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最強の武器はこの妄想力  作者: 緒嶋まゆ
第一章
9/87

養成所編◆魔術練習

2020/9/25 改稿

※物語の流れに変更はありません。

 透は昨日買った新しい装備に身を包み校庭へと訪れたが、ラティの姿はまだ無かったので、ツキミと別れお互い昨日の復習を行っていく。

 暫くするとラティが姿を現した。


「遅れてしまってすまない、ちょっと仕事が溜まっていてね」

「いえいえ、今日もよろしくお願いします」


 透とツキミはラティの前に並んだ。

 ラティはツキミに昨日と同じような内容で問題が無さそうなので練習を行うよう指示を出す。

 透はステータス上は全属性に適正を持っているが、本人の意識の持ち方で得意分野が変わってきやすいというので、色んな魔術を試してみる事になった。


「まずは攻撃系の魔術からだ」


 ベーシックな物で、火・水・風・雷・土が存在している。

 応用として氷等の各魔術からの派生や、各魔術の特性を混ぜ合わせて作る物、祈りの具現化と言われる聖魔術、腐敗と魂を操る闇魔術、無属性といった物もある。


 ラティがお手本として火・水・風・雷・土の初級魔術を発しながら説明を続ける。

 火・水・風・雷・土については一般人でも初級魔術程度なら数種類覚えるので、最低でも2~3種類は中級以上を無詠唱で発動できるように覚えなければ実践で使うのは難しい。


「最初は無詠唱で現象を起こすのは難しいだろう。まずは詠唱しながらどんな魔術なのかを試してみてくれ」


 透はラティの言葉に頷き渡されたメモを見ると、基本5種の初級魔術の詠唱節が記載されていた。

 それを唱えると身体から魔力がスウっと移動する感覚が起き、前方に魔術が発現する。


 その後無詠唱で再現をしようとしても、前世で馴染みの無い魔術はうまくイメージができず具現化する事ができなかった。


(アニメやゲームで見る魔法とかって一瞬だし細部までイメージするって難しいんだよなぁ……、それに咄嗟に出す事を考えるなら無属性が一番簡単だったりしないのかな)


「あの、無属性ってどんな魔術なんですか?」

「それは詠唱節が存在していなくてな、昨日剣を創ったように魔力を使って何かを創り上げたり、魔力の塊を相手に当てたりというのが無属性としてはわかりやすいんじゃないだろうか」


 少し考え込んだが、物は試しだとすぐに実行に移す。

 ラティは不思議そうな顔をしたが、とりあえずは透のやる事を見守る事にした。


 透は目を閉じ集中力を高める。

 右手の中に光が集束し、手のひら位ありそうな大きな弾倉が具現化される。

 そこから10cm程の直径を持った銃身が伸び、衝撃に耐えられるような大き目のグリップが具現化された。

 光が収まると弾倉が異様に大きいずんぐりむっくりとした拳銃が具現化されていた。


「それは……なんだね?」

「魔力の塊を当てるならこれがやりやすいかと思って」


 拳銃を前に突き出し引き金を引くと、銃口から10cm程の魔力弾が発射される。

 目を閉じてイメージを強くして撃つと、炎・氷塊・竜巻・雷撃・石の塊等を周囲に纏った魔力弾が放たれた。


「初めて見る武器だし、そんな物で魔術を発現する人は初めて見たな……うーん、だが魔術師は割とよくわからんイメージの結びつきで発現させたりもするし、普通……なのか?」


 自身も剣がメインとは言えある程度魔術も使えるが、普通に自身の周辺から魔術を発するだけだ。

 稀に剣に魔術を纏わせて戦う事もするが、それ位しか自身の戦闘では魔術を使わない。


 ツキミを見ると雷撃を得意としているのか、桜色の魔力が雷へと変換され身体に纏わりついている。

 首をひねりながら呟いた声は透には届かない。


「毎回具現化にここまで時間がかかっていたら使い物にならないな……。こればかりは練習か。それとイメージを強く持つ為にこいつに名前をつけるべきか……」


 うーん、うーん、と頭を捻りながら色々な単語をブツブツと呟く。

 ラティは完全に置いてけぼりだ。


「よし!こいつの名前はルドニールだ!」


 満足そうに名前を付けると手元の拳銃が一瞬若干の淡い光を発した。



 ラティが気を取り直して透へと声を掛けた。


「さ、さて、それでは次の魔術に移行しようか。結界魔術に入ろう」


 結界魔術は薄く硬く透明で巨大なガラス板を目の前に出現させるイメージで行う。

 これが基本形の結界となり、結界の枚数を増やし自分の周りを360度覆う事も可能となる。


 透はラティのお手本を見様見真似で結界を張ったのを確認し、ラティが剣を抜き突きを放った。

 すると透の結界は剣に触れた所からヒビが入りすぐさま粉々に砕け散ってしまった。

 その勢いで透は後方へと吹き飛ばされる。


「脆い、これでは結界として機能させる事は難しいぞ」


 透はラティの言葉にギリリと歯を食いしばり起き上がる。

 その後何度か結界を張ってはラティに破られを繰り返したが、若干強度が上がった位でラティの攻撃を防ぎきる事はできなかった。



「ふむ、まあ結界はイメージし難いのかな。ここまでにして次の治癒魔術をやろうか」


 ラティは実践として自分の腕に軽く切り傷を入れ、それを治癒魔術にて元通りにして見せる。

 更には疲労を回復させる魔術、体力を回復させる魔術、魔力を多少回復させる魔術を次々と透にかけていく。


 透は回復される感覚を受け、イメージしラティへとかけるが全ての術で回復する事はなかった。

 詠唱を行えば僅かながら傷が癒えはしたが、時間が経過すると共に傷跡が開いてしまう。


 透は落胆の表情を隠せない。

 透は納得をしておらず、苦い顔をしながら何度か挑戦していた。


「無詠唱は能力が上がる分難しいからな、戦闘中で無ければゆっくりと詠唱をする事もできるし、それこそ回復薬を揃えておくことも可能だ」

「とりあえずは回復薬を揃えておくのは重要ですね……」



「さて、最後の補助系魔術をやってみようか。これはかなり奥が深いから全てを体験する事はできないが……簡単な物を試してみよう」


 補助系の魔術はかなり多岐にわたっており、自分や味方の能力上昇系から敵の能力減少系まである。

 戦闘を目的としない魔術も補助系に含まれており、透が開発した魔力絨毯や冒険者になる際に使った分析が行える魔道具等もこの分類だ。


 ツキミが以前どこからともなくカエルの肉を取り出していたが、それも収納魔術という補助系の魔術の一種である。

 その他に五感や身体能力を部分強化し敵の気配を探る気配探知等も存在する。


 基本的には自分だけで完結する能力上昇はイメージが掴みやすく発動が簡単になる。

 人や敵の能力変化をもたらせる魔術に関しては難易度が跳ね上がる。


 透も早速実践するが、自分の能力を引き上げる系統の魔術はなんとか発動する事ができた。

 ラティへ鈍足や毒等を行おうとするがそちらは発動する事ができず、唯一出た蔦で足を絡め動けなくするといった足止め魔術も発動が遅すぎて使い物にならなさそうだった。



 一通りの魔術を実践し終わって一息つく。

 攻撃全般・身体強化・気配探知辺りが得意なようだが、治癒魔術や他人への能力上昇・減少系については残念ながら見込みが薄い。


「全属性適正とあったが今回やってみてもらったように、本人の技量により得手不得手が存在している。自分の得手不得手を把握する事で戦術が立てやすくなり、それが今後の戦闘で命を救う事もあるだろう」


 よく復習し、良い所は更に伸ばしてまあまあな所は戦闘時に使えるように練習する事、とラティに念を押された。


「それに長瀬君は我々では思いつかない新たな事を生み出すのが得意みたいだからな、苦手な分野は克服できるように考えてみても良いだろう」


 宿に戻ってから中庭で自主練を行う。

 ルドニールの召喚時間の短縮、身体強化といった今日の復習だけではなく、剣の素振りも勿論忘れない。


 一通り終わってから部屋へと戻り、結界魔術の発動や強度を高めるための方法を考える。

 ベッドの上であーでもないこーでもないと、試行錯誤を繰り返しつつそのまま透は寝落ちした。

この小説を書き始めてから早くも1か月が経過しました。

なんでも三日坊主な私が書き続けられているのは読者の皆さま、応援してくださってる皆さまのおかげです!

ありがとうございます(*'ω'*)

稚拙な文章ではございますが、これからも頑張って更新しますのでどうぞお付き合い下さい♪



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