第十話 「事件はCERO審査で起こってるんじゃない! SONY審査で起きてるんだ!」
節目?の十話、残り約20話20日、少しずつ話の展開も変わってきますよ。
第10話 「事件はCERO審査で起こってるんじゃない! SONY審査で起きてるんだ!」
“半年後”
―――大変遅れまして・・・、ついにデビューシングル発売となりました。長い道のりでした、おめでとうございます。
「うちらは半年間そっちにはほとんどノータッチやけどな」
「今日のインタビューどこまで答えていいのかハラハラすんじゃねぇか、ためんねぇな、クソがーーーー!!!!」
「ウルルン発狂するん早っ!! 確かに待たされた身からすれば怒りたくなるのも正直なところやね、うちとしては一安心やけどね」
―――危険な発言があれば後からカットが入ると思いますので、今日は存分に語っていただければと思います。
「今日は空気読むじゃねぇか・・・それじゃあ言いたいこと言わせていただこうか」
「ネットでも噂されとったし、勘のいい人はもうわかっとるんやと思うけど、延期理由はタイアップのゲームが発売延期してたからですね」
「そうだよ、マジで信じられねぇっていうか憤りを覚えるってんだ、ゲームの発売が延期したせいでこっちまで被害被ってるんだぞ、何が同時発売だ、何がネタバレの危険性があるためだ、ゲームの内容もロクに知らされてないこっちとしては知ったこっちゃねぇよ」
「ウルルンやっぱり配布された資料読んでないんや・・・」
「読んだけどな、全然内容わからなかったんだよ!! なんか悪いか!! あんな難解な話しにするんが悪いんじゃ!!」
「これは擁護できんがな・・・、それじゃあウルルンなんで延期したんかも頭入ってないんちゃうん?」
「あんな説明解るか!! 審査がどうこう言ってたけどさっぱりやぞ」
「それは納得できなくて当然やね・・・。付いていけてへんのやから。
分かるように言うとやね、CEROの審査ではDで17歳以上対象やったんやけど、いわゆるハード側のSONY審査でOKが出なかったんやね」
「すまん、あたしにはさっぱりだ」
「ええよええよ・・・・・・、ウルルンは綺麗やから分からんくても大丈夫やで。うちが説明しといたる。SONY審査言うと最近では別の事情も言われとるけどな、SONYのハードで出す場合は援助金が少ないからソフト出しづらいって、それでXboxで出した後にリメイクがPSでっていうパターンもあるわけや。見た目通らんだなんて誰も思わんような作品やのにな」
「それって何か聞いたな。お風呂シーンの湯気の量が多いとかなんとか」
「SONYはエロには厳しいんや! うちらはそんなゲームの主題歌歌っとるわけやけどな」
「それを言うな・・・、仕事を選べないことが悲しくなる」
「でも手を抜いてるわけやないんよ、B面と同じくらい力入れとるんやから」
「初シングルで手抜いてるも抜いてないもないだろっ」
―――そんな裏事情があったんですね、でも無事通ってよかったですね。
「通らんかったらうちらの頑張りは全部無駄になってまうからな」
「あたしらボイトレまでやらされたんだからな、あんだけ頑張って発売されなかったらさすがにあたしも切れるぞ」
「でもこれで無事ウルルンのセクシーな裸が全国に披露されたわけやから、淫乱なウルルンも満足やね」
「だれが淫乱だと・・・?! 裸じゃねぇよ!! ちょっと肩出てるだけやろが!!」
「でもあんなベッドシーン見たら誰だって中は裸やと思うで」
「もう蒸し返すなーーーー!!! 恥ずかしいからジャケット見ないようにしてるんやろが!!」
「うちはジャケット通り御馳走様しとるから言いたい放題やで」
「おい、もう我慢の限界だ・・・、今度は絶対エリが裸でジャケット絵決定だからな!!」
「うちの地味な身体見て誰が喜ぶんや・・・、そんなん誰も考えへんよ、言うだけ無駄やで」
「その内そんな余裕言えなくなるようにしてやるよ! 覚悟してやがれ!!」
「申し訳ありません。ウルルンはうちに欲情しとります、それではこの辺で失礼させてもらいます」
「こら!! 勝手に逃げんな!!」
―――えぇ・・・、エリさんが退場されたので本日のインタビューは終了とさせていただきます、ありがとうございました。