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碧と陽翔と毒
せっせと、壊れた破片を集めて。つなぎ合わせて。仮面を作る。
つぎはぎだらけの新しい仮面を作る。
アオが本体になり、碧が仮面となる。
これにて終了。
めでたしめでたし。
碧は曇り一つない満面の笑顔を浮かべて、深々と頭を下げた。
頭を下げては、手を大きく振りながら去って行った。
(変な白昼夢を見た)
強く目を瞑ってゆっくりと開いた陽翔は、口元を押さえていた両の手を碧の胸に添えては強く押し出して、碧の瞳を見るべく二人の身体の間に隙間を作った。
突然の陽翔の驚きつつも、すぐに立て直した碧は陽翔の肩頬にそっと手を添えた。
「俺を選べ、陽翔」
刹那にして匂いが立ち込めるような甘やかな、ともすれば毒とも言える声に、くらくらとめまいがしていただろう。
思考を停止させられていただろう。
(前のぼくだったら。今のぼくは)
違う。
陽翔は目に力を入れて、碧を睨むように見つめた。
(2023.11.28)




