第4話 チィ姉はゲームが苦手?
「ただいま〜ふーちゃん!」
「おかえり。うわっ!」
元気よく帰ってきたと思うと、俺のところに飛んできて俺にキスをした
もちろん奪われた形で
「もぉ大胆ね。楓は」
「母さん!どんな目してたら俺からしたように見えるのさ!」
「さ〜て、千夏ちゃん、夕食作っちゃおう」
「は〜い。それじゃ着替えてきます〜」
「無視するな!」
チィ姉はすぐに着替えてきて、台所に入る
その間に俺はお風呂に入り、出てきた頃にちょうど夕食ができあがった
チィ姉が作った夕食を食べてから、俺は受験勉強のときから習慣化した勉強をして、それが終わるとゲームで遊ぶ
夜の10時ぐらいになると、俺の部屋にチィ姉がやってきて、俺の後ろでゲームを見ていた
「ねぇねぇ、それ私もやってみたい」
「いいけど大丈夫?」
「大丈夫」
チィ姉はゲームをすると、なぜか体が動いて酔う
だから自分からゲームがしたいなんて滅多なことじゃないと言わなかった
俺はチィ姉にコントローラーを渡して、今やっているカーレースの続きをやらせてみる
「わっ!とう!まがれ!」
「うるさいなぁ・・・」
10分後
「うまくなってきたよ!ほら!ふーちゃんのタイム+1秒だよ」
「すごい、すごい」
ゲーム開始から20分後
「うぅ〜気持ち悪くなってきた・・・」
「だから言ったじゃん。ほらっもうやめなって」
「だめぇ・・・ふーちゃんのタイムに並ぶまであと0.5秒なんだから」
ゲーム開始から25分後
「チィ姉!まともに走ってないって!抜かれる!」
「うぅ・・・気持ち悪い・・・」
「もうやめなって。顔色悪いよ」
「うぅ〜うん・・・ちょっと寝転ぶね」
チィ姉はコントローラーを俺に渡してから、俺のベッドに寝転んだ
しばらくは「うぅ〜」と唸っていたが、いつの間にか静かになり寝息のような音が後ろから聞こえてくる
「あっ寝ちゃダメだよ。お風呂入ってないでしょ」
「うん。わかって・・・る・・・よ・・・」
「わかってないじゃんか・・・ほら、ちゃんとお風呂入ってきなよ」
「ん〜・・・わかった・・・」
チィ姉は気持ち悪くてフラフラしているのか、それとも眠いからフラフラしているのか分からない状態で風呂場に向かって俺の部屋から出て行った
そのあと、俺はゲームに飽きてきたので止めて、自分のベッドに寝転びお気に入りの音楽を聴く
しばらくすると、部屋にパジャマを着たチィ姉が戻ってきた
「ふぅ〜ちゃ〜ん・・・入ってきたぁ」
「うんうん。それじゃおやすみ」
「うん・・・」
これじゃどっちが年上なのか分からない
チィ姉は眠たいときに、子供のような状態になってしまう
チィ姉はフラフラした足取りで俺のベッドの中に入ってこようとする
「あっ、自分の部屋で寝なよ、チィ姉」
「ん〜・・・ふぅちゃんの匂い、落ち・・着く・・・スゥ・・・スゥ・・・」
チィ姉は慣れたように俺の横に入ってきて、俺の腕を枕にしながら寝てしまった
「はぁ・・・まただ・・・」
俺は枕にされている手を引き抜こうとしたが、チィ姉は俺のパジャマを掴んでいたので諦めた
「・・・おやすみ、チィ姉」
音楽を止めて電気を消し、チィ姉の頭を撫でると少し喜んだ顔になって、すぐにさっきの寝顔に戻った
時計を見るとまだ寝るには早かったので昔のことを思い出しながら眠くなるのを待つことにした