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第3話 予備の布団は必需品です

 

 受験勉強の疲れを落とそうと、いつもより長めにお風呂に入っていたせいか、少しのぼせてしまった

 

 髪を乾かしながら、自分の部屋に戻ってみるとすでに電気は消されており、俺のベッドでは気持ちよさそうにチィ姉が寝ていた

 

「人のベッド独占か・・・俺の寝るスペース無いじゃんか・・・はぁ・・・」

「んん〜・・・ふーちゃんのえっちぃ・・・むにゃむにゃ・・・」

「どんな夢見てんだ?」

 

 チィ姉は一緒に寝ると言っておいて、俺の寝るスペースなど無く、それも服がめくれていておヘソが丸出しだった

 俺はそれを直して、布団を掛け直しタンスの中からこんなときのために置いてある布団を出し床に敷いて寝ることにした

 

 

 

 明日も学校はあるが、高峯学園の受験は他の高校より早いため卒業まではまだ時間がある

 だから、行ってもいいが行かなくても別にいいのだ

 別にめんどくさいとかそういうのじゃない。決して!

 とりあえず明日は昼辺りから行けば別にいいのでゆっくり寝れる

 

 

 そして朝、俺は起きるつもりはなかった

 しかし、チィ姉のせいでゆっくり寝ることさえ許されない

 

「ふ〜ちゃん、起きて」

「ん〜・・・」

「ねぇ〜起きて、学校行かないと」

「ん〜俺別に高校受かったしもう行かなくてもいいんだよ・・・だから寝かせて」

「ダメ、起きないとチューしちゃうぞ」

「・・・・・・」

 

 俺はその言葉でガバッと起きあがる

 しかし、ちょうど上半身を起き上がらせたところにチィ姉の顔があり俺の唇が奪われた

 

「えへへ、しちゃった」

「・・・・」

「ふーちゃん?」

「・・・・・ちゃんと制服着ない?」

 

 チィ姉の今の格好は制服のシャツのボタンを胸が見えるのところまで開けており、スカートは超ミニにした状態だった

 

「あれ?男の人ってこういうの好きなんじゃないの?」

「誰の入れ知恵?」

「お母さまだよ?」

「あの人は・・・とにかく!ちゃんと制服着て、そんなんで学校行くの?」

「行くわけないじゃない。ふーちゃんだけだよ、見せるの」

「だからって・・・はぁ・・・ちゃんと制服着て。時間危ないよ?」

 

 チィ姉は去年俺が誕生日プレゼントにあげた腕時計で時間を見て焦りを見せて、制服をちゃんと直してから俺の部屋を飛び出ていった

 

「はぁ・・・もう一回寝よ・・・」

 

 再び布団の中に戻ろうとすると俺の部屋のドアが勢いよく開けられ、そこにはさっき飛び出ていったチィ姉がいた

 

「どうしたの?忘れ物?」

「うん」

「何?」

「・・・いってらっしゃいのチュー」

「いや、そんな夫婦みたいなこと誰がするのさ」

「ふーちゃんと私だよ?」

「疑問形で返されても・・・」

「・・・・してくれないの?」

 

 チィ姉は俺の横に座り、頬を赤く染め泣きそうな目で俺を見てきた

 そして、俺はその表情にやられる・・・

 

「わ、わかったからお願いだからその表情やめて」

「・・・・ん・・・えへっ。それじゃ行ってくるね」

「うん。いってらっしゃい」

 

 チィ姉の思い通り、いってらっしゃいのチューをすると満面の笑みで部屋を出て行った

 その笑顔で、キスしてあげてよかったと思える俺が怖くなる・・・

 

 頭の温度が下がりはじめると俺は布団に潜り、2度寝に挑んだ

 

 


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