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最終話 「サイハテの異分子」

最終話 「サイハテの異分子」


―――おつかれさまです! というわけでライブが終わったばかりのお二人に来ていただきました。


「打ちあげ会場にやけどな」

「最後までまともなインタビューしねぇなあたしらは」


―――就職決定、衝撃の引退発表、ドラマ出演決定、面倒なのでまとめてここで祝いたいと思います、おめでとうございます。


「めでたいなぁ~」

「あたしは正直疲れて早く寝たいんだが・・・」

「それはイカンな、ちゃんとウルルンは会場におるスタッフに媚び売って帰らないかんで」

「酒注ぎ係りか? あたし向いてない気がすんぞ」

「いやぁ、そんなことはないやろ、魔性の気が呼んどるはずやで、“このやろう、これ飲まなビンごと突っ込むぞ!”とか“ここで飲めないようなやつは減給やぞ”とか言ってあげたほうが相手も喜んでくれはるんとちゃうかな」

「完全におっさんの絡み方だな」


―――しかし、今回の発表は危うく経歴詐称で訴えられるレベルですね。


「言うなよっ!」

「涙で訴えなかっただけ健全やと思いいや」


―――まさか、エリさんが大学生だとは・・・。


「そんなに驚くことかいな・・・」

「ネタばらすとあたしは専門だから卒業早かったんだよ」

「そういえば丁度一年くらい前に悩んどるウルルンがおったなぁ懐かしい・・・」

「元々そこまで詰めたスケジュールでもなかったんだがな」

「うちが単位取って暇になるくらいから忙しくなってきよったからな、気付かれんでも仕方ないんかもな」


―――何はともあれ、ライブは無事終わってよかったですね。


「あのタイミングで訴えるしか手段はなかったと言えるな」

「ホンマ、打ち合わせ通りやな」

「泣かせちまえばこっちのもんよ」

「それちょっと殺し文句やなっ」

「使いどころがないがな」


―――でもハタ迷惑な二人が離れるというのは、なんとも清々しいですな。


「そうはいってもウルルンはやらんけどな」

「誰のものでもねぇよ!」


―――まぁまぁ、それは今日の夜にでもゆっくりと話しましょう。


「田村許すまじ」

「なんで本気になってんだよっ」

「これは貞操の危機やで・・・、うちはこの身を呈してでもウルルンを守ってやらないと」

「話しがずれすぎにも程があるだろが・・・第一あたしはな・・・っ」

「おっとっっ・・・、それ以上はアカン、言うたらアカンでウルルン、夢を壊してしもうたら何も面白みなくなってしまうやないか」

「人の状況見て楽しむな!」

「まぁ心配はしとらんのやけどな、ウルルンなら一人でもやっていけるやろうし、うちは社会の中に埋もれて仕事に従属することになるから、好きなように頑張ってくれたらいいんや」


―――今日で解散は誠に残念ですが、エリさんは就職して別の場所に行くわけですね、頑張ってください。


「うむ、程々に死力を尽くそう」

「あたしはやれるとこまではこのままやるけどな」


―――というわけで、これにて長く続いたインタビューも終わりです、お疲れさまでした。


「達者でやりや」

「また代わり映えのない毎日が始まるわけだ」

「慣れてしまえば吉日やで、平穏が一番や」

「次の事務所では安定収入を望むしかねぇ」

「その前にいい人見つけて転がり込むんや!」

「監視された夫婦生活なんて嫌だっての、芸能界は甘くねぇっての」

「そんなことより、DVDの配送頼みます。

もう最後の挨拶や、うちからは言うことはないけどやな、まぁウルルンの事応援してあげてください、うちはドラマは見させてもらうさかいな」

「見なくていいっての!」

「そんな見るに決まってるやん! 録画して見させてもらいます。みんなも忘れんとニヤニヤしながら見るんやで、ほな、うちから挨拶は終わりや」

「あたしは・・・、見守る気持ちで変わらずやっていく、また見てくれ、それじゃあ、ここまで見てくれてありがとうな!! 長生きしろよ!!」



これにて30日30話終了です。お疲れさまでした。

キャラクターがわかってくれば、書くのも読むのもわかりやすい感じになったのではないでしょう。気付けば二人のやり取りも自然な感じになりましたね。


二人は二人なりこれからも頑張っていくでしょうから名残惜しいところもありますが後の話は皆さんにお任せします。ここまで見ていただきありがとうございました。

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