら?」
「え~それじゃ一緒に来た意味無いでしょ」
チィ姉は俺の上で頬を膨らませている
それにしても、いつ俺の上から退いてくれるのだろうか・・・
「ねぇ、行こうよ」
「はぁ・・・わかった。行こう」
「うん!!」
「明日ね・・・よいしょっと・・・」
「えぇー」
なんとかチィ姉の下から抜け出してベッドの上に寝転ぶと、チィ姉は睨んできたがしばらくすると俺が動かないとわかったのか持ってきたキャリーバックの中をゴソゴソと探り始めた
「何してんの?」
「財布探してるの!」
「何のために?」
「ふーちゃんがどこにも連れて行ってくれないから1人で遊びに行くの!」
「てか、財布そっちに入れてどうするのさ」
「うるさいっ!!」
チィ姉はプンプン怒りながら自分が持ってきたキャリーバッグの中から財布を見つけ、普通にシンプルなショルダーバックの中に入れて部屋から出ていった