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第18話 高級LIVEチケット

 

 チィ姉との一件からもう2ヶ月近く経ったと思う

 あの一件からチィ姉は俺にキスとか抱きつくとかそういう関わりは無くなった

 もちろん、最初は俺もチィ姉も変な違和感があったと思う

 2人きりになったりすると何を話せばいいのか分からなくなったりして、美羽が不思議そうに俺たちを見ていたりしていた


 でも、もうそんなことは無い

 俺もチィ姉の弟として、チィ姉は俺の姉として

 そんな環境に慣れてきた。もちろん俺は表面上だけなんだけど


「九十九く~ん」


大学の食堂から出ようとすると奥の方から真美先輩がこっちに向かって手を振って近寄ってきた


「なんですか?真美先輩」

「今日空いてる?本当は友達と行く予定だった千夏のライブのチケットが余っちゃって・・・もう信じられないよ!普通、千夏より彼氏取る?絶対千夏でしょ!」

「人によるんじゃないですか?」

「信じられない人がここにも・・・」

「それで真美先輩はその余ったチケットをどうしたいんですか?」

「あ、そうそう。今日で後期終わりでしょ?だから九十九くんの1回生終了記念に私が千夏のライブに連れていってあげるよ!特等席だぞ!」


 真美先輩は律儀にチケットと座席の書いてある紙をカバンから出して、近くのテーブルに広げて見せてきた


「ここ。どうよ?最前列のど真ん中!どれだけ取るの大変だったか・・・」

「へぇ、凄いですね」

「褒め称えよ」

「凄い凄い。それじゃ俺は行きますね」

「こらっ!帰ろうとするな!」

「だって・・・」

「だって?」

「・・・千夏にはあまり興味が無いので」

「まぁまぁ私がせっかく連れていってあげるって言ってんだから行こうよ。ほらほら」

「ちょ!ちょっと!俺、これから用事があるんですけど!」


 俺の腕を完全に掴んで引っ張られていく

 抵抗しようにも間接を決められていて、ちょっとでも動けば痛みが走る


「用事っていつぐらいに終わるの?」

「友達と会うのでかなり・・・」

「じゃ断って。せっかく千夏のライブチケット無駄にはできないから」

「久しぶりに会うので会っておきたいなぁって」

「また会える!」


 なんていう自己中なんだ・・・

 もしかすると・・・いや、もしかなんてもうないんだけど・・・


 俺はため息を吐きながら携帯を開いて、今から会う友達にメールをする

 するとすぐに返信が返ってきた


「友達から?」

「はい・・・あ、そういえば今から会う友達が千夏の大ファンなんですよ。その人と行ってみませんか?」

「えぇ~知らない人でしょ」

「千夏に興味無い人と行くよりはいいと思いますけど?」

「ん~・・・まぁいいや。それじゃ九十九くん、35000円」


 真美先輩はそれはもう男を虜にするような可愛い笑顔で手を差し出してきた

 生憎、俺には効かないんだけど・・・


「金、取るんですか・・・それも高い・・・」

「だって、九十九くんが来るなら記念としてでもよかったけど、初対面の人と行くなら売らないと!

 今月私辛いし」

「・・・はぁ、わかりましたよ。それじゃ35000円」


 財布の中から色々買おうかと思って下したお金を渡す


「まいど~。はい、チケット。それじゃね~」


 満面の笑みをしながら手を振ってライブ会場に向かい真美先輩は今までの中でトップ3には入るぐらい輝いていた



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