表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/125

第29話 最終日は?

 GW最終日

 今まで前半は俺の風邪で無くなり、後半はチィ姉の風邪で無くなった

 そんな悲しいGWだったのだが最終日の今日は2人も元気になったのでショッピングに来ている

 

「これなんてどうかな?」

「いいんじゃない」

「それじゃこれは?」

「それもいいんじゃない」

「これは?」

「いいんじゃない」

「も〜ふーちゃん、ちゃんとした感想言ってよ」

「ん〜正直どうでもいい」

「それはダメ」

「正直に言えって言ったのそっちでしょ・・・」

 

 俺とチィ姉はさっきから服屋を回っているのだが、すでに俺の両手は袋で塞がれている

 

「もうそれぐらいにしようよ、買うの」

「ん〜そうだね、・・・あ、ふーちゃん、男の人ってこういうの好きなんだよね?」

 

 チィ姉は手にニーソックスの黒と白を両手に持って見せてきた

 

「皆が皆好きとは思わないけど好きな人はいるね、それ」

「そうなんだ。それじゃふーちゃんのために買っちゃおうっと、待ってて」

 

 チィ姉は何足か選んで会計の方に行く

 チィ姉は俺のためにニーソックスを買うと言っているが俺のためなら買わないって方が俺は嬉しい

 だってどうせ俺が荷物持たないといけないんだから・・・

 結局俺の予想通り、ニーソックス数足と何故か服が数着入っている袋も俺が持ち、そのあとも色んなところへ連れ回された

 

「ごめんね、ふーちゃん。全部持たせちゃって」

「別にいいよ」

「お詫びにクレープ奢ってあげる。・・・これください」

 

 ちょうど近くにクレープ屋が来ていてチィ姉はその列に並ぶ

 そして数分待って、ようやくチィ姉が戻ってきた

 

「ふーちゃん、おまたせ」

「今更だけど、外でふーちゃんって呼ぶのやめてくれない?」

「はい、ふーちゃん」

「・・・・どうも」

 

 聞こえてないというか聞いてないのだろうけど、チィ姉の楽しそうな顔を見ているとそれ以上言えなくなりクレープを受け取る

 

「あれ?チィ姉のは?」

「ん〜・・・私はいいよ」

「ふ~ん」

 

 チィ姉は羨ましそうにクレープと俺を交互に見てくる

 そして、俺はそんな視線を感じながら一口食べる

 ちゃんと俺の好み通り、中はチョコと生クリームだけ。シンプルな形だが好きなのだ

 

「・・・・」

「・・・・」

「ジー・・・」

「・・・た、食べる?」

「え!あ、いいよ。ふーちゃん全部食べなよ。私今ダイエット中だから」

「あ、そなの?んじゃ全部・・」

「・・・・ジー」

 

 もしかしてチィ姉は自分の口で「ジー」と言っていることに気が付いていないのだろうか・・・

 それともわかっていてやっているのだろうか・・・

 どっちにしても、その姿はとってもバカっぽく見え、そして見られ続けているのでものすごく食べにくい

 

「やっぱり食べる?ちょっとぐらいならいいんじゃない?」

「うっ・・・そ、それじゃちょこっとだけ・・・」

 

 チィ姉はそう言うとクレープを受け取り、本当に少しだけ食べた

 しかし、少しでも食べてしまうと自分の欲求に耐えれなくなったのか一口、二口、三口と次々口の中に運んでいき、いつの間にか全部食べきっていた

 

「あ〜おいしかった〜」

「・・・・」

「やっぱりクレープだね、ふーちゃ・・・あ・・・」

「チィ姉はダイエットできない人だよね、絶対」

「う・・・ごめん・・・」

「別にいいけど、そろそろ帰ろうよ。最後の日ぐらいお粥じゃなくて豪華な食事作ろう」

「うん、クレープのお詫びに最高においしい料理作るね」

「期待してます」

 

 こうして久々のチィ姉との買い物は終わり、夕食には手巻きずしを食べて、長く苦しかったGWが終わりを告げた

 

 そして、俺はこの後にまさかあんなことが起きるなんて思ってもみなかった・・・・・・・ってのがベタな展開なんだろうけど、そういうのはやっぱり漫画だけだと思いながら夢の中に入っていった

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ