表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/107

第八話

 「あなた。おかえりなさい」


 リビングの扉を開けると妻の沙苗(さなえ)が出迎えてくれた。


 「ただいま」

 

 俺が仕事から帰って来たものだと思っていると心が痛い。


 「あれ。美喜(みき)は?」


 美喜とは、中学生になる娘の名だ。

 いつものならこの時間はリビングのソファに座って、「おし」?と言うやつを見るため、テレビにかじりつく様にしているのだが、今日はその様子もなくテレビの画面は真っ黒のままだった。


 「美喜は私の実家で今日は泊まるそうよ」


 「えっ?!急にどうしたの?」


 少し驚いた。

 美喜と沙苗のご両親―特にお義母さんとは、はっきり言って良い関係と言い難い。

 その理由は、お義母さんの性格。孫にとても過干渉で美喜が小学校や中学校に上がる際、受験のある私立の学校へと進めてきた。美喜自身は友達と別れたくないと言っているのに、美喜の為になると言って、勝手に受験の申請書を提出したりて学校から電話がかかってきた事が何度もあった。きわめつけは、美喜の友達に対して「あなたと一緒にいると美喜が駄目になるから二度と顔を合わせないで頂戴」と言い放って、美喜の友達の親御さんを怒らせて話し合いにまでなってしまった事がある。

 だから、そんな実家に美喜が一人で、ましてや泊まりに行くなんて。


 「たまには、私の親にも顔を見せてあげたいと思ったんだって」


 「そうなのか」


 美喜がそう言っているならいいのだが。後でこっそり美喜に連絡を取る事にした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ