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最強の武器はこの妄想力  作者: 緒嶋まゆ
第一章
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養成所編◆魔剣術

2021/1/14 改稿

※物語の流れに変更はありません。

 翌日から約1か月の間午前中は剣術と魔術の講義、午後は冒険者としての依頼消化、夕方以降は自主練という忙しい日々を送っていた事で二人は随分と成長した。

 透は結界魔術が実用レベルで行使できるようになり、ツキミはなんと短い時間ではあるが人間の姿になれるようになった。


 猫モードの美しい毛並みと同じ艶のある桜色の腰まである長いふんわりとした髪の毛、少し吊り上がってはいるがクリっとした大きな瞳、大きすぎる事も小さすぎる事もないツンと上を向いた美しい双丘、細いが筋肉はありメリハリのある胴体、スラっと伸びた長い手脚、そしてモフモフの猫耳と尻尾がついている。

 その容姿は誰が見ても納得する程の美少女だった。


 最初は人になる事に必死すぎて、猫モードだと服を着ていない事を忘れていた。

 その為人になった時も一糸纏わぬ姿となり、それを直視した透が鼻血を出し、ツキミが絶叫を上げながら雷撃を透へと浴びせ、透は焦げながら意識を失った。


 翌日、目を覚ました透がニヤニヤした表情でツキミを見つめるので、更に雷撃を浴びせもう一度深い眠りに強制的に誘われた。

 その後雷撃で穴が開いた宿や家具を魔術で修復し、宿の管理者へ謝罪をし日課へと移る。


 その夜も同じように人間になる鍛錬をするツキミだったが、同じ過ちは繰り返さないとフワっとしたワンピースも一緒に具現化し、着衣状態で人間モードへと変身を行った。

 その様子をこっそり見ていた透は、洋服を着ている事に残念そうな表情を浮かべつつも、可愛い人間モードのツキミに見惚れていた。


 ツキミが人間モードへとなれるようになってから、透はツキミへの恋心が芽生え始めていた。

 今まで恋愛事に無関心だった、年齢=彼女いない歴の童貞には、どうやらその胸のドキドキが恋だと気付くにはまだ暫く時間がかかりそうではあるが。


 ツキミも以前からラティと二人で話している透にモヤっとした気持ちを覚えていたり、一族内では疎ましがられるだけだったツキミを受け入れてくれた事に心を動かされてはいる。

 それでもいつか裏切られてしまう事を恐れ中々素直になれないツキミは、透への思いを心の奥底へと閉じ込めて接していたのだった。



 ◇◆◇



 いつものように鍛錬をする透を見ていたラティが一区切りついた所で静止をかけた。


「そろそろ基礎が身についてきたようだね。では剣術と魔術を併せて戦う魔剣術を教えていこうか」


 魔剣術とは、戦闘において補助系魔術を発動させながら剣術スキルを同時発動させたり、間合いが開いた際に簡単な魔術を飛ばし隙を作ったり、剣の先から魔術を飛ばす事によって間合いの伸ばしたり等、アイディア次第で戦い方の幅を広げれるようになる。


 透は右手にロングソード、左手にルドニールを具現化させて構える。

 ラティとの模擬戦を行いながら、戦いやすい方法を探していくために。

 手加減をしながら戦うラティへ一本入れるか、一瞬でも本気を出せる事ができれば次の段階へと進む事ができる。


 ラティが駆け出し間合いを詰めてくる間にルドニールで魔力弾を数発撃つが、それをラティは容易くステップでかわすと剣の間合いまで一気に加速する。

 見きりやすいように上段から振り下ろされた剣を避けず、ロングソードで受けると簡単に叩き落されてしまった。

 そのまま首筋に刃を当てられ一本を取られてしまう。


 同じようにラティが透へと駆け出し剣を振るう。

 それを今度はルドニールの弾倉部分でなんとか受けるが、その間に放たれた初級魔術により吹き飛ばされ、またしても簡単に一本取られてしまった。


 それからも透はラティの初撃を受け止めようと奮闘していたが、身体強化で部分的に硬化し受け止めつつ剣を振っても軽くかわされ、結界を張っても防戦一方となりボロボロとなっていた。


 その日の訓練は全敗で終了し、同じ内容が数日間続けられる事となった。




 毎日ボロボロになるまでラティにしごかれている透は、なんとか良い方法はないかと考えていた。

 今日の模擬戦を思い出すが、どうしてもそれぞれの武器を片手だけで持つ為、弾かれ易く武器を落としてしまう事が多々あった。

 それならば両手で持てる武器にすれば良いのではないか、と考える。


「そーいや、日本でゲームしてた時にあんなん使ってたっけ」


 思いついたら即行動。

 ルドニールを具現化して両手で持ち集中力を上げ、ルドニールへと青い光が集まり銃身の下から大剣の刃が具現化されていく。

 ずしんという重さが手の中へと現れ、落としそうになるのをぐっと堪えた。


 銃身の下から生えた刃は黒く光っており、その中央を透の青い魔力が流れて光のラインを描き上げている。

 透と同等程の高さと横幅に、銃口と並ぶ10cm程の厚みがある剣身が具現化された。

 具現化されたガンブレイドを確認し、満足そうにニヤつきながら頷く。


「よし、こいつはルドニール改としよう」


 この1か月の鍛錬で筋力も上がっていた透は、なんとかそのガンブレイドを扱う事ができた。

 素振りを行い重さを身体へと馴染ませていく。



 翌日の練習でルドニール改を具現化しラティと向き合った。

 するとラティはあんぐりと口を開け硬直してしまった。


「今度は……一体なんだね……」


 呆れたように聞くラティにニヤリとした笑みを返すと、さっさと模擬戦を始めようと催促をする。

 答えにはなっていないが、諦めたように乾いた笑いを残し仕方なく抜刀し構えを取った。

 その一瞬でラティの表情からは驚きの色も消えており、これから行われる戦いに一瞬で集中したようだった。



 ラティが様子を見つつ軽い初級魔法を打ち込む。

 それをすぐさま展開した結界により防いだ透は、お返しと言わんばかりに剣先をラティへと向け引き金を引いた。


 銃口から炎を纏った魔力弾がラティへと襲い掛かるが、ラティはそれを容易くかわし一気に距離を詰め、剣を横薙ぎに振り剣先から光の刃を飛ばすが、それも透の結界により無力化される。

 そのまま素早く透のサイドへと回り込み、脇腹目掛けて突きを放つラティの剣をルドニール改の剣身によって阻む。


 毎日毎日地面に転がされている事で、手加減をしたラティの攻撃はある程度捌けるようになってきていた、数回程度ではあるが。

 透の雄叫びが響き渡り、突きの衝撃を剣を斜めにして受け流しつつ下から上へと切り上げる。


 ラティはさっと後ろに引く事で回避をするが、それを読んでいた透は剣が水平になった瞬間、そのまま引き金を引いた。

 氷を纏った魔力弾が5発放たれラティへと襲い掛かる。

 ラティは剣で魔力弾を切ろうとするが、触れた場所から剣は氷漬けになっていき、うめき声を上げつつも後方へ退避した。


 氷を治癒魔術で回復させている間に、透は更に氷を纏った魔力弾を撃ち込み素早く逃げるラティを追撃し足止めをしていく。

 本人に当たらずともいつの間にか、周辺の地面には凍って滑る所が増えていた。


 ラティの数メートル手前で大きく飛び上がると同時にルドニール改を掲げ、そのまま体重と魔力を乗せつつ振り下ろす。

 ルドニール改はラティへと届く事はなかったが、地面に当たった瞬間地割れが3本起こりラティへと襲い掛かった。


 周辺は氷だらけで足場は悪く、更に地割れによって勝利を確信した透は、決定的な隙を晒してしまう。

 その隙を見逃すはずもなくラティは足場の悪さをものともせず、目の前から一瞬で消え透の真後ろへと現れ首筋に剣を突き立てた。


 透は潔くルドニール改を手放し両手を上げる。


「……ぐっ、降参だ」


 悔しそうに口元を歪めながらそう呟く透に、優しく微笑みながらラティは告げた。


「合格だ、長瀬君」


 間抜けな顔で後ろを振り返る透の頭をポンポンと叩き、最後の縮地には一瞬だけだが全力を出させられたと話した。

 ラティに微笑みを向けられ頭を撫でられている事に意識を取られぽーっとして頬を赤らめていたが、かけられた言葉を反復すると合格した実感が沸き出てきてガッツポーズをした。



「さて、明日からは校内ダンジョンへと潜ろうと思う。今までと違いモンスターが出てくるから怪我をする可能性もある、気をしっかりと引き締めておくように」

「はい!」

「はいなのだ!」


 練習を終え模擬戦の後半から見ていたツキミがトコトコとやってきた所で、ラティは明日の予定を話す。

 ラティの言葉にツキミと透は揃って元気に返事をすると、ルンルンしながら帰っていった。

やっとこさっとこツキミちゃんが人間になれました!!!

私も人間ツキミちゃんに会いたい……猫ツキミちゃんにも会いたい……


そしてこちらもやっと!透のメイン武器が実装されましたね( *´艸`)

次回からは養成所も終盤、戦闘が増えていく予定です!


誤字脱字報告ありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします!



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