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第14話 姉は露出狂?

「ここが悠斗の部屋だ」

 

 家の中に入ってからようやく悠斗の部屋に着いて大きい扉を開ける

 

「わ〜広いね〜ふーちゃんの部屋より大きいね〜」

「家の大きさから違うから・・・チィ姉」

「それじゃ私はちょっと行く場所があるから、ここでちょっと待っていてくれ」

 

 沙羅さんは部屋から出る

 俺とチィ姉はちょこんと部屋に置かれている椅子に座って大人しく待つことにした

 

「チィ姉は知らなかったの?この家のこと」

「外見だけは知ってたよ。沙羅が教えてくれたの、でも中には入ったことなかったね」

「ふ〜ん。沙羅さんの家には入ったことあるんでしょ?」

「広いよ〜、それに一番上の階だからこの町見下ろせるんだ」

「お金持ちは凄いなぁ・・・」

「ホントホント」

 

 広い部屋をキョロキョロと見渡しながら話していると悠斗が入ってきた

 

「ごめんなさい、ちょっと遅れちゃいました・・って姉さんがいない」

「沙羅ならなんか行くところがあるから出て行ったよ〜」

「逃げられたか・・・仕方がない・・・星井先輩に楓くん、これから何か用事ありますか?」

「私もふーちゃんも無いよ〜」

「何勝手に人の予定無くしてるのさ」

「あるの?ふーちゃん」

「・・・ないけど」

 

 チィ姉はニマ〜と笑いながら「可愛い〜」と言って抱きついてくる

 それに抵抗しようとするがどうせしても無意味になるので抱きつかれておく

 

「えっと、これからパーティーがあるんだけど一緒に出てみない?」

「いや・・・俺たちにはちょっと合わないでしょ」

「大丈夫大丈夫、服は僕が用意するよ。それにおいしい物たくさん出るから普通のバイキングだと思えばいいよ」

 

 悠斗が笑顔で言うとさっきまで抱きついていたチィ姉がいきなり立った

 

「私もふーちゃんも参加させてもらいます。悠斗くん」

「あ、ちょっと何言ってんのさ、チィ姉」

「はい。それじゃちょっとこっちで準備するので待っていてください」

 

 悠斗が部屋から出て行くと俺はチィ姉に言い寄り、パーティーに参加することを責めていると準備とやらが終わった悠斗が横にさっきゴミを捨ててくれたメイドさんを連れて帰ってきた

 

「おまたせしました〜。それじゃ星井先輩は加奈さんに、楓くんは僕についてきてください」

 

 チィ姉はパッと普通の人モードに変えてメイド服の加奈さんと言う人についていった

 俺は仕方なく悠斗の後ろをついていくと、服がズラーっと並んだ部屋の中に入る

 

「楓くん、どれ着る?」

「どれって言われても・・・」

 

 軽く見るだけで100着以上はありそうな感じで、どれがいいのかさっぱりだった

 

「ん〜楓くんスタイルいいからこれでいいんじゃない?」

「んじゃそれでいいや。よく分からないから」

 

 悠斗に渡されたスーツを手にとって試着室に入り着るとサイズはピッタリで驚いた

 

「ピッタリだったよ。おかしくない?」

「すごい似合ってるよ。すごいね、楓くん」

「何が?」

「ここまで似合ってる人は見たことないなぁって」

「ほめても何も出ないよ」

「あはは、僕も着替えようかな」

 

 悠斗も服を持って試着室に入り、出てくるのを待つ

 そして悠斗が出てくると似合っている上に着なれた感じがして、オーラを放っていた

 

「それじゃ、楓くん行こっか」

「うん」

 

 俺は慣れないスーツに身を包んで、悠斗の後をついていく

 すると、体育館みたいな広さの部屋に招かれ、そこには色んな料理が並んでいた

 

「うわ・・・」

「好きなだけ食べていいよ。僕にはそれぐらいしかできないから」

「いや、十分ありがたい」

 

 俺は悠斗に渡された皿を受け取って、色んな料理をその皿に入れて食べているとテクテクと大きく手を振りながら見知らぬ女性が近づいてきた

 

「?」

「あの、そのお皿くださらない?」

「・・・」

「お聞きになって?」

「・・・チィ姉・・・気持ち悪いよ、その言葉使い」

「あ〜酷い!一生懸命演じてたのに」

「それにしても・・・チャイナドレスっていうんだっけ?」

 

 チィ姉の格好はチャイナドレスを着ていて足の方には長めのスリットが入っていた

 チィ姉はその服を見事に着こなして、遠くから見ると俺の知っているチィ姉ではなく別の人に見えるぐらいだ

 

「えへへ〜このスリットエロいでしょ、ふーちゃんに見せたかったんだ」

「姉が露出狂だったなんて・・・なんかショック」

「ふーちゃんだけだったば、他の人には見せないよ! あっこれおいしい」

「勝手に人の皿から食べ物取らないでよ」

「いいじゃない。次はこれ取ろう」

「取りすぎだって、ほらっ皿」

 

 近くに重ねて置いてあった皿をチィ姉に渡すと次々と皿の上に乗せて行く

 

「・・・それ食べれるの?」

「当然」

 

 チィ姉は次々と料理を入れていっては乗らなくなると俺の近くに寄ってきて、それを食べるの繰り返しをしていた

 そのころ、悠斗は大人の人に挨拶をされては悠斗も頭を下げて少し談笑してからまた次の人・・・と同じ行動をしているが笑顔は崩さずに頑張っていた

 

「悠斗くんは凄いね。なんかこうして見ると別世界の人だよね」

「うん、なんか今まで悠斗にタメ口してたけど、これから敬語になりそう・・・」

「あはは、でもふーちゃん、悠斗くんは今まで通りに接していかないと。私たちの間だけでも気緩めてほしいし」

「そうだぞ、楓太くん。悠斗は同い年の子に敬語されるのは嫌がる。ちなみに私には敬語のままでな」

「わかりました・・・って沙羅さん!いたんですか!?」

 

 チィ姉と俺の後ろに隠れているみたいで、さっきからチィ姉の皿の中が凄いスピードで減っていると思っていたが沙羅さんまで食べていたとなると納得できた

 

「いつの間にいたんですか?」

「“・・・それ食べれるの?”辺りからだ」

「そうですか・・・」

「沙羅は悠斗君のところに行かなくていいの?」

「私はあーゆうの嫌いなんだ、父の会社の跡取りになるから今のうちにこび売っておこうとする大人たちの塊だろう?あれは」

「毒舌ですね。まぁわからなくはないけど」

「楓太くんにはわかるのか、さすが千夏が愛する人だ」

「うんうん」

「あっ、やばい。悠斗がこっちに来る。それじゃ千夏、楓太くん」

「えっ!あ!」

 

 沙羅さんは走ってドアから飛び降り逃げた

 俺は驚きながらドアの方を見ていると、チィ姉が「沙羅は運動神経いいから大丈夫だよ」と平然に言って食べ物を食べていた

 

「さっきここに姉さん居ませんでした?」

「いたよ」

「はぁ・・・また逃げられた・・・」

 

 悠斗は、またか・・・という顔をしながらため息をついていた

 

 


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