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第21話 2人を意識させる人は?

 

 チィ姉も美羽も自分の道を進み始めて時間が経った

 チィ姉はまだ芸能界でものすごい人気を持ち、美羽も小雪として前以上に人気を誇っている

 もちろん、2人は同じ事務所であり、美羽はチィ姉のことを仕事場でもお姉ちゃんと呼んでいたので2人で曲を出したりと様々なコラボをした

 同じドラマにも姉妹として出たり、2人は本当の姉妹のようにTVに出ていた


「九十九くんはGWどうするの?」

「ちょっと軽井沢に行こうかと思ってます」

「いいな~・・・私も行きたいなぁ」


 甘えてくるように人の読書を邪魔してくるのはやっぱり真美先輩。この人しかいない

 俺は本を変えるために立ちあがって本を探す


「真美先輩、心理学系の本ってありましたっけ?ここの大学の図書室広すぎてまだ覚えれてないんですよね」

「そんなの私が知るわけないじゃん。あははは」

「・・・そうですよね」

「・・・じゃなくて、私もその軽井沢とかいう場所に行きたいなぁと言っているんです」

「その前に卒論と単位は大丈夫なんですか?」

「単位は大丈夫なんだけど・・・卒論がねぇ・・・そんなことは良いんだよ。私も行きたいんです」

「どうぞ、勝手に1人行ってください。俺は人に会いに行くために行くんですから」

「私、日本語話せないし・・・」

「スケッチブックとペンを持って単語さえ書ければ結構いけますよ」

「そうなんだ、九十九くんはそれで行ってるんだ」

「いいえ、話せますから」


 俺は近くのパソコンで本を探して、その場所に向かう。もちろん真美先輩は後ろから付いてくる


「あ、あったあった。それじゃ俺はこれ借りて帰ります」

「え?もう帰るの?」

「ちょっと知人に会うんで。それじゃ良いGWを」


 俺は真美先輩を置いてさっさと大学を出て、駅の方に向かう

 そして、渋谷のあるビルの中のドアの前に立つ

 ドアには『高峯事務所』と書いてあって、そのドアを開いた


「おっ珍しい。楓太くんどうしたんだい?」

「どうしたもこうしたも無いですよ。沙羅さんが呼んだんでしょ・・・あんな変な電話して」


 今朝、起きると留守電に「今日、高峯事務所に来なければ君の家を爆破する」という留守電があった

 それも思いっきり高峯事務所からの電話番号で


「呼んだ理由はなんですか?」

「まぁそう目くじら立てないで、そこに座ってくれ」


 沙羅さんはコーヒーを入れたカップを持ち、こっちに来て俺の前に座った


「まぁ雑談でもしながら聞こうと思ったけど、めんどくさいから率直に聞く。千夏とは結局どうなったんだい?」

「それ、言わないとダメですか?」

「・・・・」

「・・・・」


 沙羅さんはニコッと笑ってコーヒーを口に付ける

 そして、俺の目を見てきた


「楓太くんも成長はしているのか・・・まぁ話さなくてもいい。私が千夏のことを話してあげよう

 今の千夏は・・・そうだな、前よりは人気が更に上がったな。あのキャラは老若男女好かれるし、歌も上手い方だし、もちろんスタイルもね。

 小雪の方も中学生の頃より子供さが良い具合に抜けて前より人気者になった。

 私の予想以上だよ、2人とも。それも仲が良い・・・ただ、どこの誰かを意識している所があるな」

「・・・・」

「小雪の方は生放送で好きな人がいるって言ってるから優勢なのかな?

 まぁ誰かとは言わないが」


 沙羅さんは“誰か”の部分を強調して言ってくる

 もちろん、誰かは分かってるし、その誰かから何かを聞き出そうとしてくるのも分かる

 だけど、ここで表情に出せば主導権をすべて持って行かれる


「誰なんでしょうね?トップアイドルの2人を意識させる人なんて。あの人かな?ほら、あの人気の高い俳優の智也さん。あの人は俺から見てもカッコいいから。ねぇ沙羅さん?」

「そうだな。そうかもしれないね」

「ですね」

「でも、残念ながら智也には彼女がいるよ、君も会ったことがあるだろう?悠斗の側近のメイドさん」

「えっと・・・加奈さんでしたっけ?」

「ああ。だから2人の気持ちは伝わらないな、可哀そうに・・・まぁ2人の意識してる人が恋沙汰から逃げてる状態なら無理に行くわけにはいかないな。千夏は尚更だろ、楓太くん?」

「・・・さぁ?どうなんでしょうね?」

「どうなんだろうな?私は君ならわかると思ったんだけどな。まぁこの話はもういいか

 それより楓太くんは仕事の方どうだい?」

「まぁまぁです。よくも無く悪くも無く順調に進んでますよ」

「そうか、色々ドラマでお世話になってるから一度はちゃんと挨拶しておかないと思ってね」

「いえいえ、俺もお世話になってますから、あはは」


 それからは俺も沙羅さんもただの雑談をして、小雪が帰って来る前に俺はGWの準備があるため家に帰った

 たぶん、沙羅さんとの勝負は6:4で俺の負けだろう。あの人に勝てる気がしない

 むしろ惜敗までに抑えたのが勝利に近い

 そんなことを思いながら家に向かって歩いていた



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