第二一話 「ガールズ ライフ シンドローム(前)」
ライブの名前もアルバムのタイトルということで、合わせてきました。何かゴロがよくてカッコイイですよねw
第21話 「ガールズ ライフ シンドローム(前)」
―――只今、ライブ前の控え室です。リハーサルが終了したということなのでお二人に来ていただいています。
「いい感じに盛り上がってきよったね」
「ロックに飛ばせないのが残念だぜ」
「ウルルンはツンツンな髪の時点でもう十分やと思うねんけど」
「何言ってやがんだ、物足りねぇよ! あたしがエレキギター弾けたらもうギンギンにかき鳴らしてるところだってんだよ」
「う~ん、それも似合いようやね、今回のライブやなかったらちょっと見てみたいかもって思っておもうたわ」
―――今回はミニライブということですけど、500人分のチケットは完売ということでこれはもう後には引けませんね。
「うちらの何がおもろいんかわからんのやけどね、でも精一杯今日一日楽しむで!」
「この会場のどこに500人も入るのかわかんねぇけど、期待せずにはいられねぇな」
「ホンマやね・・・、天井低いし500人も入るイメージあらへんわ、反響とか大丈夫なんやろか・・・」
「まぁ壊してもあたしらのせいじゃねぇし大丈夫だろっ」
「どう考えてもうちらのせいです!」
―――衣装もかなり凝ってますし、ファンとしても嬉しいんじゃないでしょうか
「一時期ファンとかマジでいんのかよって不安になったな」
「そうやね、“サインお願いします”って頼まれた時に始めて実感したようなもんやもんな」
「あたしは何もしてねぇのに写真撮られた時に実感したな、怒っていいのか笑えばいいのかポーズ取ればいいのか反応に困ったっての」
「そこでポーズ取っとったら英雄になれるやん」
「誰が取るか!!」
「今回は生着替えもあるんやね」
「個人曲のところからだな、1分以内に着替えないと間に合わねぇらしいな」
「焦って衣装破かんようにせんとね」
「汗で化粧が落ちるんじゃねぇかってことの方が心配だっての」
「それは言えとる・・・」
「とりあえず前半はこの制服みたいな衣装をお互い着て、個人入ってから別々の衣装になるわけだ」
「そやね、後の衣装も可愛いからごうご期待やね」
「あたしはヘッドホンマイクを外せるだけで嬉しいけどな」
「ウルルンあかんで、リハの時みたいにスタンドマイクで遊んだらっ」
―――そういえばウルルンさん、スタンドマイク回して遊んでましたね(笑
「あれやっとったらその内マイク切れて大変なことなるで」
「マイクアクションぐらいライブなら普通じゃねぇのかよっ」
「程々にってことや、うちは後半フリフリの衣装なんやで、あんなん始めて着るわ」
「いいじゃねぇか夢が叶って」
「夢って子どもの時の夢やで、うちはそんなもう可愛くもなくなってしもうたから逆に恥ずかしいわ」
「観客が満足すりゃそれでいいんだよ、いちいち気にすんな」
「そやけどねぇ、パン粉とか投げつけられんやろか・・・」
「投げつけられて一番怖いのはガソリンだけどな」
「そら死亡フラグやわ・・・」
―――おおっっと、そろそろ出番のようですよ、スタンバイお願いします。
「おおおおっっっっと、異常に緊張してきたな」
「うちはもうガクブルやで、熱帯高気圧が来てる予感がビンビンしよるわ」
「どんな表現だよっ」