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最強の武器はこの妄想力  作者: 緒嶋まゆ
第一章
15/87

王都は都会だなぁ

2020/1/30 改稿

※物語の流れに変更はありません。

「すげえ人だな」


 正門まで伸びる長蛇の列を見て、透が関心したように呟く。


「警備が厳重そうなのだ、流石王都なのだ」


 森の奥で暮らしていた田舎者のツキミも、初めて見る人の多さに感動しつつ頷く。


 列の最後尾に並ぶと、周囲の人がチラチラと3人を見つつ何やらヒソヒソと話しているのが聞こえる。

 冴えない風貌の透を除き、超絶美少女で可愛らしい猫耳がついている人間モードのツキミ、白黒で所々破れヒラヒラしている服を着て、その身長よりも大きい棺を担ぐオンハルトと目立つ人間が2人もいる。


 すると、ボーっと並ぶ3人の所へ下卑た笑いをしながら、大柄の男達5人がドカドカと近づいてきた。

 周囲は男達からサッと目を逸らし知らぬふりをする、先ほどまでヒソヒソと会話していた声も止まり関わらないようにしようという気持ちが伝わってくる。


「これはこれは上玉なネエチャンだな」

「こんな如何にも雑魚そうな奴らは放って置いて、俺達と楽しい事しようぜ」

「たっぷりと可愛がってやるよ」


 ゲヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ、と耳障りな笑い声を発しながらツキミへと近付く。

 大男な1人の腕がツキミへと触れた途端、ツキミは体中に雷を纏って、触れた場所から男へ莫大な雷撃を浴びさせた。


「気持ち悪いのだ、触んななのだ」


 雷撃で1人を気絶させると、こっそりと様子を伺っていた周囲が「おおっ」と若干どよめいた。

 ツキミはフンっと息を吐いて、触られた所の汚れを落とすような感じではたく。


「このクソアマ!ちょっと顔がいいからって調子乗ってんじゃねーぞ!」

「ここでヤっちまおーぜ!」


 テンプレとも言える展開となった事に、透はため息を吐きつつもガンブレイドを具現化する。

 あまり人とは戦いたくないな、と心の中ではぼやきながら。


「我を無視するとは愚の骨頂……。奏でよ、絶望の狂想曲第五番(ディスペアカプリツォ)、我の前で踊り狂い跪け」


 オンハルトがクルっとターンをし、マントを翻しながら両手を広げると、地面から人と同じ大きさの骸骨がワラワラと沸いて出てきた。

 骸骨は12体出現し、大男たち1人に対して3骸骨が群がっていく。

 大男達は剣を抜き必死に骸骨に斬りかかるが、短剣を持った骸骨に翻弄され体に傷が増えていく。


「案外お前ってすげーんな」

「フッ、何を今更。我は深淵の使者也、当然であろう」


 大男が舌打ちをしながら逃げていくと、周囲よりまばらに拍手が沸き上がった。

 その騒ぎを聞きつけた衛兵が門より数人小走りで集まってきて事情聴取をされるが、周囲の証言等もあり3人は拘束される事もなく穏便に済ます事ができた。


 どうやら先ほどの大男達は王都の周辺で悪さをする小悪党共であり、大男等の逃げ足が速い事から衛兵達も手を焼いていたそうだ。

 今回も被害は無かったとはいえ、取り逃してしまっている。


 その後小1時間程並んで王都に入ると「闇が呼んでいる……」と言い残し、オンハルトはそのまま姿を消した。

 王都の広さと建物の大きさに、2人は田舎者丸出しでキョロキョロと周囲を見上げながら歩いており、通行人から微笑ましい眼差しを注がれていた。


「とりあえず、ギルド本部があるらしいからそこへ行くか」

「うむなのだ」


 王都のギルド本部はサンロットと比べ、5倍程のとても大きな建物だった。

 4階建てとなり重厚感のある立派な門を多くの人々が行き来をしており、活気のあるロビーが広がっている。


 1階は総合受付窓口と、軽食が取り扱われている売店や、荷物等の預かり窓口等があり、2階が冒険者用の施設、3階が商人用の施設、4階がギルドマスターや事務職員等が働くスペースになっている。


 人の多さにや広さに圧倒されつつも、2人は2階の冒険者用の施設へと向かった。

 エルフや獣人族、巨人族やドワーフ等様々な人種が集まっており、ファンタジー色が強くなった人々をつい透は凝視してしまい、すれ違う人々に怪訝な顔をされては平謝りをして進む。


 2階に上がり依頼が受けれる掲示板を探しても見当たらず、受付で聞くと部屋の中央に沢山置いてあるガラス板のような物が魔道具となっており、最新依頼が一覧で表示されるそうだ。


 2人は王都の最新技術に感動しつつ、早速魔術掲示板で何か受けれる依頼があるかを確認しにいく。

 お馴染みの薬草収集の依頼があったので、王都に来る途中で採集しておいた分を出して依頼を完了させた。


「サンロットでの買取よりちょっと値段が高いのだ♪」


 透が他の依頼を見ている間に、薬草を渡しにいったツキミがホクホクした顔で受付から戻ってくる。

 報酬を2人で山分けし、簡単そうな依頼に目星をつけて1階へと戻った。


 1階の受付窓口でオススメの宿を教えてもらい、更には王都の簡易マップや近い日程のイベント等を教えてもらう。

 3日後に丁度毎月1回開催されている、ギルド主催の武闘会が開かれるとの事で、2人はその大会に参加申請する事にした。

 優勝するとギルド運営の宿が半額で、1週間利用できる特典がある。



 ギルド運営の宿は満室となっていた為、王都でも少し端にある冒険者向けのシャワーとベッドがあるだけのような、簡易的な宿を紹介してもらいそこに宿泊する事にした。

 宿に到着して空き部屋を確認すると、武闘会前はかなり混雑していて、1人部屋が1つしか空いていないそうで、諦めて引き返そうとした透をツキミが引き留める。


「部屋の中では猫モードでいるのだ、だから同じベッドでも構わないのだ」

「あー、ツキミがいいなら別に俺もいいけど」


 そのまま2人で同じ部屋を使う事にした。

 ツキミはニッコリと笑って、身体に雷を纏いながら物騒な事を透へと告げる。


「変なことしたら黒焦げにするのだ★」

「お、おう」


 宿を取り軽く食事をしてから、宿の裏にあった空き地にていつも通り素振りや軽い模擬戦等の訓練を行っていると、どこからともなく不気味な笑い声が聞こえてきて辺りを見渡す。

 宿の屋上に人影が見えたかと思うと、夕日を背負いマントをはためかせ2人のもとに飛び降りてきた。

 地面に着地する瞬間に何層にもなった骨が出現し衝撃を押さえている。


「あぁ、オンハルトか」


 姿を見せたのは王都に入った際に別れたオンハルトだった。

 どうやら同じ宿を取っており、屋上で夜を待ちながら黄昏ていた所に、透とツキミの声を聞きつけ現れたらしい。

 オンハルトは何をするわけでもなく2人を観察し、周辺をぐるりと回ってから路地へと消えていった。


「一体なんだったのだ……」

「わからん……」


 オンハルトの突然の出現に模擬戦の手を休めてしまったが、再び訓練を再開し夕日が沈んできた所で終了し部屋へと戻った。

 シャワーを交代で浴び、再度しっかりと食事を取って明日の予定を話し合う。


「王都が広いから色々と観光したいのだ」

「んー、そうだな。明日は一緒に観光でもするか」

「あ、透は別にいらないのだ」


 ツキミと一緒に行動するのが当たり前になっていた透にとって、さらりと同行を拒否された事に若干ショックを受けつつも、明日は別々に観光する事に決定した。

 そして明後日は目星を付けてある簡単な依頼をこなして、明後日の武闘会に向けて身体を調整する事とした。


 その後は野営ではできなかった魔力鍛錬を行い、魔力を使い果たし意識を手放し眠りへとつく。


 透の密かに練習している翼を出すプロジェクトは、想定の大きさの半分くらいが背中より具現化される所まで成長していた。

 ただ、それを実際動かして飛ぶとなると、莫大な魔力を消費する事を透はまだ理解していなかった。

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