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第30話 折りたたみじゃなくて上にあげるモニター丸出しの形ってなんて言うんだっけ?

タイトル長いなぁ・・・


 

 GWが終わると当然のように学校も始まる

 正直行きたくないが行かないといけないので行く準備をする

 

「ふーちゃん、早くしないと遅刻するよ~」

「・・・・」

「ホントに遅刻するよ~」

「・・・あのさ、部屋から出てってくれない?」

「なんで?」

「見られると着替えにくい」

「それじゃ私が」

「調子に乗るなよ?」

「はやく着替えてよね!遅刻しちゃうんだから!」

「どこのツンデレだ・・・」

 

 笑顔をしながらキツめの口調で言うとチィ姉は急いで部屋を出ていく

 俺は新たなチィ姉対抗法を見つけたことに嬉しく思いながら制服に着替え、外に出る

 

「ふーちゃん、どう?」

「どうって言われても・・・」

 

 外に出るとチィ姉はドアの前に立って俺に話しかけてきたが、何が何なのかよくわからない

 俺はじーっとチィ姉を見ていると前に立っているチィ姉は腰をクネッとしてモデルのような立ち方をする

 

「・・・・」

「・・・・」

 

 チィ姉は俺に何を言われたいのかよくわからず、ジーと見て時間が過ぎていく

 すると、チィ姉は顔を赤くして、ついにおれから目線を外した

 

「そんなに見つめられると恥ずかしいよ・・・ふーちゃん」

「どうでもいいけど、早く行かない?学校」

「うん。それより気がついた?」

「あ~もしかして髪型のこと?」

 

 普段のチィ姉はいつもストレートにして長い髪の毛を垂れ流している感じなのだが今日はポニーテールで後ろをまとめている

 

「そうだよ、どうかな?」

「いいんじゃない」

「そう?よかった~。あともう一つあるんだよ、見て」

 

 そう言うとチィ姉は立ち止まって足を指差した先は昨日買ったニーソックスだった

 

「昨日買ったやつだよ、可愛いでしょ」

「あ~だからさっき・・・」

「べ、別にふーちゃんのために履いてるんじゃないんだからね!勘違いしないでよね!」

「別にそんなキャラじゃないでしょ、それに確かツンデレってツインテールって言うやつじゃなかったっけ?」

「ふーちゃんはツインテールが好きなんだ・・・なるほど」

「別に好きじゃないよ、チィ姉は今の髪型でいいんじゃない?似合ってるし可愛いよ」

 

 素直に思ったことを言うとチィ姉は顔を真っ赤にして立ち止まり、口をパクパクして固まってしまった

 

「か、かわ・・・かわ・・・かわいい・・・私可愛い・・・」

「早く行かないと遅刻するよ、チィ姉」

「かわ・・・可愛い・・・ふーちゃん、可愛い・・・言ってくれた・・・」

 

 機械みたいにチィ姉は同じことを何度もくり返し、それは学校に着くまで続いた

 

「おはよう、楓くん」

「おはよう」

 

 教室に着くと、悠斗が笑顔で話しかけてきた

 俺は自分の席に座りカバンを掛ける

 

「そういえば、楓くんメール読んだ?」

「メール?あ~ごめん、今携帯見れないんだ」

「そうなの?姉さんが次のラジオするときにGWのネタするから頑張ってって送ったんだ」

「ネタって言っても俺風邪で死んでたからなぁ・・・」

「そうなんだ、大変だったね」

「ホントにしんどかったよ」

 

 俺と悠斗は授業の準備をしながら話していると担任の久美ちゃんが教室の中に入ってきた

 

「は~い、皆GWどうだった?私は1人で楽しいGWでした」

 

 久美ちゃんは楽しそうに話しているが、俺たち生徒はなんとも微妙な雰囲気が流れる

 

「えーっと、彼女彼氏と楽しくGWを過ごした子は次のテスト超難しくするので私にバレないようにしてください。それでは~今日も頑張っていきましょう」

 

 そこからいつも通り授業が始まって、いつの間にか帰る時間になる

 今日は2週間ちょい前ぐらいにチィ姉によって潰された携帯を買い直す予定で、放送室には寄らずに靴箱まで歩いていると前からチィ姉と沙羅さんが歩いてきた

 

「あ、楓帰るの?」

「おっ、これはこれは部長兼副部長の私のメールを無視する楓太くんではないか」

「こんばんわ、それに関しては俺の携帯をつぶした誰かさんのせいなので勘弁してください」

「うっ・・・・」

 

 俺は“誰かさん”の部分を強調するように言うとチィ姉はビクっとして少し沙羅さんの後ろに隠れる

 

「・・・・まぁ別に大した用事でも無いからいいのだがな。それより今日はこのまま家に帰るのか?」

「いや、誰かさんによって潰された携帯を買いに行くんですよ」

「ほほぅ、それなら千夏を差し出してあげよう」

 

 沙羅さんはニヤニヤしながら後ろに隠れていたチィ姉を俺の前に出してくる

 俺は丁寧に断ろうとしたが、「メールの件を帳消しにしてあげる」と言ってくる

 ここで変に断ってあとから無理難題を押し付けられる可能性があったので俺は受けることにした

 

「・・・わかりました。それじゃメールの件は忘れてくださいよ、沙羅さん」

「わかってるよ、ほらっ頑張ってきなさい」

 

 沙羅さんはチィ姉を置いたまま放送室の方に歩いていって、チィ姉は俺と2人になり、そわそわし出した

 

「何そわそわしてんの?行くよ、千夏先輩」

「あ、うん」

 

 少しは予想していたのだが、チィ姉と校門の近くに行くとこの学園の生徒の目線が俺とチィ姉に集中する

 中にはコソコソと話していたり、中にはものすごい殺意のある視線を感じる

 そんな視線を色々感じながら校門を出て、少し歩くとやっと色んなものから解放された

 

「・・・ねぇ、ふーちゃん」

「ん?」

「怒ってる?携帯投げたこと」

 

 チィ姉の方を見ると下を向きながら歩いていて、時々チラチラと俺の方を見ている

 

「怒っては無いかな。そろそろ変えたいと思ってたから」

「ホント?」

「ほんと。あ~でも時計とかの出費は痛かった」

「あぅ・・・その分は出させてもらいます」

「いいよ、母さんの財布からコッソリ取ったから」

「そんなことしたら大変なことになるよ?」

「バレなきゃいいの」

 

 ようやく携帯が売っているところに着いて、最新機種からいろんなものが置いてある

 チィ姉は俺が気に入るものを探している間、横で熱心にパンフレットを見ている

 

「ん~これでいいや」

「決まったの?」

「うん、これにしようかなぁって思ってる」

「折りたたみのやつ?前のやつって上にあげるやつじゃなかったっけ?」

「それだと誰かさんに投げられた時に割れやすいから、こっちにするんだ」

「うっ・・・ごめん・・・ふーちゃん」

「それより、さっき熱心にパンフレット持ってたけど何見てたの?」

「んーっと、これだよ」

 

 チィ姉が見せてきたのは家族割とか色々書いてあるページだった

 

「家族割?それできないよ?ていうか、それ違うとこのだし」

「わかってるよ、それでもこれはいいなぁって」

 

 チィ姉は指で指しているところは時間内なら通話し放題と書いてある

 

「これならいつでもふーちゃんとお話できるなぁって」

「いやいや、部屋横だし」

「顔見てると話せないこととかあるでしょ?」

「壁越しで話せばよくない?あれ結構聞こえるよ」

「そうだけど・・・電話だからいいんじゃない」

「よくわからないけど、とりあえずこれ買ってくるからここで待っててよ」

 

 俺は欲しい携帯を持って店員さんのところに行き、潰れた時に一度契約を切ったので新規で契約をする

 

「それでは、少し時間がかかってしまいますので準備ができましたらこちらの連絡先に連絡させてもらいます」

「よろしくお願いします」

 

 席を立って置いてある携帯のカメラで遊んでいるチィ姉のところに行く

 

「なに自分撮ってんのさ」

「終わったの?」

「チィ姉の電話が鳴ったら終わり」

 

 チィ姉はよくわからないようだったので、連絡先をチィ姉の携帯にしたことを言うと何か考え始めた

 

「ふーちゃん・・・」

「あ、ダメだった?覚えてるのチィ姉のだけだったし、ちょうどよかったんだけど」

「それはいいんだけど、私のは覚えててくれたんだ」

「一応ね、非常事態の時に連絡できないとだめだし」

「お母さまのも覚えてるの?」

「いや覚えてない、かけても出ないから」

「・・・私そんな特別だったんだね」

「まぁ特別だって言えば特別だね、世界で1人だし」

「世界で1人・・・」

 

 チィ姉は急に顔を赤くしながら黙り込んだと思うといきなり目を合わせてきた

 

「べ、別に嬉しくなんかないんだからね!電話番号ぐらい私だって覚えてるんだから!勘違いしないでよね!」

「ちょっと叫ばないでよ・・・」

 

 急に声のボリュームを上げてツンデレ風に言ってきたため、周りの人が何事かと思って俺たちの方を凝視してくる

 

「あ、う・・・うぅ・・・」

 

 俺とチィ姉は急いでその場から早歩きで逃げて近くの椅子に座る

 

「はぁはぁ・・・」

「恥ずかしかったね、ふーちゃん」

「恥ずかしいってもんじゃないよ・・・次やったら怒るからね」

「え~、せっかく楽しくなってきたのに」

「とにかくやったらダメ、次やったらメルアドも電話番号も教えないから」

「ダメ!絶対ダメ!もう人前じゃしないからそれだけは止めて」

「わ、わかったから。チィ姉には最初に教えるから、だから抱きつかないで」

 

 チィ姉は本当に教えてもらえないのが嫌なのか、俺に泣きそうな表情で抱きついてきた

 

「ホント?最初に教えてくれる?」

「教える、教えるから」

「ホント?」

「ホント。だから離れて」

「ホントに本当?それじゃふーちゃんと一緒に寝るとか待ち受けとかしてもいい?」

「いい、いいから。離れ・・・・いやいや、ダメでしょ今のは」

「・・・ちぇっ」

「あ、今ちぇっって言った。さっきまでの嘘泣きか・・・末恐ろしいな・・・」

 

 これからさっきのことをチィ姉に問い詰めようとすると、タイミング悪くチィ姉の携帯が鳴り俺の携帯ができたという報告が来た

 

「ほらっ、ふーちゃん。早く行こうよ、待っててくれてるんだから」

 

 チィ姉は逃げるように俺の手を引いて、さっきの携帯の置いてあるところまで引っ張られていった

 



本当にあのタイプの携帯ってなんて言うんでしょうね~(笑)

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