プロローグ 人狼青年
ここは獣人が生きる世界、EDSEL。
この世界ではまぁそちらの世界と同じ様な文明であるが、平和ではない。自分の力で生き延びなければならない、そう、サバイバルだ。唯一の法は不殺だ。戦闘になった場合は相手を再起不能にすればいいだけ。殺してしまった場合、加害者は痛めつけられ処刑となる........
あれはいつだったろうね。あぁ思い出した。あれは2.30年前の暑い夏だったね。
そのころの俺らの組はEDOの中でも最強を誇っていたんだ、所属者は普通に400人を越えていた。しかも精鋭が揃っている。突撃されても秒で倒していたしね。俺らは向かうところ敵なしだった。
そんな時だったね。
“Killer WOLF”が俺らを攻めてきたのは。
「はぁはぁっ·····クソッ、もう弾もねぇ、いい加減追うのやめろっつーの。」
彼はウォーレス。人狼族の青年だ。そして今、敵に追われて街外れの廃工場まで追い詰められている。
彼の親は早くに他界し、彼は今まで逃げて生きてきた。唯一の武器は麻酔銃だったが、それも今は使えない。
「オラァ!早く出てこいやぁ!」
敵がウォーレスを煽った、敵は木刀を持っている。さてウォーレスはどう動く。
(ヤバイな、相手は熊族だ。力では勝てないけど.............仕方ない..........“バンザイアタック”するか!)
ウォーレスは覚悟を決めた。
バンザイアタックとは彼の唯一の得意技だ。一気に突撃して相手を攻撃するというハイリスクハイリターンな作戦だ。
「ウオォォォォォォォ!!!!!!」
ウォーレスは雄叫びを上げて突撃した。熊は余裕そうだ。
「来たか、そんな物で倒せるはずないだろうに!」
ウォーレスが意を決して突撃したその時!
「そぉいっ!」
フードを被った鹿獣人が突如現れ、熊を蹴り飛ばした。熊が吹き飛んだ。
「避けてぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
ウォーレスは勢い余って鹿獣人に体当たりした。だが鹿獣人は動かずウォーレスの体当たりは止められた。
「今までその力で生き残ってきたのか....不思議なこともあるもんだな。」
鹿獣人はウォーレスの力の無さに呆れている。
「すいません.....助けてもらっちゃって....」
「いやぁ?ただあまりにも一方的な戦いだったから乱入したんだが?」
「名前聞いてもいいですか?」
「名を聞くならまずは自分からだろ?」
「.....すいません、僕の名はウォーレスです。」
「それでいい。そう言われればこっちも教えないとな。俺の名はレイだ。」
「...んで、お前何処の者だ?」
「無所属です。親もすぐ逝ったので今まで一人で生きてきました。」
「そうか、それでこれから行くアテはあるのか?」
「・・・」
レイはウォーレスを哀れんだ。
そしてしばらくの沈黙の後、
「よし、ウォーレス。お前家に来い。」
「へっ!?」
ウォーレスにとっては思いもよらない誘いだった。彼にとっては初めての事で今彼は固まっている。
「拒否権はねぇっ!ホラ行くぞ!」
「え、ちょっ...あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ.......」
めんどくさくなったレイはウォーレスを家まで引きずっていったとさ。
作者の語彙力が無さすぎる