第43話 シャンデリアって落ちるイメージあるよね
「やっぱり玉欲しかったなぁ・・・」
「邪魔になるだけでしょ」
チィ姉はボーリングでパーフェクトゲームを達成して賞状とボーリングの玉をもらう予定だった
しかし、俺たちは旅行の最中であり、ボーリングの玉をもらっても重いだけで困る
だからボーリングの玉は丁重にお断りをして賞状だけもらってきた
俺とチィ姉は十分に時間を潰せたので母さんが予約をしてくれたホテルに向かっている途中だった
「玉~」
「うるさいなぁ・・・ちょっと黙っててよ。もうすぐでホテル着くから」
「は~い」
チィ姉は俺の言うことをちゃんと聞いてくれたのか静かにはなったが、俺の手を離さないぐらい握りしめてニコニコしながら横を歩く
地元ならそんなことさせないのだが軽井沢という遠い所、あとボーリングの時に7番、10番ピンのスプリットを見事倒したのでこの約束を聞かなければもっとひどいことを命令されそうなので仕方なく手を繋いでいる
「あれ?この道を行けばあるはずなのになぁ・・・」
「ふーちゃん、迷ったの?」
「ん~・・・そうなのかも・・・」
「ふーちゃん。今から行くところ、お母さまと泊まったこと無いの?」
「無いよ」
「そういえば、ふーちゃんってお母さまと旅行行ったことあったっけ?」
「母さんと旅行は・・・1回だけかな、あ~でも3人だったなぁ」
「そっか」
チィ姉は優しい笑顔で俺を見て、俺から地図を取ると手を引いて歩きだした
それから5分もすると俺たちの泊まるホテルが見えてきた
「すぐそこだったね」
「だね」
「ここで私とふーちゃんの愛を育むんだね」
「どうでもいいけど、置いていくよ?」
「あ、まってよ。ふーちゃん」
ホテルの中に入るとそこは外で見たより広くて、大きいシャンデリアがぶら下がっていた
「ふぁ~・・・あれ頭の下に落ちてきたら怖いね、ふーちゃん」
チィ姉はそんなことを言いながらシャンデリアの真下に向かって歩き、到着するとジーッとシャンデリアを見る
すると、本当に怖くなってきたのかロビーの方にいる俺のところに小走りに戻ってきた
「すみません、予約入れた九十九なんですけど」
「九十九さまですね。少々おまちください」
ロビーにいた女性は予約表みたいなのをパラパラをめくった後、奥に入っていった
「なんか慌ててた感じだけどどうしたのかな?」
「さぁ?母さんが予約入れ忘れてたとかじゃないの?」
「どうしよう、私たち野宿?!」
「それは無いから・・・」
そんな会話をしながら待っていると、さっきいた女性とスーツ姿が似合う男性が出てきた
「お待たせしてすみません」
「あ、いえ」
「いつもご利用ありがとうございます。お部屋の方へ案内させてもらいます」
男性はそう言うと歩き出し、俺とチィ姉はその後についていく
しばらく男性の後をついていく、すると少し離れたところから1人の女の子がこっちをじーっと見てくる
横ではチィ姉がその視線に気が付いたのか小さな声で話しかけてくる
「ふーちゃん、私たち何か見られてない?」
「うん」
「もしかしてさ、私とふーちゃんのこのラブラブ雰囲気に嫉妬して」
「はいはい、そんなこと言うと手離すよ」
「あ、嘘!気のせい、気のせいだよ」
慌てて繋いでいた手をギュッと強く握ってきて男性の後ろを歩く
それから少し時間が経って、ようやく俺とチィ姉が泊まる部屋に辿り着いた