第27話 パーキングエリア
「おつかれさまでした~」
やっと終わった・・・
長い長い2日間の代理マネージャー期間がようやく終わった
結局俺が寝れたのは2時間
チィ姉は4時間
運転するのも危険なぐらいだ
目が重くて仕方が無い
でも、あと高峯事務所まで行けば俺の任務は終了
沙羅さんに多額のお金を貰えば良いだけ
俺はコーヒーを1杯飲んで気合を入れ直す
「ふぅぅ」
「ふーくん、寝むそうだね」
「まぁね。チィ姉は寝てていいよ、ちゃんと事務所に着くから」
首を回しながら睡魔を遠くに飛ばしていく
これから約2時間の運転だ
チィ姉は時間が開いた間に買った雑誌を開いて読もうとしている
「酔うよ?」
「大丈夫だよ。私強いから」
「目悪くなる」
「いいの。・・・私もメガネ掛ければ良いだけ」
チィ姉はそう言って携帯用ライトで雑誌を照らして、読み始めた
俺的にはあまり読んでほしくない
今回のは作った中で一番ダメかもしれないから
俺は首を振って頭を切り替え、アクセルを踏み、事務所へと向かう
「ねね、ふーくん」
「ん?」
「その・・・えっと・・・」
夜の高速道路を80キロ近くで走っていると、横に座って本を読んでいたチィ姉が話かけてきた
俺は耳だけチィ姉の方に向ける
「そのぉ・・・ね・・・」
「え?なんて」
「いや・・・その・・・」
さっきから最後の方が小さくて何を言っているか分からない
俺はほんの少しだけ、チィ姉の方を見ると足をモジモジしながら俺の方を見ていて、目が合うと顔を真っ赤にした
「あのね・・・」
「トイレ?」
「やっ!その!!」
「違うの?」
「うぅぅ・・・」
今更、トイレに行きたいって言うのが恥ずかしいんだろうか・・・
トイレならあと数キロ先にPAがある
俺も少し小腹が空いてるからちょうどいいかもしれない
「次のPAに止まるよ。お腹空いたから」
「え!?」
「あと少し寝かせて。30分でいいから」
俺は少しスピードを上げて、次のPAの中に入る
PAの中は観光バスがたくさん止まっていて、露店が並んでいる
俺は少し離れた所に車を止めてチィ姉に変装していくように言ってから俺は小腹を埋める物を、チィ姉はトイレに向かった
露店にはじゃがバタ、フランクフルト、やきそば、と様々な物があり盛り上がっている
俺はじゃがバタ、フランクフルトを2個ずつ買って、適当にジュースを買う
「えっと、お茶と・・・チィ姉は何が良いんだろう?」
しばらく自動販売機の前で悩み、紅茶を押す
そして、車へと戻る
チィ姉はまだ帰っておらず、俺は1人で車に乗って少しだけの眠りに入った