第21話 注意:携帯は投げるものではありません
無事初めてやるラジオも終わり、慣れないことをして疲れた体をお風呂の中で取っていた
「はぁぁぁ〜・・・・疲れたぁぁ・・・」
お風呂の中でオヤジっぽくため息をつきながら顎辺りまで浸かる
小さい時はよくチィ姉と入っていたけど、よくこんな狭い風呂に2人入れたものだと思ってしまう
「・・・・あっ、体の大きさが違うや・・・」
そんな風に自分で疑問を作って自分で答えていると少し悲しくなってきた
自己嫌悪に陥りながらも顎の辺りから口が浸かるぐらいまで浸かり、ブクブクと遊ぶ
そんな感じでずーっと浸かっていると何分入っているか分からなくなってきた
「ふ〜ちゃ〜ん、生きてる〜?」
「ぶはっ!?ゲホッ!!ゲホッ!!」
「わっ!?大丈夫?ふーちゃん?」
ぼーっと浸かっていた俺にチィ姉がいきなりお風呂のドアを開けてきたため、思わず水を飲んでしまいむせてしまった
「ゲホッゲホッ!!・・・・な、なんでいきなりドア開けるのさ!!てか、さっさと閉めて!!」
「うぅ〜・・・そんな怒らなくてもいいじゃない・・・心配して来たのに・・・」
チィ姉はぶーっと頬を膨らませ、ドアを閉める
俺はしばらく様子を見ながら、もう出て行ったと確認するとさっさとお風呂場から退散し服を着て自分の部屋に走って戻る
「ったく・・・自分がいきなり風呂のドア開けられたら嫌だろうに・・・チィ姉はなんであんなことするんだ・・・」
「私は別にいいよ?それにふーちゃんが見たいって言うなら私は・・・ッポ」
「うわぁ!?なんで俺の部屋にチィ姉がいるのさ!それにッポって何!」
俺のベッドの中に入り寝転んでいたチィ姉が頬を赤らめながらこっちを見てくる
するとチィ姉は俺と目が合うと服を脱ぐ動作を始めた
たぶん俺の予想ではちゃんと服を着ているんだろうけど、俺も一応高校生で青春真っ盛りな少年なので変に意識していまい、顔が赤くなっていく
「ふ〜ちゃ〜ん、いやらしいこと考えてるでしょ〜。本当に服脱いでるとかぁ」
「っ・・・そんなわけないでしょ」
俺はバレないようにチィ姉に背を向け、ゲーム機の電源を付けながらチィ姉に話しかける
「あのさ、チィ姉。いい加減やめたら?俺誘惑するの」
「・・・・・なんで?」
「なんでって・・・一応姉弟でしょ?」
「・・・・」
「・・・・チィ姉?」
「血、繋がってないよ」
「それでも、一応姉弟って感じで育ってきたでしょ。
俺が思うに、チィ姉の俺への気持ちはたぶんLikeだよ。Loveじゃない。
だから俺、外であんな行動しないように言ってるんだよ?
チィ姉のこと好きになってくれる人があんな行為見て勘違いしないように・・・いたっ!?」
俺が話している途中に後ろから枕であろう物が飛んできた
それも枕だけでは無く、いろんな物が飛んでくる
「いたっ!いたっ!、何!?」
「・・・・の・カ・・・」
「うわっ!?」
「ふーちゃんのバカぁー!!!」
チィ姉はそう叫ぶと近くに置いてあった時計を俺の方へ投げたり、色々近くに置いてあるものが飛んでくる
「うわっ!何すんのさ!・・・ってチィ姉!何その服装!」
次に何が飛んでくるか分からないからチィ姉の方を見るとどこから手に入れたのかメイド服姿で、俺のベッドの近くに置いてあった携帯を投げようとしている
それにしてもなんというか・・・チィ姉、メイド服似合うなぁ・・・じゃなくて!
「ちょ、ちょっと!落ち着いて!!チィ姉、それ止めて!!」
「バカーー!!」
「ああぁー!」
涙を流しながら、チィ姉は容赦なく俺の方に携帯を投げて見事俺の頭に当たり、気が遠くなっていく気がしていく
目の前が真っ暗になる前にチィ姉が部屋から走って出ていく姿が見えた