第32話 流れる波は大きくなって・・・
「九十九くん!!!これ見た!?」
学校に行くとさっそく真美先輩に捕まった
この人は俺を監視でもしているんだろうか・・・
「どうしたんですか?そんなに慌てて。また千夏ですか?」
「そうだよ!これこれ、千夏に彼氏いるって」
「へぇ」
真美先輩は昨日、沙羅さんに見せられた雑誌を俺の顔にくっ付くぐらい押しつけてきた
「相手は一般人だから、顔は出てないんだけどね。私が思うに相手は一般人だね」
「なぜ同じことを2度も・・・バカなんですか?」
「九十九くんはどう思う?」
「・・・どうって言われても、千夏も良い歳の女性なんですから恋ぐらいするでしょう」
「そ、そりゃそうだけど」
「真美先輩はどうなんですか?千夏が恋愛報道されてどう思いました?」
俺は少し気になっていることを質問してみると真美先輩は少し考え、すぐに答えが返ってきた
「半分悲しくて、半分嬉しいかな」
「?」
「だって、千夏の相手が一般人なんだよ?」
「そうですね」
「同じ一般人としては出会いのチャンスがあるんだぁって思えて嬉しいけど、なんで私じゃなかったんだろう・・・って思うと悲しい・・・」
「いやいやいや、真美先輩は女でしょ」
「愛に性別は関係ないよ」
真美先輩は親指を立てて、笑いながら俺の方を見てくる
俺は苦笑いしながら2~3歩下がると、真美先輩は腕をからめてきた
「冗談だってば。ちゃんと恋は男にするよ」
「そうですか」
「今だって私の中は俊丸でいっぱい」
「あのメタボリック猫ですか?」
「アハハハ」
「いたっ!痛い、痛いですって。真美先輩」
真美先輩は俺の腕を後ろに回して、関節を決めてきた
完璧に入りすぎて腕が取れそうな気がする・・・
「俊丸はなんだって?九十九くん」
「フニフニのぷよぷよの可愛い猫です・・・」
「よろしい」
「・・・鬼」
「ん?何かな?」
「いえ、何でもありません。あ、講義が始まりますね」
俺は逃げるように真美先輩から教室の中に入ると、講義が始まった
それから30分ぐらい経って、俺の携帯が震える
俺は携帯を開けると真美先輩からのメールだった
-千夏の話だけど、やっぱり相手が居たって話は悲しいかな。
だって、千夏は私の憧れでもあるしね。
でも、相手の人も大変だと思うよ?相手があの千夏なんだから
これからどうなるか分からないけど、私は千夏の一ファンとして千夏の恋は成就することを祈るよ-
という内容だった
俺は一文字一文字ちゃんと読んでから携帯を閉じ、講義に集中しようとするが、俺の頭の中ではある1つの事がぐるぐると回り続けていた
こんばんわ。
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ちなみに作者は「褒めて伸びるかもしれない」タイプなので・・・(笑)
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