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第37話 作戦結果報告

 

「ふーちゃん、どこ行くの?」

「ん~・・・友達と買い物」

「私も行くっ!」

「なんで来るのさ」

「だって今は幼馴染でもこれからは・・・えへへ」

「何言ってんの?とにかくついてくんのダメね。それじゃ」

 

 家から出ていくと後ろでは恨めしそうにチィ姉が俺を睨んでいた

 そんな感じに睨まれながら俺は家から出ていって、予定の待ち合わせ場所に向かう

 待ち合わせ場所には少し遅れてしまったがまだ相手は来てなかったので待つ

 10分ぐらい待っていると遠くの方から早足でこっちに向かってくる人がいる

 

「ごめんごめん、遅れちゃったよ」

「・・・・」

「どうしたの?楓太くん」

「いや・・・沙羅さんらしくないな・・・って」

「たまにはらしくないことしてみようかと思ったんだ。しかし、これは疲れるな」

「でしょうね」

「それじゃこんなところでも何だし、適当なところで話そうか」

「ですね」

 

 待ち合わせの相手が来たので適当なファミレスの中に入る

 昼前なのでまだ人は少なく簡単に座れて、すぐに店員さんがきたので適当に頼む

 

「それで?沙羅さんはなんで俺を呼んだんですか?」

「いや、あれから千夏はどうなのかなぁと思って、その近況を」

「大変ですよ・・・」

 

 俺は深いため息をつきながら、店員さんが持ってきたポテトフライを口の中に入れる

 それを沙羅さんが面白そうに見てきて早く次を話せと言っているような感じだ

 

「それで?」

「昨日の帰るときにニコニコしてて、それからずーっとニコニコ状態の人が常に横にいるって感じです」

「それは面白そうだな」

「面白くないですって。やっぱりあんなこと言うんじゃなかった・・・」

「まぁまぁそう言わずに。これでも食べればいい」

 

 沙羅さんは俺の頼んだ皿のポテトフライを取って俺の口の前に出してくる

 パクッと食べるのはなんだか気恥かしいので自分でポテトフライを取って食べる

 すると沙羅さんの予想通りなのか少しだけ笑って自分の口の中に入れた

 

「今日も出る時、なんか疑われながら出てきたんですよ」

「もうまるで彼氏彼女の関係じゃないか」

「勘弁してください・・・」

「学園中が憧れる環境なのに楓太くんは・・・殺されてしまうぞ?」

「憧れる環境ですか・・・俺は普通の生活に憧れますね。そういえば、沙羅さんは悠斗のことどう思ってるんですか?」

「悠斗か?」

 

 ストローでジュースを飲みながら眼だけ俺の方に見てくる

 そして、ストローから離すと少し考え始めた

 

「そうだな、千夏が君に思う好きとは大きく違うが信頼はしているな」

「へぇ、そうなんですか」

「何か意見でも聞きたかったのかい?」

「正直分かんないんですよね、俺。チィ姉がなんであそこまで俺の事好きとか言うの」

「昨日ので更に悪化してるしな」

「ホントですよ。なんであんなこと」

「楽しいから」

 

 沙羅さんは悪魔のような笑顔で笑ってポテトフライを食べる

 そしてすぐに普通の顔に戻った

 

「楓太くんはあそこで「僕と千夏先輩はただの幼馴染です」とか言おうとしたんじゃないか?」

「よく分かりましたね」

「君の考えてることは単純で顔に出やすいからな」

「初めて言われましたよ、そんなこと」

「いや適当に言った。とりあえずあそこで君が言おうとしたこと言うと、何か必死で何かを隠そうとしてないか?」

「ん~・・・してるような気もしますけど、「今のところは幼馴染」っての方が・・・」

「そっちの方が千夏も喜ぶし、挑発的な感じで楓太くんもカッコいい雰囲気が出てモテるかも知れないし、学園の千夏を愛する者たちにも良い刺激になるし、何よりこっちの方が面白い。一石四鳥だ」

「いやいや、2つ目はいいかもしれませんが、1つ目は大変だし、下手すりゃ3つ目なんて殴られるだけじゃ済みませんよ。それも4つ目なんてただ沙羅さんが楽しみたいだけじゃないですか・・・」

「いいじゃないか、それにうちの学園の生徒は変に動いて進路に響くことを恐れる人が多いから、そんな人を殴るなんて度胸のあるやつはいない」

「一回殴られましたけどね・・・」

 

 沙羅さんは意外そうな顔を一瞬だけしたが、すぐに元の顔になり少しだけ考えたあとジュースを飲み、メニューを見ている

 

「そういえば、沙羅さんって彼氏とかいないんですか?」

「なんだ藪から棒に」

「いや、土曜日に俺なんか呼び出すから」

「楓太くんはカッコいい方に入るんじゃないのか?」

「疑問で返されても・・・」

「ちなみに私には彼氏はいないぞ、作る気もしない」

「確かになんか沙羅さんに彼氏がいるって想像できないような・・・」

「君は時々失礼なことを言うな」

「すみません」

「別にいいんだがな。それじゃ私はこれから行くところがあるから」

「あ、はい」

 

 沙羅さんは立ちあがると伝票を持っていき、俺も後を付いていく

 そして俺もお金を出そうとすると沙羅さんは携帯を機械に乗せピロリーンと言う音が鳴った

 

「ここはおごっておくよ」

「そんな悪いですよ」

「言わせたお詫びでも思っていてくれればいい」

「・・・それじゃお言葉に甘えさせてもらって」

 

 素直に奢ってもらい、外に出ると沙羅さんは車に乗って帰っていった

 俺も特にやることが無いので家に帰り、玄関を開けるとそこにはチィ姉がいた

 

「おかえり」

「ただいま。もしかしてずっとそこに?」

「そんなわけないでしょ、それよりどこに行ってたの」

「沙羅さんに作戦結果の報告かな」

「デート?」

「向こうは大元帥だよ?」

「・・・私は?」

「大将」

「悠斗くんは?」

「かなり重要だから衛生兵かな」

「ふーちゃんは?」

「2等兵ぐらい」

「あはは、2等兵が大元帥と1対1で話せるわけ無いでしょ」

 

 チィ姉は笑って何を聞き出すのか忘れたのか、リビングの方に入っていった

 


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