第2話 受験が終わっても苦難は続く?
高校受験の地獄から終わりを告げ、天国な俺はベッドで寝ていた
しかし夢の中の俺はまだ受験が終わっておらず、それも高峯学園に落ちるという最悪の夢を見てしまった
「うわぁぁ!・・・はぁはぁ・・・最悪だよ・・・なんで・・・って!うわぁぁ!」
「えへっ」
夢から覚めて目を開けると、前には姉が上にかぶさっていた
それに驚いて急に俺は上半身を起き上がらせると姉はベッドから落ちた
「いったぁ・・・なんなのよ〜。ふーちゃん急に起きてさ」
「何が「なんなのよ〜」だよ!いい加減、俺のベッドに入ってくるのやめてくれ」
「だってふーちゃん気持ちよさそうに寝てたんだもん・・・」
「意味がわかんないよ」
「・・・ふーちゃんは私と一緒が嫌なんだ・・・」
姉は目に涙を溜めながら、小さくなっていく
「い、いや別に嫌じゃないよ。ただ急に入ってくるのはやめてほしいなぁってさ」
「それじゃ・・・急じゃなかったらいいの?」
「うんうん。ちゃんと普通に入ってくれたら俺も大丈夫だからさ」
「うん。わかった。これからそうするね。あっご飯できた、先に行ってるね」
「うん」
姉はさっきの目に涙を溜めた状態から一気に笑顔になり、俺の部屋から出て行った
俺はその姿を見て心からホッとして夕食を食べるために部屋を出る
「・・・・って!普通でもダメだよ!」
ドアに手を触れたところで、やっとそのことに気がついて声を出したが、すでに姉の姿は無かった
完璧なチィ姉、俺の知っている人の中で才色兼備という言葉がこれほど合う人はいないと言うほどのチィ姉
周りからは「彼女は清純だ」とよく聞くがそれは残念ながら勘違いだ
本当の姿は、極度のブラコン。
弟の寝ているベッドに入ってくるし、急にキスをしてくるなど清純とは言い難い
俺とチィ姉は姉弟みたいな関係だが、血は繋がっていないため、禁断の愛というわけでもない。
そのため、家の中では遠慮なく接してくるし、親が居ようと居まいと常に抱きついてくるし、キスまでしてくる
普通の親は預けられた子に奪われた形であれ、そんなことをしているのだから怒るはずなのだが、俺の親は俺とチィ姉をくっ付けようと半分本気、半分遊び心
そして、自分の子供を預けているチィ姉の両親も俺の親と同じ心境らしく、遭う度に「いつ結婚するんだ?早くして孫の顔を見せてくれ」と言ってくる始末だった
俺はチィ姉が作った夕食をおいしくいただいた後、高峯学園に受かったとしても入ったあと、ついていけない気がしたので勉強をする
しばらく1人で勉強をしているとドアをノックした音がした
「開いてるよ〜」
「お風呂空いたよ〜、勉強中だったの?」
「うん。チィ姉どうしたの?」
「んとね〜お風呂空いた報告とふーちゃんのベッドで寝る準備」
そう言って俺のベッドに自分の枕を置いてから俺の横に座る
「さっき言ったことはさ・・・その・・・」
「言ったよね。普通になら一緒に寝てもいいって」
「だから、それは・・・」
「ダメだよ。勉強これから見てあげるから。お願い」
チィ姉は俺のデコに自分のデコをくっ付けながら、超至近距離でお願いしてきた
「ち、近い・・・」
「いいでしょ?」
「わ、わかったから」
「うん。ありがとっ」
チィ姉はそのままニコっと笑い、そして俺にキスをして元の位置に戻った
俺はこの人には敵わない・・・
チィ姉は俺の横に座りながら漫画を読んで、俺が問題を解くのに悩んでいるとすぐにヒントを出してくれ、それでも分からないと分かりやすいように問題の解き方を教えてくれた
「よし、今日はこれで終了。ありがとう、見てもらって」
「ううん。愛しのふーちゃんだもん。当然だよ」
「そっか。ありがと、それじゃ俺お風呂入ってくるから」
「うん。いってらっしゃい」
「入ってこないでよ。チィ姉もう入ったんだから」
「うっ、あ・・当り前じゃない。もうふーちゃん!ホントは一緒に入ってほしいんじゃないの?」
「それは無いから大丈夫だよ。んじゃ行ってくる」
俺は自分の部屋から出て風呂場に向かい、そして受験勉強の疲れを浴槽の中に浸かりながら癒した




