夢は錆びて苦い日々が続く
『今から出てこれる?』
僕のスマホが千束のメッセージを受信したのは、たぶん半年ぶりだ。大学を卒業してからは、まったく連絡がなかったので、てっきり縁を切られたのだと思っていたが、そういわけではなかったらしい。
半年ぶりに彼女が僕に連絡をよこした意味を考えていたら、さらにメッセージを受信した。
『無理ならいいけど』
今日は日曜日。
時間は夜の十時を回ろうとしている。僕は文章を打ち込む。
『無理じゃない。どこにいるの?』
メッセージはすぐに既読の表示が付き、返信があった。駅名と東口と書かれている。そこは僕の住む駅。つまり、彼女は歩いて十分以内のところにいるらしい。
外に出ると、雪が降っていた。こんな寒い日の夜に、彼女は出てきたのか。だとしたら、待たせるわけにはいかない。僕は速足で駅前に向かった。
「取り敢えず、安い居酒屋がいい。でも、人が少ない静かな場所」
顔を合わせるなり、千束はそんなことを言う。
「静かとは言えないけど、半個室の場所なら……。でも、時間は大丈夫なの? 今から飲んだら終電も過ぎちゃうよ?」
「一時間あれば十分だから」
そう言って千束が歩き出す。
「そっちじゃない。こっち」
僕たちはどこにでもある赤い看板の居酒屋に入って、飲み物と適当につまめるものを注文する。それらがテーブルに並ぶまでの時間、千束は居心地が悪そうにおしぼりを畳んでは広げて、畳みなおすという無駄な動作を繰り返していた。
「最近、何しているの?」
おしぼりを畳むことに飽きたのか、ありきたりな質問を投げかけてきた。
「別に普通だよ。仕事して、休みの日は寝るか本を読む。でも、最近は映画かアニメを見るかな。その方が楽だから」
「……もう本読まないの?」
「うん。電車移動のときくらいかな」
そこで飲み物がテーブルに運ばれ、話しは遮られた。何に対して、というわけでもなく、僕たちは乾杯する。僕はウーロン茶。千束はビールだ。それらを一口入れると、千束は黙り込んだ。
「何か話したいことがあるんじゃないの?」
話を促しても、千束はビールの泡がついたコップのふちを眺めるだけで、こちらを見ようとはしない。
「私は話したいことなんてない」
千束は言う。
「私は小説家だから。語りたいことは物語として書く。自分の不満や不安をアルコールの力に頼って口からぶちまけるようなことはしないの」
千束は自称小説家だ。
大学のころから自作の小説を書き続けているが、何かの公募に出したり、ネットに投稿したり、具体的な活動に取り組んでいる様子はない。
ただ、僕だけに書いた小説を読ませてくれる、そんな小説家だったのだ。ただ、それも半年前のことだから、今はどうか知らないのだけれど。
「……じゃあ、何しにきたの?」
僕が聞くと、千束はやっと僕の方を見た。
「怒っているの?」
「怒ってないよ。怒っていたら、日曜のこんな時間に呼び出されても、のこのこ出てきたりしない」
「怒ってないのだとしたら、意地悪になったんだね」
「そうかもしれない。最近は大人たちに囲まれて、汚れる自分の心を実感しているよ」
「……」
千束が黙り込む。気分を害してしまったらしい。僕は溜め息を吐いた。
彼女が正しい。ここで僕が皮肉を並べたところで、彼女に何のメリットもないのだから。
「悪かった。白状するよ」
僕は両手を軽く上げ、降参のポーズを取ってから膝を叩いた。
「半年も君から連絡がなかった。だから、拗ねていたんだ。少しくらい意地悪を言わせてくれ」
正直なところを言うと、彼女はやっと微笑みを浮かべた。本当に一瞬だけの、薄っすらとした微笑みでしかなかったけれど。
「ごめん。色々と忙しくて、連絡できなかった」
「分かっているよ」
僕は理解を示すようなことを口にしたが、本当は何もわかっていない。だって、彼女が本当に忙しいとは思えいないから。
千束は大学四年になっても就活に取り組む様子はなかったし、昔から時間を持て余す生き方を好むタイプだから。
つまり、単純に、連絡するつもりがなかっただけなのだ。
「僕が正直に話したんだから、今度は君が正直に話すべきじゃないか」
そう言うと、千束は再び口を一文字に結んでしまう。仕方ない、僕が言ってやるか。
「書けなくなって、不安になったんだろ」
「……うん」
千束は素直に頷いた。
「分かった、付き合うよ。君の不安が消えるまでさ」
それから、僕たちは語り合った。最初は僕ばかり喋っていたが、三十分もしないうちにそれは逆転し、千束ばかりが喋る形になる。
「ねぇ、分かるでしょ? 小説だけが流行りものに流されず、良いものだけが語られ続けるの。映画もアニメも好きな人は増えたけど、結局は誰もが流行りに振り回されている。面白いから語られるんじゃなくて、流行っているものが語られるだけ! 面白いかどうか、それは関係なくて、流行っているかどうかだけなの! それなのに、流行りものを見てなかったら、本当に好きなの?って顔でじっと見つめられるわけ。違うでしょ? 本当に面白いものを知っているのは私たちの方なのに、どうしてそんな目で見られなきゃいけないの?」
相当のフラストレーションがたまっているらしい。僕は映画もアニメも好きだから、中立的な立場を取りたかったのだけれど、彼女はそれを許してくれなかった。
「あんたもそっち側か。昔みたいに、世間に興味はないって顔してみてよ!」
「いやいや、僕は別に流行りものばかり見ているわけじゃないよ。映画もアニメも、古いものを見たりするから」
「じゃあ、私の気持ちがわかるでしょ? 俗人たちのあの目、耐えられる?」
「俗人って。少しは言葉を選ばないと」
「私は誰一人として許さない! もっと面白いものがあるって、分からせてやらないと!」
そんな会話を続けながら、気付けば時間は一時を過ぎている。大量にアルコールを摂取しているはずなのに、千束の顔色は変わっていなかったが、かなり酔いが回っているのは確かだった。
「もう飲めないかも」
千束が口を手で抑えたので、僕たちは居酒屋を出た。駅に向かうが、終電はとっくに過ぎている。彼女の家は、今も変わっていないとしたら、歩いて帰れるような場所ではない。
「どうするの?」
僕が聞くと彼女は両肩を持ち上げた。
「漫喫で過ごす」
「じゃあ、あっちかな」
僕たちは雪の中、漫喫へ向かう。時間も時間だから街中を歩く連中は、訳アリだろう男女ばかりで、僕たちもそんな風に見えるのだろうか、と少しだけ考えた。
漫喫が入る古いビルの前まで千束を送る。なんだかんだ、時間は二時に近かった。千束はビルを見上げ、数秒の間、そのままだったが、僕の方に振り向いた。
「ねぇ、他にないの? これ、たぶん汚い漫喫でしょ?」
「ないよ。この辺に漫喫があるだけでも奇跡なんだから」
千束はお化けでも出そうな古いエレベーターに目をやったが、再び僕の方を見た。
「ねぇ、漫喫はやだ」
「やだって言われても、ホテルに泊まる金はあるの?」
「ない」
しばらくは、雪が降る「しんしん」という音が、僕たちの間に舞った。だが、千束が僕に一歩だけ寄ると、こんなことを言うのだった。
「泊めてよ」
「……僕の部屋に?」
千束は頷く。
千束に出会ったのは大学に入学したばかりのころ。僕は友達すらできず、ただ本ばかり読んでいるようなやつで、友達を作る努力すらしなかった。
「何読んでいるの?」
そんなとき、声をかけてくれたのが千束だった。それから僕たちは顔を合わせると、何時間だって話せるような仲になった。
正直に言って、僕は彼女が好きだった。初恋だった。だけど、彼女は気まぐれで、というより、よく理解できない精神の持ち主だった。
ときどき、彼女の好意らしいものを感じることはあったけど、それをつかめるような気がして、手を伸ばしても、まったく触れられない。そんな幽霊みたいな存在で、僕の大学生活は彼女と言う幽霊に呪われる日々だったのだ。
「やめておく」
僕は言った。
「カレシのいる女を泊めて、トラブルに巻き込まれたくないから」
千束が付き合っている男は、僕も顔見知りだ。そいつがどんな男なのか知っている。だから、僕は彼女を泊める気にはなれなかった。
「……何それ」
彼女は不満げだったが、大人しく古いビルの中に入って、一晩過ごしたようだった。朝になって、彼女に「昨日は大丈夫だったか」とメッセージを送ったが、返信はなかった。それどころか、一週間経っても、一ヶ月経っても、半年たったとしても、彼女から連絡はなかった。
雪の日、千束と会ってから一年後。僕にもカノジョができた。良い子だった。僕の話をよく聞いてくれるし、理解してくれるような、良い子だ。だけど、彼女はときどきこんなことを言うのだった。
「私と別れたいと思ったら早めに言ってね」
「なぜそんなことを言うんだよ」
僕は不機嫌そうな声を作って言うと、彼女はただ微笑むだけ。
「たぶん、私は貴方のことをいつになっても忘れられない。それを想像すると、貴方を苦しませたくないって思ってしまうから」
「意味が分からない。もう二度とそんなことは言わないでくれ」
カノジョと交際を始めて、数年が経った。何度か険悪な日はあったけど、僕たちの関係は良好で、結婚という言葉も、何となく僕の頭の中に浮かび始めるのだった。だけど……。
『今から出てこれる?』
千束からメッセージが入った。
あの雪の日は何年前のことだろうか。正確な年月が出てこないくらい、久しぶりのことだ。時刻は十時を回ったところ。何年たっても、彼女は変わっていないらしい。
『無理ならいいけど』
すぐに続けてメッセージが入り、僕は少し慌てて返信した。
『無理じゃない。どこにいるの?』
千束のメッセージには、僕が学生時代と卒業してから数年間住んでいた駅名が。僕は苦笑いしつつ、もうそこには住んでいないと返信した。
『引っ越したよ。今はもっと都心に近い場所に住んでいる』
『どこ? すぐ行くから』
数十分後、千束は僕が住む駅の前に立っていた。僕は思わず苦笑いを浮かべる。カノジョが連絡なしに僕の部屋に向かっていたらどうしよう、と。
「取り敢えず、安い居酒屋がいい。でも、人が少ない静かな場所」
千束は言う。最後に会った、雪の日のように。
「落ち着いた場所にしよう。高い酒をやたらと飲むことはないって約束してくれるなら奢るからさ」
「……任せるよ」
静かなお店に入って、飲み物とつまめるものを注文した。
「なんか、変わったね」
乾杯すると彼女はそんなことを言う。
「僕みたいな人間だって少しは成長する。最後に会ってから、それくらいの時間は経ったと思う」
「そうかもね」
千束はやはり自分から喋ろうとはしなかった。僕も「また書けなくなったのか?」と、無遠慮に言うこともない。それが言えないくらい、僕たちの関係には時間という障害が生まれてしまったのだ。
「最近は映画もアニメも見なくなった。何を見れば良いのか、自分でも分からないんだ」
だから、僕は最近自分が感じたことなんかを口にしてみる。きっと、これを呼び水にして、彼女の感情を吐き出されるのでは、と思ったのだが、千束は小さく頷くだけだった。
「時代が変わったんだと思う。私たちが価値を感じていたものは、もう古くなってしまって、誰からも評価されることはないみたいだから」
「そこまで歳は取ってないだろう。僕たちが若くなかったら、もっと上の世代はどうなんだ」
「でも、すぐにそうなる。求められるものにお金は使われて、その分だけ成長するんでしょ? 誰からも見られなければ評価されないし、お金だって払ってもらえない。そしたら、後は消えるだけ。私たちもすぐに老人だよ」
「だけど、お金だけがすべてじゃない」
「お金がすべてだよ。お金を生み出さなければ、価値がない。価値ってそいうことでしょ?」
攻撃的だった千束の意識は落ち着きというものを知り始めていた。いや、卑屈さを知った、と言う方が正しいだろうか。
「そんな私に価値なんてない。このまま生きて、どうしろって言うの」
「……酒、弱くなったんじゃないか?」
「それほど、飲んでない。単純に、私という人間が弱くなった」
それから二時間が経つ。たぶん、急げば終電だって間に合っただろう。
「時間は大丈夫なの?」
僕が聞くと、彼女は溜め息を吐く。
「つまらないこと、聞いてほしくない。お金と時間、それから健康の話が大っ嫌い」
「分からなくはないけれど」
しかし、店も閉まる時間だったので、僕たちは外に出た。
「大人になったんだね」
唐突にそんなことを言う千束の目線は、すぐ近くで点滅する信号機を見ていた。青が点滅して、黄色に。そして赤に変わった。
「結婚でもするの?」
千束の質問に、僕は今度こそ返答に窮する。でも、それは正直に答えているのと変わらなかった。
「ねぇ、今夜は泊めてよ」
「……僕の部屋に?」
「当たり前じゃん。一回くらい、しておいた方が良いでしょ」
かっこ悪いことだけど、僕はこのとき、人生で一番悩んだ。どこの大学に入るか、就職はどうするか、今まで人生の分岐点らしいところに何度か立ったことはあったけど、そんなことよりも、一番思い悩んだのは、この瞬間だっただろう。何年経っても、それは変わらない気がする。
「やめておく」
しかし、僕の決断はこれだった。
「タクシー代くらい払うから、帰った方がいい」
「……そう」
千束がタクシーに乗り込んで、テールランプが見えなくなるまで、僕は突っ立っていた。たぶん、これで間違いない。僕は何度も自分に言い聞かせた。
また数年が経って、僕はカノジョと結婚した。最初の一年は穏やかな時間が続いたけれど、カノジョはすっかり変わってしまった。僕の話は聞かずに自分のことばかり話すし、僕の意見は理解しようとしないが自分のことは理解されなかったら怒りを露わにするような人間に、スッカリと変わってしまったのだ。
カノジョ……いや、妻の怒りをぶつけられる度、僕は思った。あのとき、千束を泊めるべきだった、と。でも、それは過ぎ去ってしまったことだ。後悔しても遅い。千束はただの想い出なのだから。
『今から出てこれる?』
それは運命みたいだった。
妻と喧嘩して、僕が夜の街をふらふら歩いていると、千束からメッセージが入ったのだ。
『無理ならいいけど』
とメッセージが続く前に、僕は返信する。今の居場所を伝えると、背後から僕の名を呼ぶ声があった。振り向くと、そこには千束が。
「運命みたいだね」
と千束は笑った。
それから、また店に入って飲み物とつまめるものを注文する。
「もう書けないかもしれない」
千束は言った。
「私には才能はない。きっと、本当の価値を知る人間には理解してもらえるって信じていたけど、そんなことはなかった」
「……僕たちは夢を捨てるほど、まだ年老いてはいないはずだよ」
しかし、千束は首を横に振る。
「年齢は関係ない。私が伝えたいこと、表現したいことは、誰も求めていない。そんなものを書いても、時間の無駄だって気付いただけ。ううん、そうじゃない。認めるよ、単純に才能がなかったんだ。努力する熱意もなかった。自己満足を繰り返しても、本当の意味で歳をとって、気付いたら生きるために必要なものは何も残っていないことになる。それが怖くなった」
「悲観的過ぎるよ」
「現実的に見た結果、そう思ったの」
「二度と書かないの?」
「自分の劣等感と一生向き合って生きる。そう思うとぞっとするけど、そこから脱する手段を失ってしまったのだから仕方がない」
「じゃあ、これからどうするの?」
「分からない。取り敢えず、泣かせてほしい。慰めてくれる?」
「……僕でいいの?」
「今思えば、私の読者って貴方だけだから」
「そんなことないだろ」
「少しくらい大袈裟に言ったっていいでしょ。私は小説家なんだから。今日までは、だけど」
しかし、彼女は泣かなかった。数年前と同じように閉店時間になり、僕たちは外に出た。終電の時間にはまだ早い。
「それで、今夜は泊めてくれるの?」
「結婚した。泊められないよ」
「ホテルでいいよ」
あの夜、人生で最大の分岐点に立たされたと思っていたのに、またこんなことになるなんて。僕は情けないことに何度も唸ってしまうくらい、絶望的に葛藤した。
「悩まないでよ。お互いのために言っているんだから」
と千束は唇を尖らせる。そして、あのときの夜と同じように信号機を眺めた。千束の白い肌は、信号機のせいで赤く染まったままだ。赤く染め上げられた彼女は言う。
「もっと若いころに気付くべきだったかもしれない。ちゃんと現実を生きるべきだったって。何もかも変わっていく。好きだったものも、好きではいられない。そんな風に、時代の流れに耐えられない人間は、しっかりと歩く方法を知るべきだったんだと思う。貴方みたいに」
「僕だって分かっていないよ。現に今、死ぬほど悩んでいる」
しばらく考えて、僕は決断する。
「僕は帰るよ。君も家に帰るべきだ」
「……そう。これが最後かもしれないけど、いいの?」
千束を前にして、僕は妻のことを何度も考えた。他の女と一緒に食事をして、ホテルに行くかどうか悩んでいるなんて妻が知ったら、きっと怒るだろう、と。だけど、僕の人生はすでに妻の一部だ。妻の人生は僕の一部だ、と言い換えてもいい。だから、千束と一緒に行くことはない。
「よくはない。よくはないけれど、僕たちはタイミングが悪かった」
千束は僕を睨みつけると、駅の方へ歩き出した。
「また五年経ったら現れてやる」
「現れて、どうするの?」
「誘惑する」
「やめてくれよ……」
千束は鼻を鳴らして、背を向けると今度こそ立ち去るように思われたが、また振り返ってこんなことを言うのだった。
「でも、私以外の女と一緒にいて満足できるの?」
僕は少し考える。カノジョだったころから変わってしまった妻。今の僕は妻の機嫌を損ねないよう、ただ耐えるような人生を送り続けている。それが満足した日々と言えるだろうか。
答えはノーだ。しかし、千束と一緒になる人生を歩んでいたとしたら……。
「たぶん、僕たちは上手くいかない。少しくらい妥協した方が、人生は楽なんだと思う」
「……そうかもしれないね」
千束は駅の改札を超えて、ホームに降りていった。たぶん、今度こそ……会うことはないはずだ。僕は溜め息を吐いて、家路につく。帰ると妻は口を利かなかった。それは三日続いて、前から彼女が欲しがっていてバッグを買ってやるまで、僕は毎日冷戦状態の中、格闘するのだった。
五年後。
『今から出てこれる?』
千束から連絡があった。彼女が宣言した通り、五年後のことだ。そして、彼女と再会して、僕は思った。人は変わる。変わるけれど、誰もが似たような境地に落ち着くのかもしれない、と。
「もう僕は悩んだりしないと思う」
「本当に? じゃあ、この後どうするの?」
「ちゃんと家に帰るよ。……いや、少し考えさせてくれ」
どうやら悟にはまだ時間がかかるらしい。それも人生か。
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