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最強の武器はこの妄想力  作者: 緒嶋まゆ
第二章
43/87

下層探索 2

書いてたら結構長くなってしまったので、2話に分けました。

もう1話は近日アップします。

こちらは少な目です。

 その後も順調にリアの指示に従って探索を進めていく3人。

 下層の入り口から離れれば離れるほど、出会う冒険者の数は減り入手できるお宝が増えていく。


 透の収納量が多く通常ではそろそろ引き返す位のアイテムを入手していても、食料も尽きなければ予定日程にまだ余裕がある。

 その状況で地上に戻ろうか、と声を上げる者はいない。


「ここまでよ、私が案内できるのは」

「え?」


 3人の目の前には今までの洞窟のような景観にはそぐわない大きな扉が威圧感を放っている。

 残念そうに、けれど晴れやかにリアは2人へと告げた。


「私が……いえ、今までギルドに報告が上がっている最長地点がここまでという事なの。この先は未知の世界、私もどこに何があるかを把握していないから……死の危険が跳ね上がるわよ」


 リアの言葉を聞いて顔を見合わせる2人だが、その口元には笑みが浮かんでいる。

 未知を前に恐怖よりも好奇心が勝る、そんなワクワクとした顔をしている2人を見て、自然とリアの口角も上がっていく。


「2人がここで戻るって言うなら、そのつもりだったけど……そんな事は無さそうね」

「あったりまえなのだ!だって、とってもワクワクするのだ!」

「あぁ、こんなとこまで来て戻るなんてあり得ないだろ」


 3人は気合を入れ直して扉に向き直った。

 中の情報を少しでも入手しようと透が魔力絨毯を展開し、扉の隙間へと集中する。


「……ん?」

「どうしたの?」


 首を傾げる透に合わせて2人も首を傾げる。

 返事を返さないまま更に集中した様子で扉に向き合うが、その首は傾げられたままだ。


「無いんだ」

「ない?」


「どんな構造をしてんのか全くわかんねぇけど、そもそもこの扉隙間が無いんだ」


 まるで絵のようだ、と呟く透に対して2人は首を傾げたまま扉へと近付いた。


 リアが扉に触れた瞬間、ツキミの毛は逆立ち3人の脳内には警報が鳴り響く。

 本能に従い飛び退くと同時に、3人のいた場所に矢の雨が降った。


 まるで飛び退く場所がわかっていたかのように、3人に向かって雷撃が飛んで来る。

 間一髪の所でツキミの展開する多重結界が3人を覆った。


 ──バリンッ!バリンッ!


 結界が一瞬にして音を立てて割れていく。

 ツキミは慌てて更に魔力を込め、強力な結界を展開する。

 バチバチと音を立てながら雷撃は結界に当たり、ヒビを入れていく。


「このままじゃ、かなーりまずいのだ……」


 魔力を込め続けヒビを修復しながらツキミは呟く。

 その時リアが扉の上の方を指差しながら告げた。


「あそこッ!どうやらあの1点からしか雷撃は出てきてないみたい。どうにかしてあの場所を破壊できたら……」

「あれか、任せろ」


 いつの間にか透の手に握られていたルドニールが青い光を帯びて形状を変化させていく。


(本当はここでこのままサクッと打ち抜くか、スナイパーみたいなのが使えたら胸が熱くなるんだけどなぁ……)


 己の技術不足に嘆きつつも、ルドニールが姿を変えたのはロケットランチャー。

 リアが見たこともない武器に疑問を持ちながら驚愕した表情を浮かべ、ツキミは透がやる事を察したのか結界の端の方にロケットランチャーの銃口がはまる穴を開けた。


「おら!これでも食らっとけ!」


 銃口から放たれる巨大な魔力弾が、雷撃を放つ部分へと当たり爆発した。

 扉が崩壊する衝撃が3人を襲う。


 扉がガラガラと音を立てて崩壊した。

 舞い上がり視界を埋めていた土埃が収まった所に見えたのは、先ほどの扉の残骸と思われる瓦礫の山と何の変哲もない()だった。


「ん……?この扉自体が罠なのだ……?」

「絵……だったって、ことかしら?」


 がっくりと肩を落としながら、結界を解除し瓦礫へと近付く3人。


 リアはメモを取り出して、状況を細かく記入している。

 後日報告書としてギルドへと提出する為だ。


 こうして未踏の地に踏み入れた案内人は罠や宝箱の位置や地図を作製し、ギルドに登録している全案内人と共有をする。

 ギルドが情報を保管していない物を提供すると、その分多額の報酬が案内人へと支払われる。

 更に、ギルドが魔術契約を案内人と結び、緊急時の転移や仕事の斡旋等と引き換えに案内人の位置を大まかに把握する事が出来るため、わざわざ危険を冒してまで利益の独占を考える者は少ない。


「あれはなんなのだ?」


 ツキミが指さす方向には大人がかがんで通るのが精一杯な小さな扉がある。

 先ほどまでは大きな扉に目を引かれていて、少し離れた場所にひっそりと佇む小さな扉を見つける事はできなかった。


「こっちが本命っつーことかな、開けたら速攻目の前に結界を頼む」

「あいなのだ」


 ルドニールをいつでも発射できるように魔力を込めながら、扉を開けようと手を触れた瞬間辺りが眩しい程の光に包まれ、足元に魔術陣が浮かび上がる。

 状況を理解する暇を与えず襲い来る浮遊感。


 ドサッと叩きつけられるように地面に落とされ目を開けると、そこには360度犇めき合う様々な形容をしたモンスター達が3人を見つめている。


 ビシッと音を立てて3人を覆っていた結界にヒビが入る。


「やややややばいのだ!」


 ツキミが慌てて結界を強化していくが、全方向から3人を捕食しようと襲い来るモンスターを前にヒビが大きくなっていく。


「一か八か……死に物狂いで目の前の敵をぶっ倒すしかねえな……」


 透の呟きに合わせて背中合わせになり、それぞれの武器に魔力を満たしていく。


 透のルドニールがマシンガンモードへと姿を変え、準備はできているとばかりに銃の側面を走る青い魔力が光り輝く。

 バチバチといつも以上の音を立てて雷を身に纏っているツキミ。

 短剣を2本手に持ち身体強化をし、薄っすらと身体を緑色へと発光させるリア。


 それぞれが限界まで強化を行い、結界の外で血走った眼をしているモンスター達を睨みつけた。


 結界のヒビが更に大きくなり、遂に砕け散る。

 それを合図として、たった3人対無限とも思われるモンスター達の戦いが始まった。

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