第22話 目が覚めるとそこは…
「・・っっ・・」
ようやく意識が取り戻し、まず辺りを確認する
俺の部屋はチィ姉が暴れたあとにままで、時計のガラスの破片や枕・漫画などが散らばっている
「・・・・な、なんじゃこりゃーーー!!!・・・・ふぅ・・・」
とりあえず、言ってみたけどそんなこと言ってる暇ない、最後にチィ姉が投げてきた携帯を確認する
俺は携帯依存症とは違うが、無いと不便で仕方がない
「・・・・最悪」
俺の手の上にある携帯は画面がクモの巣のように綺麗にひび割れていて、メールなんてできるもんじゃない
それも神様のいたずらなのか、バックアップを取ってあるメモリースティックも割れて使い物にならなくなっていた
「・・・涙出そう・・・」
今まで友達とのメール・アドレスがすべて無くなって向こうからの連絡を待つしかないことになってしまった
頭に当たっただけでこれだけ潰れるとは思えないし、よくよく考えてみると気を失う寸前にバキッという音が聞こえた気がする
「はぁ・・・これなら水に濡れて潰れたほうがよかった・・」
俺はチィ姉を怨む気にもなれず、自分を責める気にもならない微妙な心境で部屋の片づけをし出す
少しでもこの気持ちが晴れることを期待しながら
「はぁ・・・ぜんっぜん気持ち晴れない・・・」
部屋は元通りになったのだが気持ちは元通りになれず、しょうがなく母の部屋に携帯が粉砕したことを伝えにいく
母の部屋の前に立つと嫌な雰囲気を感じ、少し入るのを戸惑ったが我慢して部屋のドアを開けた
「母さん、携帯つぶれちゃったんだけど・・・」
「楓、今ちょっと忙しいから!あとにして!!」
母さんは机に向かいながら話しかけるなオーラ全開でパソコンを打っている
たぶんこの雰囲気に慣れた人じゃないと5分と持たないだろう・・・たぶんだけど
慣れている俺でも長くいるのは嫌なので言われた通り部屋を出ていき、母さんの仕事が終わるまで俺の携帯は直らないことが決まった
明日、学校の中でメールアドレスを知っている人に携帯が潰れたことを教えて、理由は悠斗のみに教えておこうと思ってベッドに寝転んだ