メリーさん全力疾走
「もしもし、私メリーさん。今、ゴミ捨て場にいるの。」
走っている時に、ポケットの中に入れていた携帯電話の応答に出ると、息を切らした女性の声が聞こえた。私はその電話を取る手は震えていた。きっと彼女だろうと思いながら、電話を切った。
ゴミ捨て場は、かなり前に通り過ぎたあのゴミ捨て場だろう。今、私が走っている所からゴミ捨て場までは、なかなか追いつけない距離にある。学校まで走り切ってしまえば、こちらのものだ。今見えている郵便局の角を曲がれば、学校の校門が見えてくる。
だがしかし、なんだか胸騒ぎがしたので、少しだけ走るペースを上げ、郵便局の角を曲がる。その角を曲がって、しばらくすると、また電話が鳴っていた。
「もしもし、私メリーさん。今、郵便局の角の近くにいるの。」
もうそんな所にいるの。さっき曲がった郵便局の近くにもう彼女は来ている。どれだけ速く走っているのかしら。
私は絶対に追いつかれないように、全力で走った。すると、もう校門に着いていた。私は少し安心し、校門を通り過ぎた。すると、また電話がかかってきた。
「もしもし、私メリーさん。今、校門の近くにいるの。」
彼女の声は、先ほどよりも息が激しくなっていた。もうきっと振り返れば、彼女が見えるだろう。
「コラ、走りながら携帯を使うな。」
学校にいた先生が私に向かって、怒鳴りつけてきた。私は急いで携帯をポケットにしまった。
すると、右耳の近くに気配を感じた。
「私メリーさん。今、あなたの後ろにいるわ。」
彼女の声が耳元で響いた。彼女は私の後ろにぴったりと走っているのだろう。だが、後ろを振り向く勇気はない。
なんでなの。みんなしていることじゃない。まさかこんなことになるなんて。
とりあえず、ほんの少しの希望にかけて、無我夢中で走った。だが、彼女は私に追いついた。そして、彼女は私を通り過ぎ、ゴールテープを切った。私もそれに続いて、ゴールを走り抜けた。
「女子の一番は、二年三組の羊田メリーさんでした。」
マラソン大会の一位を知らせるアナウンスが校庭に響いた。私は、彼女に負けてしまった。いつもよりペースを上げて走ったので、息が切れ、ものすごく疲れた。なので、その場から動けなかった。すると、メリーが近づいてきて、こう言った。
「一緒に走ろうって言ったよね。なんで先行っちゃうの?」




