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第四話 「見栄を張って特訓したせいでスカートが壊れた」

ここから単独インタビュー編スタート。

段々苦しくなってくる自分に気付いたww

第四話 「見栄を張って特訓したせいでスカートが壊れた」


―――どうもこんにちは、今日はウルルンさんへの単独インタビューになります。早速ですがインタビューを始めさせていただきたいと思います。


「如何様にもかかってきやがれ(インタビュアーを箸で指さしながら)」


―――今日はゆっくり話せそうですね。


「おい、キモイからあんま近づくなよ、奥さん泣かすぞ」


―――ちょっ、今はインタビュー中です、個人的な発言はお控えください。


「いや、この際だから言っとく、お前のリア充臭さはたまに気に障る。あたしの知ってるとこによると結構美人な奥さんといるそうじゃないか、ええぇ?! 子どもはいつ作るんじゃ!!? 毎晩励んどんか!! 今すぐ答えろや!!!」


―――家内のことはご勘弁願います・・・・・・。


「うぅ・・・、すまん、まだ昨日の酒が抜けてないんだ。お酒は弱くてな・・・、二日酔い気味なんだ、当たって悪かったな」


―――そうなんですか、今日の仕事は大丈夫ですか?


「なんとかなる、なるようになる。あたしのテンションなんていつもあんまり変わらないだろう? だからどんな仕事だって自分らしくやる。といっても今日はメイクさんが衣装合わせやってくれるから立ってるだけだけどな」


―――このお仕事を始めたきっかけは?


「今更な質問だな、昼間に繁華街を歩いてたときに話しかけられたんだよ。もの凄い辛気くさそうなスーツ姿のオッサンにな、あたしはちょぉーと焦ったね、手元を確認して怪しいもんでも持ってないか確認して、そんな派手な格好してるわけでもねぇのになんで話しかけられんだって思いながらな。

 結構金持ってそうだが下手なナンパに違いねぇと思ってあたしは通り過ぎようとしたんだよ、でもそいつの言い放った一言にあたしの神経も身体ごと共鳴して持っていかれたよ。


「――――君の一番大事なものを貰いに来た」


 何の悪びれもなくそいつはそう言った、あたしは度肝を抜かされたよ。


―――すみません、その時点で寒気がしました。


「そいつの度胸とか心境とかは置いといて、あたしはもうそいつとは関わるべきじゃないと思ったね。でもあたしが「マジメに会社で仕事でもしてろ」って言ったらそいつは「これが俺の仕事だ」って逆ギレしやがったんだ。まぁそういうわけであたしはスカウトを受けることにしたわけだ。


―――話しが長い割には全然説明になってませんね。それよりよく決断しましたね。習い事も含め芸能界は大変ではないですか?


「あたしはな、自慢じゃないが努力をしたことがないんだ」


―――本当に自慢になりませんね。


「おいおっさん、少しはフォローしろっ! 本当は影でいろいろ努力してんだ、デート前は飯を抜いたり、UFOキャッチャーはわざと頑張っても全然取れないフリしたり、カラオケでわざと歌えないフリしてデュエットに持ち込んだり、いろいろ苦労してんだぞ!」


―――はい、全部プライベートなことですね。


「おい事務所的にプライベートなことはNGだ、少々喋りすぎたな。ちょっとニコチン足りないからイライラしちまったよ、すまんすまん・・・。

 それでだな、あたしは過酷な仕事を乗り切るために特訓をしたわけだ。担当マネージャーから「とても足腰使う仕事ですが大丈夫ですか?」ってな」


―――正直それ以上先は聞きたくないですね。


「おい勝手に妄想すんなおっさん、これインタビューだぞ、そんな下ばっか言えるかよ! それでな特訓のために皇居をひたすらに走り込もうと思索したわけだ。それでジャージ姿だと恥ずかしいもんだから普段着で出掛けたんだよ。走り込みを始めて10分だ、スカートのホックが外れて立ち上がれなくなったんだよ!! どれほどの屈辱かあんたに分かるか!! なんであたしはスカートなんて履いていったんだよ!! 足が綺麗に見えていいかなってちょっと思ったんだよ!! なんか悪いかよ!! 

 それで・・・、後は皇居の警備員の人に座り込んでるところを話しかけられて、タクシーを呼んでもらったんだよ・・・。あたしが努力をしようだなんて無駄なことだったんだよ・・・、分かったかこの野郎!!!」


―――はい、ご理解いたしました。それでは血圧も上がってきたところで本日のインタビューは終了とさせていただきます、ありがとうございました。



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