第20話 千夏と楓の××ラジオ
「千夏と!」
「楓の〜」
「「××(ちょめちょめ)ラジオ〜〜」」
ついに始まってしまった、放送部のラジオ
俺は一応声だけは楽しそうにして、顔はうんざりしている感じだ
しかし、前にいるチィ姉は声も表情もものすごく楽しそうだ
「さ〜て始まりました!放送部のラジオですけど〜楓くん何をするのかな?」
「特に何もしませんよ、ただこれを聞いてくれているみなさんから質問・相談などのメールをもらってそれに答えていくって感じですね」
「そうだね、プロテインだね」
「・・・・・はい?」
聞き間違いだろうか・・・なんかプロテインって・・・
返事に戸惑っていると悠斗が紙に“先に進めて”と書いて見せてきた
「え、えっと・・・はい、それじゃ今回最初のメール読みますね。
えーっとペンネーム希望で、クミさんのメールです。
“私は今、恋を探しています。でも人生には諦めが肝心ってことも分かっています
でも諦められないんです。どうしたらいいでしょう?
PS.先生ではありません”
ってことなんですけど・・・」
どう見てもこれ・・・俺らの担任だよな・・・てか、自分で言ってるよ・・・
チィ姉はバカなのか、気にしていないのか、真剣に悩みだす
「千夏先輩、こういうのってどうしたらいいんでしょう?」
「ん〜そうだね・・・とにかく恋を探す前に好きな人を探したらいいと私は思うな〜」
「それ一緒じゃないですか?」
「違うよ!恋はLOVEだよ、でもそこに行くまでにはlikeが必要だと私は思うよ。実際、わたしもふ・・・」
「そうですね、likeが無ければloveも見つけにくいですよね」
チィ姉の発言が危険地帯に入ろうとしていたので無理やり話を終わらす
途中で話を切られたチィ姉は頬を膨らませながら俺を睨んでくるが、そんなことは気にせず次のメールを読む
「ペンネーム、チィ姉ちゃんさん。私は・・・・・・えーっと、次のメールです」
「あ、楓くん。ちゃんとメールは読もうね、せっかくメールしてくれたんだから」
チィ姉はニコニコしながらメールが読まれるのを待っている
「・・・私は弟が大好きです。
でも、その弟は私のことが好きなのかよくわかりません
そこで男の子の九十九さんに質問です
弟はお姉ちゃんのことが好きになるのってあり得るんでしょうか?・・・」
「ん〜難しい問題ですね〜楓くんはどう思いますか?」
チィ姉はムカつくぐらいニコニコしながらこっちを興味津々に見てくる
「そうですね・・・こう言っちゃチィ姉ちゃんさんに悪いかも知れませんが、本当にチィ姉ちゃんさんは弟さんのことが好きなんでしょうか?
さっき千夏先輩が言ったLikeかもしれないし、そこらへんは難しいと思いますね
だけど、可能性は無いということは絶対に無いので弟さんに迷惑がかからない程度頑張ってもいいと思いますよ」
「・・・・・そうですか。それじゃ次のメールは私が読むね。ペンネームは・・・」
チィ姉は少しだけ何か悩んだが、すぐにパッと明るい顔に次のメールを読み始める
それから何通かのメールを読んで、途中音楽を流して休憩に入った
「ふぅ・・・疲れた・・・」
「おつかれさま」
悠斗がお茶を入れてきてくれ、それを飲む
「はぁ〜うまいけど・・・これ結構きついかも」
「そうなの?星井先輩はあの通りすごく元気そうだけど・・・」
俺と悠斗はチィ姉の方を見ると沙羅さんと楽しそうに話していて、俺とは大違いな元気の差だった
「そーいや悠斗、チィ姉のメール入れたでしょ」
「あ〜あれは星井先輩直々に入れてほしいって言われたから」
「何考えてるんだよ・・・チィ姉は・・・」
「え?・・・もしかして、ホントに姉さんが言った通り・・・」
「ん?」
「いや、なんでもないよ。あっほら、そろそろ音楽終わる」
3曲ぐらいずーっと流していたのがそろそろ終わる頃で、急いで席に付く
そして、音楽が終わると悠斗が紙で“話して”と見せてきた
「えーっと、音楽も終わったところで・・・次のメール読みますね」
「あ、これ私が読むよ」
チィ姉に紙を渡して、淡々と相談事を解決していって2時間のラジオがそろそろ終わりを告げようとしていた
「それじゃそろそろ6時になりそうなので、今日はここまで。どうでしたか?千夏先輩、初ラジオは?」
「楽しかったよ〜、楓くんはどうだった?」
「俺もまぁまぁ楽しかったです」
「それじゃ千夏と!」
「楓の」
「「××ラジオはお終いです」」
「それじゃ皆、また来週~」
なんとか無事、初ラジオを終わらせたことに安堵して肩から荷が少しだけ下りた
しばらく放送室の椅子に座ってボーっとしていると悠斗では無く、沙羅さんが近くに来てカップを渡してくれた
「おつかれ、どうだ?初ラジオは」
「正直、疲れました。いつチィ姉が暴走するのかってドキドキしてましたし」
「いいじゃないか、千夏との仲知られても」
「・・・・ダメです。これは沙羅さんに言われてもそれだけはできません」
「ほぅ・・・まぁ何かあるんだろうから、これ以上は何も言わないさ」
沙羅さんは何かを悟ってくれて、それ以上何も聞かずにチィ姉の方へ行き楽しそうに話していた