第24話 母親の勘の的中度
俺とチィ姉が話さなくなってもうすぐ1週間になる
正直チィ姉がここまで粘るとは思ってなかった
同じ家にいながら俺とチィ姉は目も合わさない感じでご飯も別々に食べるなど、離婚前の夫婦みたいな感じだ
もちろん例えだけど
「それにしても、千夏ちゃん粘るわねぇ・・・」
「母さんが言いだしたんだよ」
「あら?もしかして楓は千夏ちゃんにかまってもらえなくて寂しいのかしら?」
「残念ながらそんな気持ちにはなっておりません」
チィ姉が朝早く俺を避けるように学校に行ったため、俺と母さんだけで朝ごはんを食べる
もちろん俺の分だけ朝ごはんはなかったのだが・・・
「もしかして、こんな風にしてるのって俺の気持ちを探ろうとか思ってない?」
「それもあるけど、もう一つあるわね」
「何?」
「それ教えたら意味ないじゃない」
「別にいいんだけどさ・・・それじゃ、俺学校行ってくるよ」
「ちゃんと勉強しなさいよ!次のテストで学年5位以内に入ってなかったら私の仕事手伝わすから」
「なんて教育熱心な人・・・」
「一度言ってみたかったのよ。千夏ちゃんに言っても意味ないから」
母さんはニコッとしながら冗談なのか本気なのか分からない笑顔で俺に笑いかけてくる
「あ〜そういや今日雨降る?」
「私が知るわけないじゃない」
「母親の勘でどっち?」
「振らない、快晴よ」
「了解、んじゃ行ってくる」
俺は傘を持たずに自転車に乗り、学校に向かった
学校に着いた頃には本当に快晴で雲ひとつない空だった
「それじゃHRはお終い、皆GWに問題起こさないように!起こしたら私のGWが無くなるからね!」
今日の授業が終わり、HRも済んで部活や塾などある人は次々と教室から出ていく
「楓くん、今日もダメ?」
「あ、うん。ゴメン、迷惑ばっかかけちゃって」
「ううん、別にいいよ。またたい焼き奢ってくれれば」
「何度でも奢らせてもらいます」
「あはは、それじゃ良いGWを」
「うん、じゃ」
悠斗と別れて、学校から帰っていると肩に何かが落ちたのに気がついて自転車を止める
そして、肩の方を見ると何か水っぽいのが落ちてきていて、なんとなく嫌な予感がし空を見上げるとさっきまで雲ひとつなかったのに今は真っ黒な雲が一面に広がっていて今すぐにでも振り始めそうだった
俺は雨が降ったときのために雨宿りするか、残りの道を全速力で漕いで雨が降る前に家に着くかどうか悩み、後者の方を選択した
だけど、数分漕いだくらいで土砂降りの大雨が降り始め、家に着いた頃には全身びしょぬれ状態になっていた
「た、ただいま・・・」
「あはははは〜、楓、びしょぬれじゃない」
「母親の勘なんて信じたのが間違いだった・・・」
「ちゃんと天気予報見ないからよ」
「風呂入ろ・・・」
「残念、千夏ちゃんが入ったばっかよ」
「・・・・んじゃ出たら教えて、部屋にいるから」
「は〜い」
俺は母さんに言って、自分の部屋に入り濡れた制服を着替えてお風呂が開くまでベッドに寝転ぶ
しかし寝転んだのがいけなかったのか、つい居眠りをしてしまい起きた時にはすでに10時ごろになっていてリビングに行くと母さんがドラマを見ていた
「おはよう」
「うるさい、今いいところなのよ」
「・・・・風呂行ってくる」
雨にぬれた状態で寝てしまったため、体が冷えてしまって鼻がムズムズする上に頭が少し痛い
風邪を引かないために浴槽で十分に温まり、髪を乾かしてベッドの中に入った