自分に自信がない人へ 〜あなたは百点満点です〜
自分に自信がない人へ 〜あなたは百点満点です〜
人生は一枚のキャンバスです。
生まれた瞬間そのキャンバスの前に座らされます。
横にはパレットがあって、色とりどりの絵の具が出ています。
あなたは筆を取ると、何を描こうかなと思惑します。
そして、いざ何か描こうとすると……横から出てきた周囲の大人に筆をひったくられます。
あなたが何かをしようとする前に、その大人たちがあなたの代わりに絵を描き始めるのです。
「父さんのように立派な会社に勤めなさい」
「母さんのような人になりなさい」
「医者になりなさい」「弁護士になりなさい」「公務員になりなさい」「大企業に勤めなさい」
あなたはまだ何もしていないのに……あなたのキャンバスはもう真っ黒になってしまいました。
周囲の人間がぐちゃぐちゃに絵の具を描き殴ったのです。
ようやくあなたに筆が渡っても、もう何か描くスペースなんてどこにもない。
ただの黒一色の汚いキャンバスがあるだけ…………あなたの人生のはずだったのに……
あなたの人生の舵取りをしたのは、周囲の大人でした。
あなたはすごく頑張り屋さんです。
どれだけ辛くても、涙を拭って辛くないフリをします。
本当はボロボロになっているのに、大丈夫なフリをします。
もう努力なんかしたくないのに、今日も努力しました。
あなたは心配をかけたくないので、
「大丈夫?」と聞かれたら、「平気だよ」と嘘をつきます。
「元気?」と尋ねられたら、「元気!」と言います。
でもあなたの本心はこう言っています。
「もうやりたくないよ……」「なんでこんなに頑張らないといけないんだ……」
「辛いよ」「こんなに頑張っているのに……」
そんなに落ち込まないでください。あなたは十分頑張っています。
話は変わりますが、今より遥か昔の狩猟時代は幸せでした。
アイフォーンも冷蔵庫も電車もテレビもない。今よりずっと生活レベルは不安定。いつ肉食獣に殺されても仕方がない状況だったのに、不幸ではありませんでした。
それは、社会的な競争や枠組みが一切ないからです。
昔は社会的な目標や人生のマニュアルに沿わなくてもよかったんですよ。
結婚しなければならない。結婚したら常に夫婦円満で、決して離婚してはいけない。
大学を出ないといけない。大企業に就職して、年収は一千万を超えなければならない。
いつからか人生がまるで、周囲の人の期待に答えるためのゲームになってしまいました。
完璧にミスなくやらないといけない。今や常識のようになっているけど、おかしいですよね……
学校なら、先生が求める答えと自分の答えを一致させなければならない。
会社なら、合っているか間違っているかを置いておいて上司の言うことを完璧に遂行しないといけない。
私たちは常に、人間離れしている達成不可能なラインを求められる。
遅刻しないのが当たり前。(イヤイヤ機械じゃないんだから……)
ミスしないのが当たり前。(電卓じゃなくて人間なんですが……)
残業するのが当たり前。(もう帰りたいよ……)
熱意を持って仕事をするのが当たり前。(やりたくない仕事を我慢しているんだけど……)
こうしないといけないよねって言う枠に当てはめるのは苦しいですよね。
三角形の穴に丸い棒を無理やりねじ込もうとしているみたい。
この社会では、順番や勝敗をつけないと気が済まないのでしょうか?
顔面偏差値。就職偏差値。結婚偏差値。
数値化できない事象までも無理矢理数字にして、優劣を決めたがります。
すると、必ずどこかに負ける人が出てきて、苦しい目に遭います。
私たちはただの人間なのに、
畜殺される牛の肉のようにランクをつけられ、
くずかごのゴミのように分別され、
完全無欠の全知全能を求められます。
そして少しでも間違ったら、コンピューターのプログラムのように修理されます。
どこへ行っても、何をしても、数字の勝負が始まります。
常に、生まれも育ちも違う誰かと比べられます。
必ずマウント合戦が始まって、どちらか一方が傷つきます。
あなたはすごく真面目な人です。責任感が強く、とても優しいいい人です。
家にいる時もまだ仕事のことを考えてしまう。
まだあの上司、同僚、友人のことを考えてしまう。
将来のことを常に不安に思ってしまう。
私はあなたに、それをやめてほしいです。もう苦しまないでほしいです。
頭から離して欲しいです。やめろと言われてもついつい嫌なことを考えてしまうのはわかります。
なので、ひとまず今日一日だけ。それが無理なら十分だけでいいです。
競争社会のことを考えないでください。
あなたの行っている会社の大きさや、着ている服のブランド、恋人の有無、年収はあなたの価値を変えたりしません。
あなたに赤ちゃんが生まれたとして、その子がどんな服を着ていても可愛いと感じますよね?
生まれてきてくれてありがとうと思うはずです。
それと全く同じです。
あなたには生まれた瞬間から価値があります。
あなたが生まれた瞬間、周囲の大人はみんな喜んでいたはずです。
みんな笑顔であなたを迎えてくれたはずです。
あなたは今も、これからも必要とされているんですよ。
あなたは百点満点です。
これを読んでいる現時点のあなたでいいんです。
何も悪いことなんてしていないんですから。
あなたはもうすでに完璧で、これ以上ないくらい素晴らしいです。
目の前にある人生というキャンバスにはまだ余白がありますでしょうか?
もしなくても白い絵の具を塗れば、また何か描けるようになります。
風景画を描いてもいいし、詩を書いてもいいし、何も描かなくてもいいです。
あなたが自由になんでも好きなものを描いてください。
成功してもいいし、失敗してもいいです。
人生なんてただの絵なので、何回でも描き直していいです。
もうすでにあなたは筆を手にしています。
いつからでも、やり直すことができます。
あなたならきっと大丈夫です。
どうかあなたがもうすでに百点満点で、素晴らしい存在であることを忘れないでください。
上から目線に聞こえる箇所があったらごめんなさい。
あなたが誰で、どんな人なのか知りません。
ですが、あなたの心を圧迫するプレッシャーがほんの少しでも、ほんのちょっとでも軽くなっていたらそれより嬉しいことはございません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。頑張りすぎないでくださいね!
大和田大和