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第24話 公開授業 ― 子どもたちの質問

1 授業の理由


 この日、王都の学び舎に特別授業が開かれることになった。

 教壇に立つのは宰相ユリウス。横には王太子アウグスベルグ、騎士団長スラウザー、守護竜ゼノヴァン、さらに魔王までもが並んでいた。


 なぜ、これほどの顔ぶれがそろったのか。


 魔族の子どもたちが人間の子と共に暮らすようになったとはいえ、彼らはまだ「人間社会」というものをよく知らない。

 戸惑いもあれば、不安もある。


 だからこそ――幼いころから、国の姿と統治者の考えに直接触れる機会をつくった。

 「自分たちも、この国の大切な一員なのだ」と実感してもらうために。


 それが、王太子の提案で始まったこの特別授業の目的だった。


2 授業の始まり


「きょ、今日はすごい……」

 人間と魔族の子どもたちはドキドキしながら席に着いた。


「大丈夫だ。なんでも聞いていいぞ」

 王太子がにこにこと笑い、緊張をほぐす。



3 ハイデニアの大きさ


子ども:「ハイデニアって大きい国なの?」


ユリウス:「八百万の国民がいる。大国に比べれば小さいが、今どんどん大きくなっている」


王太子:「心は世界一大きい! だから実質世界一!」


子どもたち:「わーっ!」



4 国の数


子ども:「この世界にはいくつ国があるの?」


ユリウス:「ぜんぶで三十七国だ。大国と呼ばれる国は三千万以上の人口。さらに一億五千万の“超大国”もある」


子どもたち:「ひゃー! そんなに人がいるの!?」


魔王:「だが、大きければ良い国とは限らん」


シーンとなったあと、「なるほど……」と子どもたちが小さくうなずいた。



5 魔法


子ども:「魔法は使えるの? 火を出したい!」


ユリウス:「昔は人を攻撃する魔法もあったが、今はもう無い。残っているのは、体を強くしたり速くしたりする魔法だ」


スラウザー(拳に布を巻いて火をつける):「ほら、炎パンチ!」


子どもたち:「わはは! すごーい!」



6 スキル


子ども:「スキルのランクって何種類あるの?」


ユリウス:「六つ。上からきょくとくしゅうりょうなみれつ。高いほど力は大きいが、低くても頑張れば上がることもある」


王太子:「それに、一人よりみんなで力を合わせる方が強いぞ」


子どもたち:「はいっ!」



7 スラウザーの強さ


子ども:「騎士団長様は、なんでそんなに強いの?」


スラウザー:「理由? 優しいからだ!」


子どもたち:「あはは!」

 でも笑いながらも、誰も否定しなかった。



8 魔族の言葉


子ども:「魔族の人は、なんで同じ言葉を話せるの?」


ユリウス:「交易をしていたからだ。だから共通語も覚えた。ただ、魔族だけの言葉もある」


魔族の子がちょっと照れて言った。「ぼく、両方しゃべれるよ」

人間の子が「すごい!」と目を輝かせた。



9 宰相の顔


子ども:「宰相様は、なんで顔が怖いの?」


ユリウス:「……」


大笑いが起こる。

王太子:「心は世界一優しい顔だぞ」

子ども:「うん!」


ユリウスは咳払いして赤くなった。



10 守護竜


子ども:「守護竜様は他の竜より強いの?」


ゼノヴァン:「最強だ」


シーン……

「すげぇぇぇーー!!」



11 魔物の強さ


子ども:「魔物の強さは、どんな順番があるの?」


ユリウス:「六つに分けられる。下から、下級、上級、王級、伝説級、英雄級、厄災級だ。厄災級は国をひとつ滅ぼす」


スラウザー:「俺なら伝説級までは無傷で倒せるぞ」


子どもたち:「うおおおーーー!!」

 魔族の子たちも目を丸くして「人間でそこまで……」とつぶやいた。



12 勇者


子ども:「勇者様ってなにをする人なの?」


王太子:「神に選ばれた人だ。唯一“攻撃の魔法”を使える」


ユリウス:「厄災級の魔物を相手にできるのは勇者だけだ。今、この世界には超大国にひとりしかいない」


子ども:「ひとり!? 会いたい!!」

王太子:「そのうち会えるかもな」



13 王太子


子ども:「王太子様は、なんで何でもできるの?」


王太子:「俺ができるんじゃない。君たちが信じてくれるからだ」


 その瞬間、窓から柔らかな風が吹き込み、光が差し込んだ。

 子どもたちが「わぁ……」と息をのんで、やがて大きな拍手を送った。



14 授業の終わり


「今日の授業はここまでだ」

 ユリウスが言うと、子どもたちが「楽しかった!」「またやって!」と叫んだ。


 人間と魔族が同じ声で笑い合う。

 その姿を見て、王太子は心の中でつぶやいた。


(よし、また一歩進めたな)


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